hmdの鐵たびブログ ローカル線の旅

のんびりローカル線の鉄道旅を、写真を中心に「見る紀行文」で長期連載しています。

【69】哀愁の国鉄ローカル線を追って・・・樽見鉄道(12)本巣機関区 前編  


再び、華厳寺の参道にあるバスターミナルから、谷汲口駅行きのバスに乗車する。
帰りも、乗客は居らず、ひとり貸切バス状態だ。
なお、公共交通機関を利用する場合は、養老鉄道で大垣駅から揖斐駅まで来て、
揖斐駅から、路線バスを乗り継ぐルートもある。

昔は、バスが曲がる十字路の近くに、名古屋鉄道谷汲線の終点谷汲駅があり、
参拝者や観光客の輸送を担っていたが、平成13年(2001年)に廃止になってしまった。
現在は、谷汲昆虫館を併設し、駅舎と赤い小型電車二両が、静態保存されている(見学は有料)。
グーグルマップ・揖斐川町役場「谷汲昆虫館」

バスは春の日差しの田園の中をノンビリと走り、約10分で、谷汲口駅に到着する。
谷汲口駅から本巣駅に戻って、本巣機関区を見学しよう。
今度の上り大垣行きは、13時50分発で、7分程の待ち合わせになる。

暫くすると・・・上り20列車・大垣行きがやって来る。
幸運にも、樽見鉄道のマスコット的存在のハイモ230-312である。
昭和62年(1987年)富士重工業製のレールバスで、樽見鉄道の最も古い現役気動車の為、
運用にあまり入らない予備車になってる。

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(レールバスのハイモ230-312がやって来る。)

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【停車駅】〓;第◯根尾川橋梁、】【;トンネル
谷汲口1350=〓1==木知原=】【=】【==綾部===1400本巣
上り20列車・普通大垣行(ハイモ230-312・単行)
++++++++++++++++++++++++++++++++

根尾川の川谷を抜けて、濃尾平野に出ると、約10分で本巣駅に到着する。
4分間の待ち合わせで、下り19列車・樽見行きと列車交換をする。
暫くすると、青ハイモ295-516が、1番線に直列で並ぶ。

2番線に到着の下り19列車樽見行き・白いハイモ295-617は、ここまでの運転になり、
列車番号は変わらないが、青いハイモ295-516に切り替えて、終点の樽見まで運転する。
上り列車と下り行き列車が、同じ番線に縦列で発車待ちをするのも、大変珍しいと言える。

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(本巣駅に三両の気動車が集まる。)



この本巣機関区を見学してみよう。
駅の南にある県道76号線の踏切から、樽見方を眺めると、長い側線が三本あるのが判る。
北側にある住友大阪セメント岐阜工場に出入りする貨車を取り扱う為の側線で、
平成18年(2006年)の貨物列車廃止後も、貨物側線のレールは撤去されていないままだ。
やや、複雑なポイント配置になっており、短い引き上げ線が踏切側にある。

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(県道踏切から樽見駅構内。引き上げ線には、保線用車両が留置されている。)

駅の西側は、住宅も疎らな田畑になっていて、見晴らしが良い。
駅のホームや車庫も良く見える。

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(構内南側から。ホームと車両検修区の建物。)
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(構内北側から。留置中の気動車と車両検修区の建物。)

線路脇には、レバー式手動転轍機が据え付けられている。
通称「ダルマ」と言われる、円盤錘が付いた手動転轍機が良く知られているが、
比較的新しい路線には、トングレールを誘導側にスプリングで強力に圧着させる
このタイプも多く見られる。
なお、レバー式も色々と細かなタイプの違いがあり、路線に依って違う場合がある。

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西側から3本目の貨物側線には、廃車された車両が留置されている。

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(廃車群。)

手前の青いレールバスは、富士重工製のレールバス・ハイモ230-301で、
子供たちが描いた絵を、パッチワーク状にラッピングしている。
白いハイモ295-617が、三木鉄道から入線した為、平成21年(2009年)4月に廃車となった。
第一世代のハイモ180形の後継として導入された第二世代のレールバスで、
先程、谷汲口駅から乗車した、第三世代のハイモ230-312(310番台)とは、仕様が少し違う。

【ハイモ230-301の主な諸元】
昭和60年(1985年)富士重工業製レールバス、全長15.5m、自重23.5t、
日産PE6HT03ターボ付き水平対向ディーゼルエンジン230馬力(1,900rpm)、
ロングシート、定員98名、クーラー有り、バス窓、折戸式乗降扉。

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(第二世代のハイモ230-301。)

その後の色褪せた青い客車は、かつて、朝夕のラッシュ時や淡墨桜の桜ダイヤ時等の
多客時に運行した、ディーゼル機関車牽引の客車列車として活躍した国鉄14系客車である。
平成6年(1994年)にJR東海から購入し、平成18年(2006年)3月まで運行されていた(※)。
樽見鉄道の客車としては、オハフ33形客車(谷汲口駅に1両静態保存)と国鉄12系客車(廃車済み)
の後、最後に導入された客車になる。

車番は、大垣寄りから、スハフ14-4/オハ14-5/オハ14-13/オハ14-8/スハフ14-2の5両編成で、
通常時は、スハフ/オハ/スハフの3両編成で運転されていたそうだ。
樽見鉄道での車籍上は、スハフ2200形とオハ2000形だが、形式表示は国鉄時代のままになっている。

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(元・国鉄14系客車。)

その並びには、かつて運行していた観光トロッコ車両も、1両だけ留置されている。
国鉄無蓋貨車トキ29107(国鉄トキ25000形)の改造車である「うすずみ2号」で、
車体妻面の車両検査票を見ると、定員68名、自重18.7tになっている。

元々は、無蓋貨車の為、屋根を付けたり、各部に改造の箇所が多く見られる。
屋根のスラント部分には、採光の為の細長い天窓があり、
不自然な腰高窓であるが、座席が底上げされて、テーブルが設置されている。
車両中央床下の白い棒状の部品は、貨車特有の足踏みフットブレーキである。
なお、トロッコ列車は、樽見鉄道が樽見まで全通した平成元年(1989年)から、
平成17年(2005年)までの16年間、運行されていた。

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(うすずみ2号。改造車両らしい、直線的で独特なデザインである。)
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(国鉄14系客車スハフ14-2とうすずみ2号。ブルーシート下は、スイッチャーである。)



構内の樽見寄りには、鉄製トラスの跨線人道橋があるので、渡ってみよう。
標準的な国鉄車両の全高は、4mであるので、この跨線橋の床面の高さは5m位である。
また、1.5人分の通路幅しか無く、今日は北風が強いので、かなり揺れる。
樽見方を見ると、住友大阪セメント岐阜工場とレールが剥がされた引き込み線跡がある。

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(跨線人道橋上から樽見方。)

大垣方を見ると、東に機関区、西に貨物側線、その間に短い島式ホームと本線を配している。
左の円筒形の黒いコンクリートの建物は、蒸気機関車時代の給水塔であり、
その横には、水を引き上げた井戸も残っているが、残念ながら、転車台は残っていない。

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(跨線人道橋上から大垣方。)

この跨線橋を渡り切り、反対側の東側に降りる。
東側階段下の銘板を確認すると、昭和35年(1960年)11月竣工との事。
「名古屋鉄道管理局」の文字も、国鉄を感じさせる。
このトラス構造や細い鉄骨、塗色等が、国鉄時代の特徴を良く残している。

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(美濃本巣跨線人道橋。)
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(銘板。)



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(※)平成22年(2010年)の秋に、全て廃車解体された。

2015年12月2日再編集
2015年12月24日加筆
2016年6月30日再編集(文体変更・文章追加・画像整理)
2017年1月9日再編集(画像再処理入れ替え)

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category: 樽見鉄道 全16話

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