hmdの鐵たびブログ ローカル線の旅

のんびりローカル線の鉄道旅を、写真を中心に「見る紀行文」で長期連載しています。

【55】清流長良川と奥美濃を訪ねて・・・長良川鉄道(20)美濃駅下車観光 その1 旧名鉄美濃駅  


観光案内板を見ると、旧市街地は、駅から長良川の方向の約770m先に有る様だ。

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(看板の一番下の赤い所が、美濃市駅の位置になる。)

駅前から真っ直ぐに、長良川の方向に歩いて行くと・・・
次の大きな県道交差点の左角に、名古屋鉄道の旧美濃駅が残っている。
ちょっと、立ち寄ってみよう。



名古屋鉄道の岐阜駅北側の通りにあった徹明町駅からこの美濃駅まで、
狭軌・直流600Vの併用軌道線(路面電車)の名古屋鉄道美濃町線が、かつて結んでいた。
当時の営業キロは25.1km、明治44年(1911年)に美濃電気軌道として全通し、
後に名古屋鉄道に合併され、地元の足として、長年活躍したそうだ。
しかし、自家用車の普及やバスとの競合による利用客減少の為、
末端部の名鉄新関駅からこの美濃駅間の6.3kmが、平成11年(1999年)に先行廃止され、
残る路線も、平成17年(2005年)の春に全線廃止になってしまった。

ちなみに、長良川鉄道関駅下りホーム南側にあった乗降場は、
平成11年(1999年)の新関駅から美濃駅間の先行廃止の際、その代替路線として、
新関駅から長良川鉄道関駅までの300mの線路を新設し、接続したものである。
しかし、開業100周年を目の前にして、美濃町線は全廃となり、
他の岐阜エリアの名鉄の併用軌道線も、平成17年(2005年)春に全て廃止になっている。

この木造駅舎は、大正12年(1923年)10月に、この場所に移転した時のもので、
国登録有形文化財指定された鉄道記念館になっている。
営業時間中は無料公開されており、当時の車両が静態保存されている。
なお、駅舎の駅名標が「旧名鉄美濃駅」であり、何故か"旧"が付くが、
廃線の際に元の駅名標が行方不明になった為、新調した為だそうだ。

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(記念石碑。)
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(旧名美濃駅正面。)

中に入ってみよう。
ホームは、終着駅らしい二面三線の頭端式で、併用軌道線の超低床ホームになっている。
駅舎側から見て、一番左側の3番線にある車両は、モ590形(593)である。

昭和32年(1957年)製造、日本車両製造、12m級車体で、全廃時まで使用されたそうだ。
後年の冷房化改造も行われず、塗装も現在の名鉄イメージカラーのスカーレット一色だったが、
廃止の1年前に、この懐かしいツートンの旧塗装に戻された。

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(モ590形(593)。「モ」の形式名は、電動車のモーターのモから。)

車内はオールロングシートで、アールの部分等が、昭和中期の雰囲気満点である。
本や玩具が沢山置いてあり、地元の子供達の遊び場になっている様子だ。

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(モ590形(593)の車内。)
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(モ590形(593)の運転台。)

モ590形(593)の右並びにも、2両展示されている。
左から、モ510形(512)とモ600形(601)になる。

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運転台が丸いモ510形(512)は、美濃電気軌道時代の半鋼製車で、
戸袋窓が丸型のことから「丸窓電車」と言われていた。
丸い運転台も、製造当時に流行したアメリカンスタイルになっている。

大正15年(1926年)に日本車輌製造で新製された、大変古い車両である。
当時、製造された5両のうちの2両は、美濃町線廃止まで車籍を除籍されず、
予備車としてイベント運転などで活躍した。
このレトロなモ510形が走る様は、沿線名物のひとつだったそうだ。
なお、車内のシートは撤去されているが、元はロングシート車で、
後年に2席+1席の転換クロスシートに交換された。

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(半鋼製車なので、車体は木造部分が多い。アールの美しい屋根も、レトロである。)
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(ブレーキの圧縮空気圧力計はあるが、速度計は無い。運転士の経験に頼る。)

細面のモ600形(601)も、美濃町線廃止時まで活躍した。
昭和45年(1970年)に日本車両製造で新製、名古屋鉄道各務原線(かかみがはら-)経由で、
名鉄岐阜駅に直接乗り入れる為、美濃町線600Vと各務原線1500Vの両方の架線電圧に対応が出来る、
複電圧車になっている。
なお、車内のシートは一部撤去されているが、元は2席+1席の転換クロスシート車である。

車両両端が絞られた独特な車体は、その細面から「馬面電車」と言われ、
正面には貫通扉と渡り板があり、運転装置は貫通扉の後ろに付いているのが、特徴である。
複電圧車の為に抵抗器が二系統必要となっており、床下に搭載しきれずに、屋根上にも載っている。
(冷房装置では無く、非冷房車である)。

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(この頃の運転台には、速度計が装備されている。)

これらの車両は高床なので、乗降ステップの段差も高く、足腰の弱い人は大変そうだ。
乗降扉下に補助ステップがあり、走行時には、跳ね上がって格納される仕組みになっている。

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(モ510形(512)のもの。)

また、1番線奥には、元・札幌市電のモ870形(昭和40年製造)のカットモデルも展示してある。

美濃市 公式HP 観光案内 旧名鉄美濃駅



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2015年11月24日再編集
2015年12月23日加筆
2016年6月17日再編集(文体変更・文章追加・画像整理)

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category: 長良川鉄道 全22話

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