hmdの鐵たびブログ ローカル線の旅

のんびりローカル線の鉄道旅を、写真を中心に「見る紀行文」で長期連載しています。

【39】清流長良川と奥美濃を訪ねて・・・長良川鉄道(4)車窓編 大矢駅から、郡上八幡駅へ。  


長良川を離れ、農村地帯を走ると、列車交換設備がある大矢駅に7時25分に到着する。
此処で、上り列車のナガラ300形(301)と列車交換になる。
この駅には、古い大きな木造駅舎が残っているので、帰りに寄ってみよう。

大矢駅は、昭和2年(1927年)10月、洲原駅からこの駅までの延伸開通時に開業した。
起点駅の美濃太田から31.8km地点、所要時間約1時間、所在地は郡上市美並町大原、
標高134mである。第三セクター転換前は、美濃下川駅の駅名であった。
この付近でも、最も広い平坦地がある場所で、かつては、川湊の町としても、栄えたそうだ。

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(大矢駅に進行する。)
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(下りホームに面する大矢駅駅舎。)

大屋駅を7時27分に先発で発車。朝日を浴びながら、大矢駅を後にする。
国鉄時代の長い貨物列車に対応する為か、駅構内の複線区間がとても長い。
周りは、見事なまでの春の田園風景が広がっている。

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(大矢駅全景。最後部から、後方を撮影。)

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【停車駅】 〓→長良川本流を渡る鉄橋 】【→トンネル
大矢727=】【=福野=】【=美並苅安=〓=赤池=〓=】【=738深戸
下り北濃行き ナガラ300形(305)単行
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大矢駅を発車して、蛇行する長良川に寄り添いながら、北上して行く。
先程よりもカーブも緩やかになり、上り勾配であるが、列車のスピードも速くなっている。
この先の郡上八幡まで、長良川本流を渡る鉄橋が4本と幾つかのトンネルがあるそうだ。

一瞬、長良川が左窓見えると、第6トンネルに突入し、下り勾配を走ると福野駅に到着。
この付近は、長良川から離れて走る。
そして、福野駅から美並苅安駅間にある、右カーブ上り勾配の築堤を登る。
左側に桜並木があり、開花の頃は、鉄道撮影の有名スポットになっているそうだ。

IMGP4729.jpg

築堤を登り切った先の第7トンネルを抜けると、再び、長良川の側に出る。
国道と並走し、大きな町並みが見えてくると・・・
役場や病院等があるこの付近の中心地であり、小さな木造駅舎が残っている美並苅安駅に到着する。
この付近の長良川は蛇行しているが、狭いながらも平坦地があるので、農村地帯が広がっている。
車窓から見える、この青々とした畑は麦畑の様だ。
そして、大きな右カーブと直線、ゆるい左カーブを過ぎた後に、第三長良川橋梁が見えて来る。

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(沿線の左右には、田畑が広がっている。)
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(第三長良川橋梁手前の盛土部を高速で走る。)

この鉄橋は、開通当時の昭和3年(1928年)製との事だ。
長良川鉄道の鉄橋は、景観の調和の為か、水色に塗られており、
朱色や深緑色が多い国鉄時代の鉄道橋の印象からは、珍しい塗色である。
なお、朱色が多いのは、下地の防錆剤が鉛丹を使っているので、赤っぽくなり、
上塗りも、耐久性や費用の面で、朱色の塗料が適している事との事だ。

第三長良川橋梁を渡った先の赤池駅は、長良川が急蛇行した内側の場所にある駅で、
第三橋梁と第四橋梁に挟まれ、ホームからは両方の橋が見える。
また、この辺りの河川敷は、典型的な長良川らしい景観が楽しめるそうで、
キャンプや水辺遊びに良いそうだ。

赤池駅を発車し、デッキガーター鉄橋の第四長良川橋梁で長良川を再び渡り、
トンネルを抜けて、川から離れた田園風景の中を快走する。
山がかなり近く見え、大きく左にカーブしながら川に寄り、街中に入ると、深戸駅に到着する。

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(深戸駅手前の38kmポスト付近。長良川に再び寄り、深戸の町並みが見える。)
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(中型の木造駅舎が残る。白い窓枠と青く塗られた柱が印象的である。)

国鉄の頃の深戸駅は、相対式ホームがある列車交換が可能な駅だったが、現在は廃止されている。
無人駅だが、駅舎の一部は改装されており、喫茶店がテナントで入っている(※)。
駅開業は、昭和3年(1928年)の延伸開通時、起点駅の美濃太田から38.5km地点、
所要時間約1時間10分、所在地は郡上市美並町三戸、標高164mである。
この古い木造駅舎は、俳優の故・緒形拳主演の映画ロケにも、使われたそうだ。

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【停車駅】 〓→長良川本流を渡る鉄橋 】【→トンネル
深戸739=】【=】【=〓=相生=〓==】【=750郡上八幡
下り北濃行き ナガラ300形(305)単行
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深戸駅を7時39分に発車する。
深戸の町を抜けると、再び、長良川の流れが、左に再び寄り添って来る。
東海北陸自動車道の二本の青い巨大アーチ橋の根元を潜り、
そのまま、山際に入って、第九トンネルに入る。この先は、川谷がかなり狭まっている場所だ。

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(第九トンネル先付近。車窓から下流方を撮影。)

次の長い第十トンネルを抜けて、後方を見ると・・・
地元名所の通称「トリプルトンネル」があり、三段四カ所にトンネル出入口が並び壮観になっている。
此処は、折り畳む様なS字に長良川が急蛇行し、両側の山が川岸まで迫っている一番の難所で、
旧郡上街道は、深戸から相生までの間、山の中に迂回していた程になっている。
マピオン電子地図(トリプルトンネル付近 1/8,000)

上の2本が東海北陸自動車道の上下線、青い鉄橋の右の四角いトンネルが長良川鉄道、
左から2本目の丸い橋脚の後ろに隠れているが、国道156号線のトンネルがある。
トンネル名は、東海北陸自動車道は深沢トンネル(平成6年開通・長さ832m)、
国道156号線は名津佐トンネル(旧国道の付け替えの為、平成7年開通・長さ291m)、
長良川鉄道は第十トンネル(昭和4年の開通時)になる。

IMGP4744.jpg
(小さな丸いアーチが、国道トンネル出入口の側面になる。後方を拡大ズーム撮影。)


(国土地理院 電子Web 名津佐地区 長良川鉄道第十トンネル出口付近【中心十字線】)

車窓から見えるこの辺りの田んぼも、川から水を引いて、田起こしの最中だ。

IMGP4745.jpg

トリプルトンネルと次の停車駅の相生駅の間に、この長良川鉄道を代表する鉄橋で、
デッキガーター橋とトラス橋を組み合わせた第五長良川橋梁を通過する。
中央トラス部は、東海道本線の静岡県中部にある大井川鉄橋を、昭和35年に移設したもので、
明治44年(1911年)に製造された、アメリカン・ブリッジ社製の貴重なトラス橋になっている。

IMGP4745.jpg
(第五長良川橋梁全景。ウィキペディア公開ファイルより引用。
 撮影者・手練  ※撮影者の共有許諾画像。ウィキペディアコモンズ準拠。)

この先の郡上八幡までの区間は、山側に寄ったり、川に寄ったり、車窓の変化も激しい。
相生駅を発車後、長良川の西岸を走って別れると、山が迫った緑の多い長閑な農村地帯の中を走る。
そして、視界が開けると、第六長良川橋梁で、長良川西岸から東岸に渡る。

IMGP4749.jpg
(第六長良川橋梁を渡る。上流方を撮影。)

第六長良川橋梁を渡った後、大きく左カーブして、再び、長良川と国道に寄り添うと、
有名な中野トンネル(長良川鉄道第十一トンネル)を通過する。
全長わずか7.0m、現在の車両一両分の長さの約半分しかなく、通過はあっと言う間だ。
また、国鉄公認の最短トンネルだった事で、有名だった。
なお、吾妻線の樽沢トンネルが最短という説もあるが、誤りであり、JR線全線においてになる。
樽沢トンネルは7.2mあるが、八ッ場ダム建設による新線付け替えで、廃線になる予定だ(※2)


(グーグルマップストリートビュー 長良川鉄道第十トンネル付近)



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(※)喫茶店は閉店した模様。
(※2)平成26年(2014年)9月の旧線廃線により、閉鎖。

2015年11月23日再編集
2015年12月20日加筆
2016年6月3日再編集(文体変更・文章追加・画像整理)

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category: 長良川鉄道 全22話

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