hmdの鐵たびブログ ローカル線の旅

のんびりローカル線の鉄道旅を、写真を中心に「見る紀行文」で長期連載しています。

【116】遠州湖北と国鉄遺産を訪ねて・・・天竜浜名湖鉄道(19)天竜二俣駅下車観光[その4]栄林寺と鉄道公園。  




二俣川東岸にあるこの寺は、南北朝時代の貞治4年(1365年)開基、
山門は江戸時代の享保3年(1718年)建立、本堂は安永2年(1773年)の再建になる
東谷山栄林寺(とうこくさんえいりんじ)【万字マーカー】である。
現在の宗派は曹洞宗、御本尊は釈迦牢尼仏(釈迦如来)だそうだ。
一見、旧家風にも見えますが、小さなお寺の独特な雰囲気が良い。

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(栄林寺山門。)
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(栄林寺本堂。)

地元では、白木蓮のお寺としても有名らしく、とても良い花の香りがする。
ここは、日当たりが良い為か、境内の紅梅や桜の姥彼岸も咲き始めている。
木蓮の後ろの庫裏(くり)も大きく立派で、昭和9年(1934年)の再建との事。

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寺は山裾にあり、南側の崖には、小さな石仏や馬頭観音も並んでいる。
この付近の地質は、礫岩だそうで、太古の昔は海だったそうだ。

また、栄林寺の北東には、秋野不矩美術館(あきのふく-)【赤色マーカー】がある。
明治末期、この二俣町生まれの女性日本画家で、独特な外観が特徴の市立美術館になっている。

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(崖に掘られた石仏群。)



栄林寺から少し南に行くと、トンネル跡【トンネルマーカー】が・・・。
これは旧国鉄二俣線が開通する以前に、東海道本線の磐田駅(当時は中泉駅)から
この二俣町まで、光明電気鉄道と言う民間鉄道が開通しており、その鉄道トンネル跡である。
終点の二俣町駅は、現在の秋野不矩美術館の下【黄色マーカー】にあったそうだ。

このトンネルは、阿蔵トンネルと言い、反対側の南側にもポータルが残っているが、
線路跡に民家が立ち並んでおり、良く見えない。なお、トンネル内は崩落箇所があり、危険との事。

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(光明電気鉄道阿蔵トンネル跡北口。)

二俣川東側の細い道をそのまま南下して、駅前大通りを横断する。
斜め向こうの細い路地に入り、駅ホームから見えた留置車両を見に行こう。

留置車両がある手前の道路脇に、光明電気鉄道の二俣口駅跡【青色マーカー】があり、
車両二両分位の低いプラットホームが残っている。一目では、何か判らない感じだ。

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(光明電気鉄道二俣口駅跡。この道路も、軌道跡である。)

光明電気鉄道は、佐久間の久根銅山の貨物輸送を見込んで建設された
狭軌1,067mm、路線キロ19.8kmの直流1,500V電化路線で、
旧国鉄二俣線開通前の昭和5年(1930年)に、この二俣町まで開通している。
当時、珍しい電車運行で注目を浴びたそうだが、銅山からの貨物輸送が断られ、
無理な計画と投資、二俣町から先の工事の強行により資金繰りが悪化してしまった。
最終的には、電車を運行する電気代が支払えなくなり、
終点の二俣駅開業後のわずか6年後の昭和11年(1936年)に、全線廃止となっている。

実は、天浜線の豊岡駅(当時は野部駅)から天竜二俣駅までは、
この光明電気鉄道の廃軌道を、国鉄が二俣線として再利用した区間になっており、
昭和15年(1940年)6月に開通している。
なお、途中のふたつのトンネルの伊折トンネル、神田トンネルは光明電気鉄道時代のものだ。

ホーム跡の奥には、元貨物操車場と思われる広大なスペース【白色マーカー】がある。
天竜二俣駅西側の広大な敷地の線路際に、錆びた二本の側線に二両の国鉄形車両が保存されている。

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(天竜二俣鉄道公園。)

元々、此処に鉄道公園を作ろうとしたそうだが、
諸般の事情で難しくなり、車両の保存展示のみになっているそうだ。
数年前に、傷んでいた塗装を綺麗に修繕し、保存状態も大変良くなっている。

新所原方に向かって留置しているのは、キハ20-443になる。
国鉄二俣線を走っていた国鉄形気動車で、車籍の転籍もなく一生涯、
この国鉄遠江二俣機関区所属の車両で、生粋の「二俣っ子」になっている。
駅員氏の余談では、入念にレストアされており、エンジンが起動可能で、
ヘッドライトや室内灯も点灯するそうだ。

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(キハ20-443。)

掛川方には、ナハネ20-347が展示されている。
昭和45年(1970年)の日本車輌製造製、寝台特急用の三段式開放B寝台車である。
国鉄時代の所属は下関運転所で、寝台特急「あさかぜ号」に主に使用されていたそうだ。
こちらも丁寧に修繕され、室内灯や通路灯が点灯するとの事。

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(ナハネ20-347。)

この角度から見ると・・・後ろの旅客上屋との組み合わせが国鉄時代を感じさせ、
今にも駅から走り出したかの様だ。
ATS等の問題をクリアして、是非、天浜線を実際に走って欲しい。

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車両の管理は、地元ボランティア団体の「TRTC天竜レトロ・トレインクラブ」が
行っていて、定期的に車内公開等のイベントを実施しているそうだ。
大変だと思うが、地道な保存活動には頭が下がる。

時刻は14時10分、下車観光に出てから約3時間経過している。
そろそろ駅に戻る事にしよう。



天竜二俣駅内には、観光協会窓口が併設され、観光地図を無料頒布している。
今回の下車観光ルートは、観光地図に載っている「壬生郷の歴史散策路コース」
(約1時間30分・5.5km)を、反時計回りに田代家、二俣城、秋野不矩美術館を割愛し、
天浜線の二俣本町駅や鉄橋等の鉄道の見所と、昼食を追加したコースにした。
二俣城、美術館や町中などもじっくりと見るならば、半日6時間の時間が欲しいと感じる。

天竜区観光協会公式HP



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2016年7月20日記事分割

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category: 天竜浜名湖鉄道1日目 23話

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