hmdの鐵たびブログ ローカル線の旅

のんびりローカル線の鉄道旅を、写真を中心に「見る紀行文」で長期連載しています。

【122】遠州湖北と国鉄遺産を訪ねて・・・天竜浜名湖鉄道(25)三ヶ日駅 後半の部  


ホーム近代化工事の嵩上げの時に出来た手摺が付いた低いステップの階段を二段降りると、
二十畳位の広い待合室がある。
この駅の最大の特徴は、待合室の床面が総板張りである事で、天浜線内でも、この駅だけだ。
靴に削られた小さな起伏に、鈍い光が反射する様が、年期をとても感じさせる。

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(待合室。見事な総板張りの床である。)

天井は高く、合板の市松模様になっており、独特な雰囲気を醸し出している。
蛍光灯の傘の横板は、燕の巣作りを防ぐ為である。

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(天井の市松模様。床と合わせて、非常に特徴がある構造になっている。)

新所原方の西側に、木製ロングベンチが幅いっぱいに据え付けられ、
床面も木造であるので、「絶対に禁煙」の注意看板がある。
また、木の床は歩くと、「コツコツ」とした独特な感じがあって、不思議な気分にしてくれる。

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(木造ロングベンチ。座面の奥が少し低くなっており、アール部分も美しい。)

出札口周辺は改装され、テーブルが無い普通の窓口になっている。
鉄道小荷物窓口も形跡がなく、一面の壁に掲示物が貼り込まれ、
出入口側に面して、自動券売機が一台設置されているだけだ。

もちろん、口座の種類は少ないが、硬券の発売もしいる。
なお、業務委託駅であるで、窓口営業時間が限定されており、
平日は7時20分から16時まで、土日祝日は9時から16時までとなってる。
また、忘れずに、駅スタンプラリーのスタンプも押しておこう。

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(出札口と改札口。)

駅出入口横の自動券売機の前の奥には、「グラニーズ」と言う
アメリカンスタイルカフェのテナントが入っている。
ハンバーガーやみかんシフォンケーキが、名物との事。
また、地元産の食材をふんだんに使った手作り駅弁も発売されているが、
保存料や添加物を使用していない為、夏場の6月から9月までは、販売休止だそうだ。
(土日のみ1日10個限定/要予約・要問い合わせ。)
・天竜浜名湖鉄道公式HP内・三ヶ日駅・グラニーズ(水・木定休、10時-17時営業。)
・食べログ静岡・三ヶ日駅・グラニーズ

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(駅テナントのグラニーズ。横にあるのは、自動券売機。)

駅前に出てみると、駅舎は北に面し、大きな駅前広場と幅の広い道路が接続している。
駅前側がホームの高さよりも低い為、コンクリートの土台と階段があり、
その上に駅舎が建っている。ちなみに、駅周辺の海抜は、2m程度しかない。

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(駅舎外観。)

駅出入口には、手作り風の一枚板の駅名標が掲げられ、
外板は縦板張りで、西側は木枠の二段窓が残っている。
残念ながら、テナント側の外壁は改装されている。

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(一枚板の駅名標。)
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(西側壁面。白い窓枠と外壁の対比が美しい。)

駅前には、派手な大型立体観光案内板がある。
かつてのこの地は、「英多(あがた)」、後には「中野郷」と言われていたそうで、
「三ヶ日」の地名は、意外にも、江戸時代頃からになるとの事。

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三ヶ日の地名の由来は諸説あり、月の三が付く日に市が開かれた事、
京都まで早馬で三日掛かった事や、三日池の伝説に拠る説がある。
その中の、三日池の伝説とは・・・
現在の国道301号線の三日池交差点近くに、綺麗な水を湛えた神社の大池があり、
昔、里の長者が多くの人足を雇い、池の水を汲み出して魚を獲ろうとしたが、
三日三晩水をいくら汲み出しても、水が減らなかったそうだ。
以来、この池を「三日池」、その長者を「三日(の)長者」、里を「三ヶ日村」
と言うそうになったとの事。この説が一番、ほのぼのに感じる。
また、かなり小さくなったが、この三日池は現存するそうだ。


(国土地理院国土電子Web・三ヶ日。)

この三ヶ日町は、浜名湖の支湖である猪鼻湖(いのはなこ)の最北部に面しており、
東、西、北の三方が山に囲まれ、山から流れ出る宇利山川、日比沢川、釣橋川の
三つの短い河川の狭い平野部と河口部に発達している。
この山々も、南アルプスの稜線が、太平洋側に張り出している最南端部になっている。

平成17年(2005年)の浜松市との合併前は、静岡県引佐郡(いなさぐん)の一町で、
かつては、東海道の脇街道である「姫街道」(別称・本坂通り)が通り、
町の東側には引佐峠、西側には本坂峠と言う難所を控える事から、
人馬や荷役も多く、宿場町として大変栄えたそうだ。
現在は、浜名湖の海側の開口部を避けて、東名高速道路が湖の北側に迂回しており、
インターチェンジやサービスエリアもあって、西遠エリアの玄関口になっている。

現在の町全体の人口は、約15,000人で、駅周辺の三ヶ日地区は、約2,500人になってる。
農業や観光業が主な産業で、特産品としては、湖に面した温暖な傾斜地で作られる
「三ヶ日みかん」が全国的に有名で、栽培の歴史は江戸時代中期まで遡り、
明治初期には、全国に三ケ日の名が知られていた。
他の特産品として、三ヶ日牛、蜂蜜、大福寺納豆(浜名納豆)も有名である。
また、温暖で風光明媚な景観や多くの史跡、新鮮な山海の幸が豊富な事から、
リゾートホテルや旅館も多く、湖畔サイクリングやヨット等のスポーツも盛んになってる。

気持ちの良い天気と、のんびりとした雰囲気に満喫感を感じる。
もう少し、この駅に留まりたい気分だが・・・
他の有形文化財駅に立ち寄りながら、天竜二俣駅に引き返す事にしよう。
次の上り列車は8時59分発です。

初老の駅長氏に礼を言い、1番線ホームで待っていると・・・
短い汽笛を鳴らして、レトロな塗装の気動車がやって来る。
天浜線に一両だけ在籍する、マスコット的な車両のTH3501(TH3500形)である。
今日は、朝から巡り合わせが良い。

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(TH3501。元・トロッコ列車の塗装になっている。)

後部乗降ドアから乗車、下り109列車のTH2101と列車交換をする。
列車は汽笛の合図を一声し、「ドッドッドッ」と低音が効いたエンジン音を轟かせながら、
定刻に三ヶ日駅を発車。スタンプラリー用の整理券も取ろう。

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(三ヶ日駅を発車する。最後尾からの撮影。)

三ヶ日町観光協会公式HP



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【謝意】
浜松市北区役所まちづくり推進課さま、データ照会などのご教授を頂きまして、
ありがとうございます。厚く御礼申し上げます。

2015年12月3日再編集・画像再処理
2016年1月6日再編集
2016年7月21日再編集(文体変更・文章追加・画像整理)

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category: 天竜浜名湖鉄道2日目 22話

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