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のんびりローカル線の鉄道旅を、写真を中心に「見る紀行文」で長期連載しています。

【78】伊勢志摩めぐりの旅・・・JR参宮線&近鉄志摩線(5)伊勢神宮 その3  




御手洗場の角を左に曲がり、200m程先の四つ目の鳥居を潜ると、
内宮神楽殿や御饌殿等の建物が配され、祈祷受付やお守り等の授与を行っている。

この場所の対岸の川を渡った先には、別宮の風日祈宮(かざひのみのみや)が鎮座している。
外宮の風宮と同じ神が祀られていて、一緒に元寇襲来の国難を救ったと言われている。

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(参道。)
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(内宮神楽殿。祈祷受付や御札、御守り、御朱印の授与を行っている。)
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(神楽殿の参拝者玄関。右手前に、手水石の竜虎石(りゅうこせき)がある。)

更に、奥の緑緑とした大木の中の参道を、歩いて行こう。
この周辺は神域として、鎮座以来一度も伐採されない禁伐林になっていて、
古の森そのままの景観を保っている。また、不思議な事に、蜘蛛の巣や蟻塚が無いそうだ。

参道には、巨杉(きょさん)が聳え立ち、鉾の様に天に向かって真っ直ぐな事から、
「鉾杉」言われ、樹齢は大凡700年前後になるそうだ。
また、古くから、この杉の皮を持っていると長生き出来る言い伝えがあり、
剥ぎ取られない様に、地面近くに竹の腹巻が巻かれている。

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宇治橋から徒歩で約30分、長い参道を歩き、正宮にやっと到着する。
最後は大きな石段があり、その上に鎮座している。

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(内宮前の石段。)

御祭神は、天照大御神(あまてらすおおみかみ)。
皇室の御祖神として、また、我が国で最も貴い最高神、総氏神様になる。
この地で2000年間も鎮座し、壬申の乱以降は、天皇家の守護社でもある。

一般参拝者は、外玉垣南御門で参拝をするが、御正殿は屋根の一部しか見えない。
また、右手には、雨天時に祭事を行う四丈殿と言う屋根付き舞台の大きな建物があるのが、
外宮と違う所だ。また、内部には、天皇のみが入れる最も神聖な区域がある。

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ちなみに、御正殿の鰹木は10本、千木は内削ぎとなり、言い伝え通りに女神を表している。
その正体は、天照大御神が天の岩戸に隠れた時に、外に引き出したきっかけになった鏡である、
八咫鏡(やたのかがみ)と言われている。
伊勢観光協会公式HP・天の岩戸伝説

約2,060坪の敷地と内宮の配置は、外宮とほぼ同じで、門内には白黒の玉石を敷き詰め、
唯一神明造の御正殿と幾つかの建物、四重の塀と五つの門が構えている。
また、正宮の左隣には外宮と同様に、新御敷地がある。

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(新御敷地。)

伊勢神宮への参拝は、古くから行われており、江戸時代は特に盛んになった。
「一生に一度は、お伊勢さん」、「おかげまいり」と良く聞くと思う。
平安時代から参詣者が訪れる様になり、後に各地に神社が建立され、
御師(おし)と呼ばれる神宮を伝道する神職が、伊勢暦や御札を配って、
全国の民衆の間に信仰が広がっていった。

農村では、伊勢講と呼ばれる互助組織が作られ、村民から少しずつお金を出しあって積み立て、
農閑期に村の代表として、順番に伊勢神宮に参拝させる仕組みが出来た。
江戸時代は特に盛んになり、庶民や農民の旅行は大変厳しく取り締まりされていたが、
伊勢詣の目的ならば、ほぼ無条件で関所の通行手形が発行されていたそうだ。
慶安3年(1650年)以来、約60年周期で「おかげ年」と言う参拝の流行が繰り返され、
その年には、当時の日本の人口の一割から二割が参拝したそうだ。

参拝後は順路に従って、宇治橋に戻ろう。
細い裏参道の途中に、小さな高床式の建物が建っており、
唯一神明造の建築様式を間近で見る事が出来る。
また、建物本体に対して屋根が大きく、傾斜面が長いのが、日本的に感じる。

御稲御蔵(みしねのみくら)は、神田で収穫された天照大御神に奉じる稲穂を保管する蔵で、
御稲御倉神という神も御はし、祭事も執り行なわれている。

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(御稲御蔵。)

この外弊殿(げへいでん)は、元々は天皇家の宝物を保管し、現在は古い神宝を保管する倉庫だ。

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(外弊殿。)

暫く歩くと、正宮裏側の窪地に荒祭宮(あらまつりのみや)があり、石段を下って行く。
なお、石段の途中に、天から降ってきたと言われる、天の字に四つ割れた石がある。
踏まぬ石と言われ、「踏んでは、ならない。」と言われているが、気が付かなかった。

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(荒祭宮への石段。)

荒祭宮は規模も大きく、前の石段の真ん中にも、見事な鉾杉が聳えている。
内宮正宮と同じで、石段を上がった一段高い所に鎮座している。

また、天照大御神の荒御魂を祀る内宮第一位の別宮になる。
宮域には、この荒魂宮と風日祈宮、宮域外に八つの別宮があり、
天皇の勅使は、内宮とこの荒魂宮のみ参行し、特別な扱いの別宮になっている。

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(荒祭宮。)

表参道に合流し、宇治橋まで戻って、五十鈴川を渡る。
右手にある、おはらい町とおかげ横丁をゆっくり見学したいが、正宮よりも大変な雑踏だ。
残念であるが、今回は諦めよう。

門前町のおはらい町と、平成5年に整備された江戸時代風のレトロな街並みのおかげ横丁は、
内宮観光のもうひとつの目玉になっている。
有名な赤福本店をはじめ、飲み喰い処や土産店、歴史館(有料)等がある。

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(おかげ横丁。)

近鉄五十鈴川駅を目指して歩いていたが、途中で道に迷い、
途中で見つけた伊勢市駅行きの路線バスに乗車して、伊勢市駅に戻る事にする。
見学予定の近鉄宇治山田駅に行く事が出来ないのが、惜しい。

伊勢神宮公式HP
伊勢市観光協会公式HP
おかげ横丁公式HP



外宮(げくう) →伊勢市山田にある豊受大御神を祀る神社。別名・豊受大神宮。
内宮(ないくう)→伊勢市宇治にある天照大御神を祀る神社。伊勢神宮の中心。別名・皇大神宮。
正宮(せいぐう)→最も尊い神社で、天照大御神と豊受大御神を祀る二つの神社のみ。
別宮(べつぐう)→正宮に次いで尊い神社で、正宮の分身とも言える。
御正殿(ごしょうでん)→御神体が奉斎されている建物、本殿のこと。
神楽殿(かぐらでん)→神楽や祈祷などの受付、御札やお守りの授与を行う社務所。
宮域(きゅういき)→境内のこと。
御饌(みけ)→神に捧げる供物・食事のこと。
荒御魂(あらみたま)→神のもう一つの側面である荒ぶる魂のこと。



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2015年12月3日再編集
2015年12月24日加筆
2016年7月3日再編集(文体変更・文章追加・画像整理)
2017年3月15日再編集(画像調整)

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category: 伊勢志摩めぐり 全10話

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