hmdの鐵たびブログ ローカル線の旅

のんびりローカル線の鉄道旅を、写真を中心に「見る紀行文」で長期連載しています。

【108】遠州湖北と国鉄遺産を訪ねて・・・天竜浜名湖鉄道(11)遠州森駅下車観光[その2]連華寺・旧周智郡役所  




その先の枡形にあるT字路周辺には、昭和風の専門店が集まる小さな商店街があり、
ここで左折し、旧街道から外れて駅方向に戻ろう。
森町の代表的な寺院である、「萩の寺」こと、蓮華寺(れんげじ)【万字マーカー】に向かう。

蓮華寺は、町役場の裏山の小高い場所にある山寺だ。
萩の花が沢山自生する有名な寺であるが、開花シーズンは、4月中旬頃からになっている。

町役場裏から、緩やかな上り坂を少し登り、約10分で到着する。
道路からの小さな石段は木々に囲まれて、とても清々しい雰囲気があり、ゆっくりと登って行く。
グーグルマップ・蓮華寺

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(参道の石階段。)

朱色に塗られた山門は小さいが、菊の御紋の帳が掛かっているので、天皇家由縁の寺である。
当初の宗派は、遣唐使由縁の法相宗(※)で、現在は、天台宗になっている。

なお、法相宗とは、遣唐使によって唐から伝えられた大乗仏教の宗派であり、
当時の仏教中心地でもあった奈良を中心に教えが広がった。
かつては、奈良の法隆寺や京都の清水寺もこの宗派であり、
現在は、奈良の有名寺である興福寺や薬師寺が本山となっている。

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(連華寺山門。)

山麓の狭い場所に建てられている為、境内は横に細長く、建物は横一列に並んでいる。
とても小さな寺だが、1,300年の歴史がある森町で一番古い寺になり、
多数の寺宝や古文書等が受け継がれているそうだ。
御本尊は文殊菩薩、仏の悟りに至る為の智慧(ちえ)を司る仏とされ、
知恵や学業の仏様として知られている。

由縁は、飛鳥時代末期の704年(慶雲元年)、文武天皇の勅願により高僧の行基が開基し、
遠江の中心となる仏寺として、高僧を輩出し、地元武将の信仰も厚かったそうだ。
平安時代には、七堂伽藍・一山三十六坊も擁した大寺だったそうで、驚きである。
しかし、戦国時代最末期の1572年(元亀3年)、甲斐武田氏が侵攻した際に、
寺は焼き討ちされ、後に、正親町天皇の勅命を受けた徳川家康によって再興したが、
明治政府の廃仏毀釈政策を受けて規模が縮小し、現在に至るそうだ。

また、江戸時代末期には、有名な遊行僧の木喰上人(もくじきじょうにん)が訪問し、
一晩で彫ったと言う子安地蔵尊像も安置され、安産や子育ての寺としても有名である。

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(本堂。)
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(庫裏。)

西側の小高い場所に、鐘楼堂があり、参拝者は自由に打つ事が出来る。
ここでひとつ、記念に鳴らしていくことにしよう。

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この山は、八形山(標高198m)と言われ、頂上に奇石奇岩が多い霊山として、
堂坊が沢山建てられたそうで、今でもその一部が残っている。
また、この蓮華寺付近から、北の信州方面に通じる街道があったそうで、
物資を背負った馬が多く行き来し、賑わったそうだ。

深々と静かな境内のベンチで一服した後、石段を下り、駐車場から見上げると、
とても古い木造建築の建物が・・・ちょっと、見に行こう。

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大きな窓のある板葺きの外壁に、外玄関の上に二階が迫り出した特徴ある構造だ。
明治18年(1885年)築の二階建て、昭和40年代頃まで使われていた元・周智郡役所で、
現在は、森町歴史民俗資料館【建物マーカー】になっている。
元々は、近くの森小学校にあったが、蓮華寺境内の一角を借り受けて、移築したとの事。

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館内には、江戸時代頃から昭和中頃にかけての農耕具、生活用品や歴史資料が
大量に展示されていて、その量に圧倒される。特に、古道具は必見で、大変珍しいものも多い。
施設を管理されている町職員氏に、付きっきりで丁寧に説明をして頂いた。

町職員氏に、じっくりと町の歴史などの話を聞けたので、お礼を言って帰ろう。
また、「土蔵が残っていますよ。」と、教えて頂いたので、行ってみよう。
小学校の南にある路地を入った所で、本町通りの裏手になるが、
本通り側からは、母屋と塀がある為に見る事が出来ないそうだ。
マピオン電子地図(森町の土蔵群・1/8,000)

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(森町の土蔵群。)

三階建ての本瓦葺きらしい立派な土蔵【水色マーカー】が、四棟が並んでいる。
かつての森町は、江戸時代後期から二十軒余りの古着商が軒を連ね、
「古着の町」として栄えたそうで、当時の全国の古着相場を動かす程だった。
当時、衣服は高価な品の為に古着の需要が高く、沢山取引されていたそうで、
安価な衣服が大量生産できる戦後になるまで栄えたそうだ。
この倉は、繁栄を極めた古着商の土蔵との事で、
殆どが取り壊されているが、町内に幾つか残っている。

また、毎年春に、森町の観光イベント「過去の町並みと蔵展」が開催されている。
本町通りを中心に、古い蔵の公開や歴史講演会、人力車などの実演、
地元商店や団体の出店などが出され、桜の花見シーズン中に開催されている。

旧街道と城下町、蓮華寺、歴史民俗資料館の訪問だけであるが、
時刻はあっという間に、11時近くになっている。
もっと見学したいのだが、駅に戻る事にしよう。

実際に訪問して感じた点は、町が川に沿って細長い為に移動距離があるのと、
寺社が小高い山中にある場合も多いので、思った以上に時間がかかる。
その為、半日以上の時間を取った方が良いと感じる。

遠江森にある代表的な寺社は、今回訪問した「萩の寺」こと蓮華寺、
「桔梗寺」こと香勝寺(こうしょうじ)、「紫陽花寺」こと極楽寺の花寺々と、
駅から約5kmあり、峠を越えなければならないが、清水次郎長の有名な子分の
地元ヒーローの森の石松の墓がある大洞院(だいとういん)だろう。
また、森山焼と言われる四つの窯元や、太田川沿いの大桜並木も有名である。
なお、城については、町の北東部の山に三つあるが、全て廃城になっている。

静岡県森町公式HP
萩の寺蓮華寺公式HP



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2016年1月4日再編集
2016年7月15日再編集(文体変更・文章追加・画像整理・記事分割)

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category: 天竜浜名湖鉄道1日目 23話

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