hmdの鐵たびブログ ローカル線の旅

のんびりローカル線の鉄道旅を、写真を中心に「見る紀行文」で長期連載しています。

【4】SL列車とレトロ駅訪問の旅・・・大井川鐡道2010(4)新金谷車両区  


SL急行券(指定席券)と駅弁も、無事に手配出来た。
この新金谷駅から終点の千頭駅(せんず-)まで、SL急行「かわね路」号に乗車しよう。
乗客の多い日は、SL列車が増発され、三機の蒸気機関車による三往復ダイヤが、
組まれる事があるが、今日の増発は無く、かわね路号の一往復のみの運転である。

発車時刻は11時58分。まだ約1時間半あるので、新金谷車両区を見に行こう。
正式には、大井川鐵道施設車両区と言い、駅南側の金谷方に検修区、側線や詰所等がある。
有料駐車場の向こうにあり、風に乗って、油が混じった匂いがしてくる。


(グーグルマップ 新金谷駅空撮。)

側線を見ると、哀愁の国鉄を感じさせる旧型客車が、沢山並んでいる。
複数の旧型客車編成が並ぶのは、国内では、もう此処だけであろう。
一番手前の青い旧型客車は、スハフ42-286(国鉄 -2286/戦後型・折妻屋根)になる。

国鉄2000番台の旧型客車の暖房設備は、電気機関車牽引の為、電気暖房化(EG)の改造がされたが、
大井川鐡道では、蒸気機関車から供給される蒸気を利用した昔ながらの蒸気暖房(SG)を使い、
車番も元に戻してある。特に真冬の床下から蒸気が昇る様は、とても風情がある。

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駐車場寄りの一番西側の側線では、3両の旧型客車が留置され、二人の検修区員が幌枠を補修中だ。
手前の車両と向こうのバックマーク付きの車両は、共に戦前型・丸屋根のオハ35形である。
向こうの車両は、貫通路を閉鎖して、編成最後尾の転落防止の改造がされている。

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駐車場の南端からは、仕業準備中の蒸気機関車が見える。
今日のSL急行列車の牽引機は、「ポニー」こと、C56-44号機らしい。

太平洋戦争時、軍部の命令で、タイ・ビルマに送られた90両の出征機関車のうちの1両で、
昭和54年(1979年)に、奇跡的にタイから帰国した復員機関車である。
現在は、タイ国鉄仕様なっているが、煙室扉に国鉄のナンバープレートが付けられている。

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(C56-44号機タイ国鉄仕様。)

整備場の横には、石炭の山がある。
昔の煙の多いもので無く、突き固め、煙が少ない高品質な石炭を使用しているとの事。

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線路の向こうに新しい公園が出来ている様なので、行ってみよう。
駅舎方向に戻り、北側にある踏切を渡って、住宅地の中を暫く歩く。

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(新金谷駅北側の踏切付近から。)

徒歩数分で、反対側の公園に到着する。
低いフェンスだけ設置されているので、撮影はし易いが、
どうしても、自動洗車機が被ってしまうのが、致し方無い所だ。

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C56-44号機の後ろには、C10-8号機とC11-227号機が・・・今日は休みになっている。
手前の一輪車のある小山は、蒸気機関車に焚べたアッシュ(石炭の燃え殻/石炭灰)である。
このC10−8号機は、大井川鐵道の蒸気機関車の最古のものであるが、状態は良く、
花型の「かわね路号」を牽引する事も多い。

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(C10-8号機とアッシュ山。)

ちなみに、大井川鐵道では、現在5両の蒸気機関車が在籍している。
国内のSL全廃後の昭和51年(1976年)に、国内で初めて、蒸気機関車の復活運転を行った。
なお、うち4両は、小型なタンク式蒸気機関車であり、大井川鐵道の主力になっている。
C56はテンダー(炭水車)があるが、国鉄のテンダー式蒸気機関車では一番小型であり、
小海線等のローカル線で使われていた事で有名である。

大井川鐵道本線は、鉄橋の軸重制限が12tの為、14tであった国鉄丙線規格よりも低く、
簡易線並みになっている。その為、大型蒸気機関車の導入は難しい。

◆大井川鐵道に所属する蒸気機関車一覧◆
C56-44C10-8C11-190C11-227C12-164
製造会社三菱川崎車両川崎車両日本車両日本車両
最終配置札幌・千歳線
→タイ
会津若松→
ラサ工業専用線
熊本→
個人所有
静態保存
釧路・標津線木曽福島
(中央西線)
国鉄製造年昭和11年昭和5年昭和15年昭和17年昭和12年
大鐵入線年昭和54年平成6年平成13年昭和50年昭和48年
当初は千頭駅
で展示
全長14.3m12.7m12.7m12.7m11.4m
全幅2.9m2.9m2.9m2.9m2.9m
高さ3.9m3.9m3.9m3.9m3.9m
自重
(整備時)
機関車37.6t
炭水車27.9t
69.7t66.0t65.9t50.1t
特記復員機関車
昭和54年に
タイから
帰国
国内唯一の
動態保存C10
デフなし
元・御召機
緑ナンバー
九州仕様
大鐵の看板蒸機
復活蒸機第一号機
日本ナショナル
トラスト所有
赤ナンバー
休車中

(※転載不可)

今日は、側線に留置中の車両が多い。
ED500形「いぶき501」電気機関車では、若い整備士が一人で整備をしている。
隣のツートンの電車は、元・京阪電鉄3000系(2両編成)になる。

「いぶき501」は、昭和31年(1956年)製造、日立製、B-B軸配置の直流電気機関車である。
大阪セメント伊吹工場専用線で活躍した後、平成11年(1999年)に大井川鐵道に入線し、
SL列車の後部補助機関車やイベント列車牽引で活躍している。
なお、「いぶき502」も同時に入線したが、再譲渡先で廃車になっている。

元・京阪電鉄3000系は、鳩の特急マークの京阪電鉄本線の名特急「テレビカー」で、
昭和46年(1971年)製の19m級車で、テレビは取り外されており、残念ながら観れない。
大井川鐵道と軌間が違う為、東京営団地下鉄(現・東京メトロ)5000系の台車に履き替えている。

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(いぶき501と3000系。)

車庫の横には、元・南海電鉄のズームカー21000系と、
その後ろの橋下に、赤ナンバーのC12-164号機が留置されている。

懐かしい二枚窓の湘南顔の南海電鉄21000系は、2両編成2本が活躍中である。
昭和33年(1958年)製の18m級車、急勾配を登る南海電鉄高野線の特急・急行用電車の名車である。

C12-164号機は、文化財保存活動をしている日本ナショナルトラストの所有車両で、
大井川鐵道に運用を委託しているが、保安装置のATS(列車自動停止装置)取り付け費用が
捻出できない為、平成17年(2005年)から長い間休車している。

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(21000系とC12-164号機。)

公園からホームを望むと・・・
旧型客車の佇む感じが、国鉄蒸気時代の光景を思い起こさせる。

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また、左方に行く線路は工場の中を走り、川辺まで伸びていて、
大代川側線と呼ばれる車両搬入口と廃車留置線になっている。



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(※)2010年9月の全般検査で、デフ付き黒一色塗装の国鉄仕様に戻されている。

2015年11月21日再編集
2016年6月26日再編集(文体変更・文章追加・画像整理)
2017年3月14日再編集(画像調整)

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category: 大井川鐵道本線2010 全15話

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