hmdの鐵たびブログ ローカル線の旅

のんびりローカル線の鉄道旅を、写真を中心に「見る紀行文」で長期連載しています。

【68】哀愁の国鉄ローカル線を追って・・・樽見鉄道(11)谷汲口駅下車観光 谷汲山華厳寺詣へ 後半の部  


若葉に囲まれた、最後の石段を登ると・・・本堂である「観音堂」に到着する。
この「谷汲」の名は、近くの岩穴から油がコンコンと湧き出て、仏灯に困らなかった事が由来で、
その由縁から、「谷汲さん」や「満願寺」とも言われている。
現在の宗派は、滋賀県大津の比叡山延暦寺を本山とする、天台宗山門派だそうだ。

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(観音堂前の大石段を登る。)

寺の縁起は、平安時代初期の第五十代桓武天皇(かんむてんのう)の治世の頃、
西暦798年(延暦17年)に、会津(現・福島県西部)の豪族であった大口大領と言う人物が、
仏像製作を依頼していた京の佛師から受け取った十一面観音菩薩像を故郷に持ち帰る途中、
この付近で観音像が急に重くなり、運べなくなってしまった。
そこで、大口大領は、この地がこの仏の縁の地と考え、
近くに庵を結んで、仏教修行をしていた豊然上人(ぶねんしょうにん)の協力を得て、
ここに祀ったのが始まりと言われている。

開基後、直ぐに、京の天皇家の加護と信仰を受け、
西暦917年(延喜17年)に、「谷汲山」の山号と「華厳寺」の扁額を第六十代醍醐天皇より賜った。
また、平安時代中期には、第六十五代花山天皇(法王)が訪問した際、
西国霊場三十三所の最終の地「満願所」として定められて、現在に至っている。

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(奉納石碑。)
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(扁額と大提灯。)

過去、何回かの兵火に見舞われて、本堂は焼失し、寺は一時没落したが、
江戸時代に再興され、現在の本堂は明治12年(1879年)の再建になっている。

御本尊の十一面観世音菩薩や脇侍(きょうじ)は、完全な秘仏になっており、
定期的な御開帳もなく、直接の拝観は出来ない。
なお、戦乱の際、御本尊や脇侍は山中に逃れ、兵火に遭わずに済んだそうなので、
開基当時の仏像と言われている。

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(華厳寺観音堂。)

なお、本堂内陣では、戒壇巡り(かいだんめぐり)が出来る。
御本尊の真下に回廊があり、御本尊の指と鎖で結ばれた大きな錠前に触ると、御利益があるそうだ。
冥加料100円を納めて巡ったが、一寸先も見えない暗闇で、再チャレンジして触れる事が出来た。



本堂の縁には、座れる部分があるので、一休みしよう。
巡礼者は、僧侶から満願の御朱印を頂き、本堂入口横の柱の鯉の彫刻に触れると、
精進落しが出来ると言われている。
なお、提灯も、天皇家由縁の寺であるので、菊の御紋が入っている。

なお、この華厳寺では、他の寺院よりの多い三枚の御朱印を頂く事が出来るそうだ。
この三枚は、「過去(満願堂)」、「現在(観音堂)」、「未来(笈摺堂/おいずるどう)」
を現していると言われている。訪問時も、巡礼者らしい中年の夫婦が、御朱印を頂いていた。

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(本堂縁側には、ベンチがある。)
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(精進落としの鯉の彫刻と菊の御紋の提灯。)

また、本堂の横や裏手には、小さな仏様や地蔵様も祀ってある。
満願成就の寺なので、巡礼を無事に終えた巡礼者が身につけていた
笈摺(おいずる/巡礼服)、笠、千羽鶴等を納める「笈摺堂」や「満願堂」がある。
また、背後の山中には「奥の院」(片道徒歩40分程度)も祀られている。



時計を見ると・・・丁度、正午半前だ。そろそろ、昼食に行こう。

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(大石段を降る。)

仁王門前まで戻ると、富岡屋と言う門前食堂がある。
店前の案内板によると、明治初期の創業で、大口大領の子孫の言い伝えがあるそうだ。
作家の五木寛之氏も立ち寄ったことがあるとの事。
揖斐川町商工会谷汲支部公式HP・富岡屋

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(門前食堂の富岡屋。)
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(富岡屋の由来。)

中に入ると・・・座敷とテーブル席がある、純和風の落ち着いた作りになっている。
然程、混んでおらず。テーブル席に腰掛ける。
早速、この華厳寺名物の「満願そば」(700円)を注文しよう。

10分程待つと・・・出来上がった様だ。
虹鱒(ニジマス)の甘露煮に、椎茸、筍やわらび等の地元の山の幸を添えた特製そばで、
甘めの虹鱒と汁がとても美味しい。
汁も飲み干すと、「満願成就」の文字が・・・なかなか、縁起が良い。
側面には、谷汲山参拝の御詠歌(ごえいか/巡礼者の仏を称える歌)が記されている。

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(谷汲山華厳寺名物のい満願そば。税込み700円。)
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(丼の底の満願成就のありがたい焼印。)

お茶を貰って、一休みした後、出発しよう。
帰りがけに店先を見ると、採れたての筍が、一山500円で売られている。

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(筍の即売。500円と安い。)

参道を下って、バスターミナルに向かっていると、
途中の店先から、香ばしい香りが・・・
年配女性の店人に、「お兄さん、食べてかない?」と呼び止められ、
味噌田楽を二本購入(1本50円)する。山椒がまぶされ、とても香ばしく、甘くて美味しい。
揖斐川町商工会谷汲支部公式HP・えのきや

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(えのきやの味噌田楽。税込み50円。)
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(大正から三代続いた秘伝の味噌だれが美味い。)

話を聞くと・・・連休最終日の昨日までは、連日大変な混雑だったそうで、
今日はその反動で静かとの事。
昔、谷汲まで運行していた、名古屋鉄道谷汲線の賑やかだった頃の話もして貰えた。
丁寧にお礼を言い、バスターミナルに向かう。
時刻表を見ると、今度の谷汲口駅行きのバスは、13時35分発になっている。

谷汲山華厳寺公式HP
西国三十三所巡礼の旅HP
揖斐川町商工会谷汲支部公式HP



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2015年11月26日再編集
2015年12月24日加筆
2016年6月30日再編集(文体変更・文章追加。画像整理)
2017年1月8日再編集(全画像再処理入れ替え)

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category: 樽見鉄道 全16話

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