hmdの鐵たびブログ ローカル線の旅

のんびりローカル線の鉄道旅を、写真を中心に「見る紀行文」で長期連載しています。

【137】遠州湖北と国鉄遺産を訪ねて・・・天竜浜名湖鉄道(40)車窓編 その2 フルーツパーク駅から、金指駅へ。  




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【停車駅】青→文化財駅、◎→列車交換可能駅、〓→主な鉄橋、】【→主なトンネル
宮口◎==】【==】【==フルーツパーク〓=都田==浜松大学前==1607金指
   (山中行路・峠あり)      (↑都田川橋梁)
下り333列車・普通新所原行(TH2114・単行)
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天浜線を東西に分けるサミットを越え、沢伝いに線路が降りて行くと、
汽笛と共に二本目の短いトンネルを通過する。
トンネルを越えると、急勾配の下り坂を降りながら大きく左にカーブし、
周りが急に明るく開けて、家々の屋根と田圃が見えて来ると、フルーツパーク駅に到着する。

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(大ピーク西側の長い勾配を降る。)
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(フルーツパーク駅手前になると、高台下に大水田が見えてくる。)

この駅は、第三セクター転換後の平成8年(1996年)3月に新設された駅である。
起点の掛川から20駅目、36.2km、所要時間約1時間、所在地は浜松市北区都田町、
単式ホームと三角屋根の駅舎がある近代的なローカル無人駅になっている。

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(フルーツパーク駅。)

山中の駅でありながら、乗降客数は多い様子で、二十人位の中年女性のグループが、
駅ベンチに座っている。
しかし、二人乗車しただけで、大半の人々は、上り掛川行きを待っている様だ。

三角屋根はかなりの急傾斜で、駅舎本体は木造、ホームは鉄骨とコンクリート造りである。
また、先程の二本目のトンネルの標高は約50m、フルーツパーク駅の標高は27mで、
宮口駅よりも20mも低い。このサミットの西側の方が、東側よりも低くなっている。

この駅は、北隣にある「はままつフルーツパーク」の為に新設されている。
東京ドーム9個の敷地に、熱帯から温帯の160種4,300本もの果樹を栽培する農業公園で、
年間を通じて、果樹の栽培観察や収穫体験が出来るとの事。
また、大温室、売店、飲食店、バーベキューハウス、釣り堀、大型遊具等もあり、
都市部に無いタイプの観光施設なので、面白そうだ。
また、展望レストハウスに通じる、全長64mのロングエスカレーターも名物になっている。
はままつフルーツパーク時之栖(ときのすみか)公式HP

フルーツパーク駅の直ぐ西側に、都田川橋梁が架かっている。
開業当時の鉄橋で、国登録有形文化財に指定されており、
引佐細江(いなさほそえ)に注ぐ都田川が、下に流れている。
水面から線路面まで約14mもあり、かなりの高さだ。

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(都田川橋梁。)
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(都田川を望む。)

◆国登録有形文化財リスト「天竜浜名湖鉄道都田川橋梁」◆
所在地静岡県浜松市北区都田町嶋4064-7、4502-46
登録日平成23年(2011年)1月26日
登録番号22-0156
年代[設置]昭和15年(1940年)[橋桁製造]昭和13年(1938年)
[鋼鉄メーカー]八幡製鐵所[橋桁メーカー]日本橋梁、川崎車輌
構造形式鋼製五連桁及びコンクリート造単桁橋、橋長123m、橋台及び橋脚付。
特記橋長123m、単線仕様の鋼製五連桁橋とコンクリート造単桁橋からなり、
鋼製桁はデッキガーダー。
高いコンクリート造の橋脚は基礎、脚部とも円形とし、
渓谷の景観に良く調和する。
水面から線路面までの高さは、14.2m(最低水位時)。
※文化庁公式HPから抜粋、編集。

大きな反響音を響かせながら、五つのスパンがある都田川鉄橋を渡ると、
再び、木々のトンネルの中、緩やかな長い下り勾配を降って行く。

この付近は、都田川沿いの谷間であるが、東西に長細く、人家も少ない。
また、山の中腹の高所に線路が敷設されており、眼下に田畑が見渡せるが、
木々が生い茂っている為に、展望は悪くなっている。

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(フルーツパーク駅から都田駅間。鬱蒼とした雑木林の中を走る。)

そして、フルーツパーク駅から1.5km走り、木漏れ日が差し込む線路が途切れると・・・
小さな町の中の都田駅(みやこだ-)に到着する。
ホームには、一本桜が先咲いており、心嬉しくなる。

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(都田駅。)

この駅は、昭和15年(1940年)開業当時の木造駅舎が残っているが、
薬店がテナントで入居し、改装と補修部分が大きい為か、文化財に指定されていない。
起点の掛川から21駅目、37.4km地点、所要時間約1時間5分、所在地は浜松市北区都田町、
標高23mにある終日無人駅になる。
また、現在の乗降ホームは単式であるが、向かいにホームと線路が残っており、
かつては、列車交換が出来る二面二線の駅だった。

都田も、果樹栽培が盛んな地域で、シーズンには、もぎ取りの行楽客で賑わうそうだ。
また、この周辺は、古の縄文時代から人々が住んでおり、
平安時代には、「京田郷(みやこだごう)」と言われていた。
桓武天皇が、平安京に都を遷都する際の候補地のひとつだったと言われ、
「ここが都だ。」と仰った事が、地名の由来らしい。

都田駅を直ぐに発車。一度、国道362号線をコンクリート高架橋でオーバークロスし、
線路は高台から降りて、左右には田圃が広がってくる。
ジョイントを噛み締め、大きく弧を描く様な気持ちの良い右カーブを抜けると、
浜松大学前駅(現・常葉大学前駅/とこは-)に到着する。

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(浜松大学前駅手前の右カーブ。)

この駅は、第三セクター転換時の昭和63年(1988年)3月開業の新設駅となり、
コンクリートパネルの単式ホームに、簡素な待合屋根だけの構造だ。
鉄骨組みはモスグリーン色なので、何処と無く、国鉄風でもある。
なお、大学は川の向こう側、駅から南500m先にある。

浜松大学前駅からは、再び、小さなサミットを越えになる。
勾配は然程きつく無いが、南北に標高100mの山が迫り、幅100m弱の狭小部になっている為、
都田川、線路、国道がぴったりと寄り添う。
なお、南側の川は、雑木林や竹林に遮られていて、車窓から殆ど見えない。



エンジンは多少騒がしいが、国道のトラックと同等の時速60kmを出して、
スピードに乗って越えて行く。

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(狭小部の瀬戸橋梁を通過する。右手は、国道362号線・旧秋葉街道。)

なお、この瀬戸橋梁の銘板は取り外され、
天竜二俣にある天竜浜名湖鉄道運転区の鉄道歴史館に、保存展示されている(写真奥の二枚)。

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銘板を写真から解析すると、次の様になっている。
名古屋鉄道の浜松工場が関与しているが、この銘板の製作をしたらしい。

昭和13年7月竣工 瀬戸橋梁
(発注者) 鉄道省
建設 熱海建設事務所
銘板 名鉄・浜松工場
設計 河野◯◯(名は不詳)

道床がバラストなので、判り難いが、この狭小部に、ふたつのコンクリート橋があり、
登録有形文化財になっている。どちらも、特徴的な構造になっているそうだ。

◆国登録有形文化財リスト「天竜浜名湖鉄道瀬戸山橋梁」◆
所在地静岡県浜松市北区都田町字吉影7490-10
登録日平成23年(2011年)1月26日
登録番号22-0155
年代昭和15年(1940年)
構造形式コンクリート造三連アーチ橋、橋長17m、橋台付。
特記金指駅から2,000m東、山肌が都田川に迫る傾斜地に、国道に沿って
設けられる。橋長17m、幅4.2mの充腹式コンクリート造三連アーチ橋。
両側を立ち上げ、砕石道床とする。
径間4.0mの半円アーチが連続する優美な意匠になる。
・文化庁公式HP国指定文化財等データベース該当ページ(写真あり)
・グーグルマップ 瀬戸山橋梁
※文化庁公式HPから抜粋、編集。

◆国登録有形文化財リスト「天竜浜名湖鉄道瀬戸橋梁」◆
所在地静岡県浜松市北区細江町中川字渕ノ上382-3他
登録日平成23年(2011年)1月26日
登録番号22-0154
年代昭和13年(1938年)7月
構造形式鉄筋コンクリート造三連桁橋、橋長39m、橋台及び橋脚付。
特記金指駅から1,500m東、橋長39mRC造三径間連続桁橋。
中央の支間が23mを測る長径間RC造桁を用い、
桁と金指側橋脚を固定、他方の橋脚と桁を可動支承とする特殊な構造。
鉄道省が、直轄工事で実施した意欲的な試みを伝える。
・文化庁公式HP 国指定文化財等データベース該当ページ(写真あり)
・グーグルマップ 瀬戸橋梁
※文化庁公式HPから抜粋、編集。

この小さなサミットを越え、長い緩やかな下り坂を軽快に降る。
寄り添っていた国道と離れ、左手に幾つかの大工場、右手に家々が沢山見えて来ると・・・
天浜線の主要駅のひとつである、金指駅(かなさし-)に近づいて来る。



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2016年7月22日記事分割

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category: 天竜浜名湖鉄道2日目 22話

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