hmdの鐵たびブログ ローカル線の旅

のんびりローカル線の鉄道旅を、写真を中心に「見る紀行文」で長期連載しています。

【293】スカーレットトレインでワイキキへ・・・名古屋鉄道蒲郡線(10・最終回)三河鳥羽駅、鳥羽神明社と東幡豆海岸散策。  


時刻は13時過ぎ。時間的に余裕があるので、もう一駅訪問しよう。
駅周辺が広く開けている三河鳥羽駅が良さそうだ。

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(吉良吉田駅から三河鳥羽駅へ向かう。乗客は10人位だ。)

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吉良吉田1331======1335三河鳥羽
下り1362列車・普通・蒲郡行
名鉄6000系6009編成(←6009+6209)2両編成
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再び、美しい田園地帯が広がる吉良町乙川地区と小ピークを越えると、三河鳥羽駅に到着する。
三河鳥羽駅は、三河鉄道時代の三河線終着駅として開業しており、
今はその面影も無いが、現在も、蒲郡線の列車交換主要駅として機能している。

昭和4年(1929年)8月に三河吉田駅(現・吉良吉田駅)からの延伸開通により、
終着駅として開業した。
起点の蒲郡駅から8駅目、14.4km地点、所在地は愛知県西尾市鳥羽、海抜約2m、
昭和42年(1967年)に終日無人駅化している。

三河鳥羽は、鳥羽川の両岸に広がった、緩やかな傾斜にある平坦地の静かな町で、
東隣の西幡豆地区と一体化している。
また、ハワイの様な景観が広がる吉良温泉・吉良ワイキキビーチの最寄り駅となっているが、
列車に接続する連絡バスは無い様子だ。

東西に配された二面二線対向式ホームは、吉良吉田方に旧ホームの石積みが残っており、
蒲郡方に鉄骨床下の近代的なホームが増設されている。
駅舎は既に無く、上下線別々に、開放式待合所と自動発券機が設置されている。
なお、この駅は、通常の構内左側進行になり、分岐器は片開き式の一線スルー配置で、
上り蒲郡方が本線、下り吉良吉田方が副本線となってる。

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(蒲郡方から三河鳥羽駅全景。番線は振られていない駅である。)

跨線橋も構内踏切も無い為、隣接する県道踏切を構内踏切代わりにし、
駅の出入り口は、上下ホーム毎に別々に設けられている。
また、下り吉良吉田方面のホームには、庇のとても大きな古い木造待合所が、設けられている。
建物財産標に相当するプレートが見当たらないので、竣工年は不明であるが、戦後のものだろう。

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(吉良吉田駅方面下りホームの開放式待合所。)



駅舎があったと思われる線路北側の街道沿いには、大きな駅前広場がある。
現在は、西尾市が借用しているそうで、駐車場とトイレが整備されている。
徒歩で、ワイキキビーチに行こうと思ったが、結構な距離と急坂がある様なので、
駅前にある大きな観光看板の神社に行ってみよう。



沿線ガイドマップを見ると、鳥羽川上流に向かって、1km程の場所にあるらしい。
とても穏やかな冬の昼下がりの中、緩やかな上り坂の平坦地を歩く。
周辺は、旧家も多く、この三河の古い雰囲気が良く判る。
途中に、大寺の通因寺があるので、立ち寄ってみよう。

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(鳥羽の町風景。田畑が広がる中に、集落が点在する。)

通因寺は、この付近で一番の大寺で、宗派は浄土真宗大谷派になる。
庭作業をしている住職に挨拶し、「是非、御本尊も見ていって。」と言われので、
少しお邪魔する事にする。
御本尊は、近くの鳥羽神明社境内にあった神明寺が、戦国の戦火で廃寺になった為、
神明寺の御本尊だった阿弥陀如来を、お迎えした逸話が残っているそうだ。
また、本堂横に、清水次郎長十一人衆のひとり、鳥羽熊(本名・梶川藤次郎)と言う任侠の墓がある。
生前墓を建てて、自分の墓を拝んだ男として知られ、
明治末期に建てられた約2.5mもある大きな墓石になっている。

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(通因寺本堂。)

住職にお礼を言い、県道317号線に出ると、駅から30分程で、鳥羽神明社に到着する。
平坦地からスッと山が盛り上がる場所に神社があり、町の地鎮としては、規模が大きい。
平安時代初期の創建と言われる古社で、周辺の山際に斎田(さいでん※)も広がっていて、
日本的な風景が広がっている。
鳥羽神明社公式HP

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(鳥羽神社。)

長い上り坂の参道を歩いて行くと、山の中腹の開けた場所に鎮座している。
ご神体は、伊勢神宮内宮と同じ、天照大御神(あまてらすおおみかみ)との事。

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(拝殿。左右にも、末社を3社ずつ鎮座した東社と西社があり、本殿西に稲荷社もある。)

この神社は、約1,200年の歴史があると言われる奇祭「鳥羽の火祭り」が有名で、
国の民族無形文化財にも指定されているそうだ。
その年の天候や農作物の豊凶を占う神事として、伝えられており、
竹や茅で作られた高さ5m・重さ2tの燃え盛る二本の巨大松明に、氏子達が飛び込んで、
松明の中に納めてある神木や注連縄を取り出すのを競う、豪快な火祭りである。
丁度、2月の第二日曜日が開催日なので、直前の準備中になってる。


(西尾市観光協会観光紹介映像・鳥羽の火祭り。※音量に注意。再生時間26秒。)

鳥羽神社の裏は、高台になっているので、行ってみよう。
境内横の60度もありそうな急坂を登ると・・・鳥羽の町並みと三河湾を遠くに望む絶景が見える。
暫く、見入っていると・・・蒲郡線の列車の汽笛とジョイント音が、此処まで聞こえてくる。

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(鳥羽の町並みと三河湾。)



時刻は15時。まだ、陽も高いので、どうしようかと考えたが、
もう一度、風光明媚な東幡豆に行ってみよう。
この旅の締め括りに、東幡豆の海岸を散策してみたいと思う。

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三河鳥羽1535======1541東幡豆
下り1562列車・普通・蒲郡行
名鉄6000系6012編成(←6012+6212)2両編成
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東幡豆駅に降り、港まで出てきたが・・・東の海岸に行くか、西の海岸に行くか迷う。
通りがかりの地元の年配女性に挨拶をし、聞いてみた所、東の海岸の方が景色が良いとの事。
お礼を言い、東へ向かおう。

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(かぼちゃ寺前の東浜の砂浜。誰かの足跡が・・・。)

東浜の砂浜と海岸沿いの堤防道路を歩いて行くと、船溜があり、前島とトンボロ干潟が見える。
丁度、干潮時の様だ。まだ、潮干狩りシーズン前なので、人は誰もいない。

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(東幡豆船溜。)
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(東幡豆前島トンボロ。左は沖ノ島、右が前島。)

この海岸には、防潮扉が幾つも設置され、強固な古い堤防が続いている。
嵌め込まれている銘板を見ると、昭和34年(1959年)の伊勢湾台風直後に造られたらしい。
三河湾沿岸は高潮の被害が大きく、3mを越える高潮が押し寄せ、甚大な被害であったそうだ。
なお、蒲郡線も、道床流失、架線柱倒壊の大きな被害を受けたが、
人海作戦により、何と五昼夜で復旧させたとの事。

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(堤防道路。この付近は、湾に張り出しているので、素晴らしい景色が広がる。)

駅から徒歩30分程で、東幡豆海岸の最突端部の浜ノ山の麓に到着。
180度海が見渡せる大展望で、後背地は山林になっており、愛知こどもの国の園地になっている。
寒くなってきたが、日没までの1時間、波の音を聞きながら、過ごす事にしよう。

波も穏やかで、とても静かである。
この堤防道路は、隣町を結ぶ地元の連絡道になっているらしく、
時々、車が通ったり、犬の散歩やジョギングの人が通る。

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(沖ノ島と対岸の渥美半島の山々。渥美半島の海岸まで、直線で約13kmある。)
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(西浦半島を望む。先端部の大きな建物は、西浦温泉郷。)

時刻は17時過ぎ・・・海は凪となり、前島の横に夕陽が沈む。
今日一日、この三河湾の風光明媚な景色と赤い電車の小さな旅を楽しめた。
廃線の話も上がり、地元では大変だと思うが、今後も地元の足として活躍して欲しい。

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(東幡豆海岸から、西の知多半島に沈む。)

東幡豆海岸の夕陽を見納め、この蒲郡線の旅を終えるとしよう。
堤防道路を引き返して、東幡豆の駅へ戻る。
今晩も、掛川にもう一泊する予定だ。

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東幡豆1811====1834蒲郡==上り東海道本線==掛川
(対向列車遅れの為、蒲郡駅到着3分遅延。)
下り1860列車・普通・蒲郡行
名鉄6000系6009編成(←6009+6209)2両編成
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(終)



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【取材日】2016年2月11日
【カメラ】PENTAX MX-1

【参考資料】
名鉄西尾・蒲郡線沿線おすすめマップ(市民まるごと赤い電車応援団発行・2014年)
はず夢ウォーク「海・山・民話にであうみち」
(西尾市教育委員会事務局生涯学習課、幡豆公民館発行・2014年)
三河鳥羽神明社しおり(鳥羽神明社発行)
天下の奇祭「鳥羽の火祭り」パンフレット(西尾市観光協会発行)
西尾市観光協会公式HP

2016年12月26日再編集(画像入れ替え高解像化・校正・シリーズ全体の調整)

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category: 名古屋鉄道蒲郡線 全10話

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