hmdの鐵たびブログ ローカル線の旅

のんびりローカル線の鉄道旅を、写真を中心に「見る紀行文」で長期連載しています。

【34】大正ロマンと日本一の田園風景を訪ねて・・・明知鉄道(15)飯沼駅  


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【停車駅】
阿木1637======1642飯沼
上り18D列車 恵那行 アケチ10形(11)単行
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阿木駅(あぎ-)を発車すると、線路が敷かれた高台から、
左窓には、小さな谷間一杯に広がる水田が眺められる。
1本めの宮田トンネル、2本目の飯沼トンネルで峠を越え、少し下ると、隣駅の飯沼駅に到着。
駅間距離と所要時間は、2.3km・5分程になる。



飯沼駅は、第三セクター化した後の平成3年(1991年)に設置された新駅で、
本来、設置が認められない急勾配の途中に、特別許可で設置された無人駅である。
もちろん、観光目的の設置ではなく、地元から要望が出されていた為との事。

起点の恵那駅から7.6km地点、所要時間約14分、所在地は中津川市飯沼、標高467mにあり、
飯沼川とその支流の狭い川谷がある複雑な地形になっている。
地質的には、飯沼断層と言われる活発な活断層地帯の東の一角にあり、
阿木盆地とは藤上台地と言う里山で、南北に隔てられている。

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列車からホームに降り立つだけで、凄い急勾配であるのが判る。
実は、ケーブルカー等を除いて、日本一の急勾配の駅になる。
勾配は33‰であり、案内看板と待合室の土台に案内があり、
国鉄時代の線路規格では、甲乙丙線の更に下、簡易線規格の最限界勾配になっている。

ちなみに、日本で二番目の急勾配の駅は、明智駅手前の野志駅の30‰になる。
明智鉄道で、「ワン・ツー」を占めている。
なお、滋賀県大津市にある京阪電気鉄道の大谷駅も、30‰で同じとの事。

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(角度としては、たったの1.89度であるが、100m進むと3.3mの高低差がある。)

なお、ケーブルカーやリニア式を除く粘着式鉄道における本線上の国内急勾配は、
大井川鐵道井川線アプトいちしろ駅から長島ダム駅間の90‰(但し、アプト式)が最急で、
箱根登山電車線の80‰(普通粘着式のみの最急)、京阪電気鉄道大津線の61‰、
神戸電鉄有馬線・粟生線の50‰、南海電鉄高野線の高野下駅から極楽橋駅間の50‰、
JR飯田線の赤木駅から沢渡駅間の40‰、富士急行電鉄線の40‰がある。
また、日本国内では、通常35‰が最急勾配とされ、それ以上は特例となっている。
50‰以上の路線は、保安上の対策で、車両に特別なブレーキシステム等を装備している。

坂下側の恵那寄りから、阿木方を望むと、その急勾配が実感出来る。
ホーム向かいの左の土手は、ほぼ水平であるので、坂のきつさが判る。
具体的に、通勤通学時の2両編成の列車(約15m×2=全長30m)に当てはめると、
先頭と最後尾の高低差が約1mにもなる。
このホームの長さも、4両分位あるので、両端は約2mの高低差がある。

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阿木寄りには、小さなプレハブの待合室がある。
中は小綺麗なので、地元の方が定期的に掃除をしているのだろう。
外壁には、明知鉄道オリジナルの運転情報表示盤が、設置されている。

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貼ってあるポスターを見ると・・・
「おらが鉄道せんべい」と言う、明知鉄道オリジナル商品があるそうだ。
ひまわりシナモン、ピーナツ、パンプキンシード、ココナッツの4つの味で、
大10枚入り400円、小6枚入り280円との事。
有人駅の恵那駅、岩村駅と明智駅で発売中とのことで、お土産に良さげである。

駅前広場から見ると、まるで工場の倉庫の様な味気の無い感じである。
看板には、「駅」と書いておらず、通りがかりだと、鉄道駅とは判らない感じだ。
なお、かつて、この飯沼は、「飯妻(いいづま)」と言われていたそうで、
沼地が多い事から、江戸時代の初め頃に現在の飯沼に変わったらしい。

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駅の周りを見渡すと、何故か人家は殆ど無く、大変静かだ。
近くの田んぼのカエルの合唱が、「ゲコゲコ」と、盛大に聞こえて来る。
子供の頃にやった、「わっ」と驚かすと、一斉に静かになる遊びも懐かしく出来る。

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(駅全景。踏切横の建物は、通学する学生達の自転車置き場である。)

踏切の先にある、手描きの大きな案内板を見ると・・・
山と山の間の谷間に、集落が点在している感じになっている。

国土地理院の地図を見ると、ふたつの小谷が東西に並行し、その各々の川沿いに集落がある。
飯沼駅は、飯沼川とその支流が合流する近くにあり、飯沼地区の玄関口と言える場所にある様だ。
なお、そのまま、飯沼川は北流して恵那の木曾谷に流れて行き、阿木川に合流する。
飯沼駅から東野駅間は、飯沼川の細く険しい谷間を縫う様に線路敷設をしていて、
この細い谷間を抜けた最上部にこの飯沼駅がある。

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(国土地理院地図 電子国土Web 飯沼地区)

また、太平洋戦争中の燃料不足の為、飯沼地区の二ヶ所と
阿木駅側のふたつ目のトンネル付近の野田地区で、亜炭(褐色褐炭)が掘られていたそうだ。
水分が多くて、熱量が低い低品質石炭であるが、昭和20年代まで採掘された。
しかし、亜炭を採掘した穴が落盤する為、民家が傾いたり、田圃が陥没したりした。
また、明知線の線路が陥没したりする事もあったが、地元住民の協力で一晩で復旧したそうだ。

このまま、恵那駅に戻っても良いのだが、次の上りが1時間30分待ちとなり、
時間的にロスなので、阿木駅に再度戻ろうと思う。
17時28分、明智行きの列車のアケチ10形(11)が、全力で坂を登って来る。

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2016年1月24日再編集
2016年5月31日再編集(文体変更・画像整理)

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category: 明知鉄道 全16話

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