hmdの鐵たびブログ ローカル線の旅

のんびりローカル線の鉄道旅を、写真を中心に「見る紀行文」で長期連載しています。

【132】遠州湖北と国鉄遺産を訪ねて・・・天竜浜名湖鉄道(35)天竜二俣運転区 その2 木造建築群  


天浜線のK氏の案内で、給水塔脇の通用口から運転区内に入る。
中央に植栽がある幅3m程の狭い通路の左右には、木造の建物が並び、
一気にタイムスリップした様な錯覚を覚え、素晴らしい雰囲気を感じる。
左手は、運転区事務室棟、右手は、通用口側から、運転区休憩所と浴場が並んでいる。

IMGP0835_20160723140450084.jpg

運転区休憩所内は、休憩室、湯沸所、青写真室(コピー室)、便所があり、
入口上には、装飾付きの木札が下がっていて、湯呑所となっているのがレトロだ。
事務室棟と渡り屋根も設置され、現在も、一部使われている。

IMGP0731.jpg
(運転区休憩所。)

窓下がコンクリートで作られている建物は、別棟続きの浴場である。
西寄りの浴室は二十畳程の銭湯並みの広さが有る大きなもので、
かつて、蒸気機関車に乗務後、汗、石炭の油や煤で汚れた体を洗い流し、次の乗務に備えた。
もう、浴室は使われていないが、当時の雰囲気を十分に感じる事が出来る。

その東隣には、脱衣所と洗濯所も併設され、洗濯所は現在も使われており、
何台もの洗濯機が、ゴウンゴウンと回っている。
また、浴場の南隣には、木造の乗務員宿泊所が、別棟で併設している。

IMGP0733_1.jpg
(運転区浴場。洗濯室、脱衣所、浴場の三つに分かれている。)

中央に大きい湯船、南西隅に小さな湯船があり、
通路側とその反対側の壁に沿って湯を巡らし、蛇口の跡らしい穴が残っている。
また、擦りガラスの木枠格子窓、縦板張り白壁と上部の湯気抜きが印象的だ。
現在は、浴室壁面に記念ヘッドマークが展示されている。

IMGP0734.jpg
(運転区浴場。)

◆国登録有形文化財リスト「天竜浜名湖鉄道運転区休憩所・浴場」◆
所在地静岡県浜松市二俣町阿蔵230-2
登録日共に、平成10年(1998年)12月11日
登録番号[運転区休憩所]22-0037[運転区浴場]22-0036
年代共に、昭和15年(1940年)。
構造形式[運転区休憩所]木造平屋建,日本瓦葺,建築面積70.7㎡。
[運転区浴場]木造平屋建,日本瓦葺,建築面積96.0㎡。
特記[運転区休憩所]
事務室等の背面に、浴場と並んで建ち、浴場と同様に、
事務室棟との間に屋根を渡してつないでいる。
内部に休憩室、湯沸所、青写真室、便所を配している。
機関区の活況を今に伝える施設として貴重である。
[運転区浴場]
事務室の裏側に平行して建ち、洗濯所、脱衣場、浴室の三室からなる。
浴室には中央に大浴槽,隅に小浴槽を持ち、湯が巡るようになっている。
蒸気機関車の乗務員区である機関区には必須の設備であり、
機関区の機能を知るのに欠かせない建築である。
※文化庁公式HPから抜粋、編集。

この事務室棟裏の細い路地を抜けると、正門を入った所に出る。
そこには、小さな池と社が・・・鉄道神社である。
鉄道の安全運行を祈願する社で、国鉄時代の機関区の一角に良く見られる。
傍らに、蒸機機関車の動輪等を奉納している場合もある。

今も、毎年夏に、遠江一宮駅北の小國神社おくにじんじゃ)から宮司を招き、
安全祈願祭が行われているそうだ。

IMGP0828.jpg
(鉄道神社。左奥には、乗務員宿泊所がある。)

畔の石に銘板が貼ってあり、それを見ると・・・
さつきヶ池、昭和31年(1956年)5月建設と記されている。
当時の国鉄職員達が作ったのだろう。コンクリートの小橋も良い感じだ。

IMGP0826.jpg
(立派な銘板が、嵌めこまれてある。)

また、神社の左手奥・南側の木造家屋は、乗務員宿泊所になり、
登録有形文化財指定では無いが、開業当時の建物になっている。 
なお、運転区正門は、鉄道神社から南東30m先にある。

IMGP3838.jpg
(運転区正門。前年春訪問時に撮影。)

鉄道神社横から振り返ると・・・給水塔が、まるで地上に降りた宇宙船の様で、面白い。
洗濯干しのツナギ服も、現役の雰囲気を出していて、良い感じだ。

IMGP0829_20160723140449e99.jpg

この通路を抜けて、左に行くと・・・転車台のある広いスペースになっている。
転車台の南西側には、この運転区の中心的建物である運転区事務室棟があり、
この運転区に勤務する人達が、詰めている建物になる。
広さは、延500㎡程あるので、大型の木造建物になっている。

IMGP0817_20160107185433f41.jpg
(転車台と運転区事務室棟。※完全逆光の為、ご容赦願いたい。)

一部二階建てになっており、駅寄りの平屋建ての部分は、運転区指令室と運転区事務室、
二階建て部分の一階は乗務員詰所、二階は乗務員講習室、
転車台寄りの平屋部分は、車両検修員詰所となっており、現在も使われている。

建物を真横から見ると、凸型の形に縦杉板張り外壁、総日本瓦葺で重厚感があり、
縦型の大きな格子付き木枠ガラス窓が特徴だ。

IMGP0824_2016010718543461d.jpg
(運転区事務室棟の二階建て中央部分。※完全逆光の為、ご容赦願いたい。)

◆国登録有形文化財リスト「天竜浜名湖鉄道運転区運転区事務室」◆
所在地静岡県浜松市二俣町阿蔵字坂下230-2
登録日平成10年(1998年)12月11日
登録番号22-0035
年代昭和15年(1940年)
構造形式木造一部二階建、日本瓦葺、建築面積388.0㎡(延497.8㎡)。
特記東海道本線のバイパス線として、昭和15年に全通した旧国鉄二俣線の
二俣機関区の事務室として建てられた。
大きな窓を配した高い立面が特徴的な建物で、構内を見渡せる位置に建つ。
一階には運転司令室等を配し、二階は会議室とする。
※車両検修区詰所のみ未指定になっており、運転区指令室・運転区事務室・
乗務員詰所・乗務員講習室が、有形文化財に指定されている。
※文化庁公式HPから抜粋、編集。

運転区事務室棟前の転車台寄りには、記念碑もある。
平成10年度の国登録有形文化財の認定プレートが岩に埋め込まれ、
傍には、腕木式信号機1基、国鉄二俣線のさよならSL列車を牽引した
国鉄蒸気機関車C58-200号機の煙室扉と動輪が保存展示されている。

IMGP0749.jpg
(国登録有形文化財の認定プレート。)
IMGP0750.jpg
(国鉄C58形200号機の煙室扉と動輪。)

旧国鉄二俣線に最後のSL旅客列車が走ったのは、昭和46年(1971年)3月31日だった。
豊橋駅と遠江二俣(現・天竜二俣)駅間を、200号機をメインとした蒸気機関車の重連運転で、
旧型客車四両編成を牽引したそうだ。

なお、SL列車廃止前に残っていた蒸気機関車は、全てC58形の合計8両だそうで、
南九州や東北等に6両を転出、200号機と389号機の2両が廃車になっている。
なお、200号機は解体されたが、389号機は天竜二俣駅前の鉄道公園に静態保存されている。



にほんブログ村鉄道ブログ鉄道旅行へ

天竜浜名湖鉄道営業部より、当方ブログでの公開許可を頂いております。

2016年1月7日再編集
2016年7月23日再編集(文体変更・文章追加・画像整理)

© hmd All Rights Reserved.
記事や画像の転載、複製、商用利用等は固くお断り致します。

category: 天竜浜名湖鉄道2日目 22話

thread: 鉄道の旅 - janre: 旅行

tb: --   cm: --