hmdの鐵たびブログ ローカル線の旅

のんびりローカル線の鉄道旅を、写真を中心に「見る紀行文」で長期連載しています。

【278】一富士、二煙突、三かぐや・・・岳南電車(8)岳南富士岡駅から比奈駅へ。歩き鉄&下車観光[前編]  




さて、岳南富士岡駅で下車し、駅と車両検修区を見学したら、そのまま下車観光に出かけよう。
気温は低いが、陽も高く上がっており、冬日の穏やかさも感じて、活動しやすく感じる。

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(駅前にある観光案内板。)

吉原駅で貰った岳南電車沿線マップを見ると、この岳南富士岡駅と隣の比奈駅の周辺は、
富士山の豊富な湧き水とかぐや姫伝説の里として、静かな観光名所がいくつかあるそうだ。
道路際に、「泉とロマンの郷」と言う、赤い案内石碑が整備されているので、それを辿って行こう。
駅北口から、山の方に真っ直ぐ歩いて行く。富士山は相変わらず、山頂に雲を被ったままだ。

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その前に・・・時刻は正午を過ぎて、空腹になってきた。
沿線マップに紹介されているカレーハウスが、駅の近くにあるので、先に腹ごしらえと行こう。

岳南富士岡駅から少し歩くと、小さなカレーハウス「一番館」【食事マーカー】がある。
某大手チェーンの「一番」ではなく、地元の小さなカレー専門店は、今では珍しい。
一見、開店しているか判らないが、カレーのスパイスの香りがしてくるので、大丈夫そうだ。
古い引き戸をカラカラと開けると・・・
手前のテーブルに、楽しそうに昼から一杯やっている地元の年配客が数人おり、
挨拶をして、奥の方に座る。地元の喫茶店、呑み処も兼ねているのだろう。

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店内は、入り口近くの数席のカウンターとテーブル席が四つ程あるので、結構広くなっている。
レンガ風壁紙の内装や懐かしい歌謡曲がBGMでかかり、昭和にタイムスリップした感じだ。
海に面した町なので、イカや白身魚などの海鮮系具のカレーも多いが、基本的なビーフカレーを注文。
なお、ポテトフライや焼きそばなどの軽食もある。10分位待っていると、出てきた。

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(普通の辛さ、ご飯は標準の300gバージョン。)

早速、食べてみよう。
昔ながらの一口目はピリ辛で、後味がマイルドな味が広がる。
良く煮こまれたルーは、まろやかで脂感も無く、美味しい昭和のカレーである。
普通の大盛りは100円増しだが、ご飯の量と辛さをチョイスでき、
並の男性の限界の2倍量と謳う、ご飯1,500gまで対応しているので驚きだ。
壁には、とび辛表もあり、結構辛いらしいので、勇気ある人は挑戦するのも面白い。
辛さの説明が、妙に昭和っぽいジョーク満載である。

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かつては、全国チェーンとして、静岡県内に数軒あった古いカレーチェーンだそうで、
この店は30年以上経営しているそうだが、今では、殆どのチェーン店は閉店しているらしい。
チェーン店時代の大盛り早食い無料キャンペーン完食者の記念写真も、壁に沢山貼られている。
なお、ご飯は1,300gもあり、20分以内が条件だったそうだ。

【カレーハウス一番館】
第二・第四日曜日定休。11時から20時位まで営業。お得なランチセットあり(時間限定)。
店向かい側に駐車場あり。



満腹となった所で、店のオーナーと思われる愛想の良い中年女将にお礼を言い、散策再開といこう。
尋ねられて、「東京から来た。」と伝えると、先程、数人の台湾の観光客グループが来たそうだ。
来日観光客が増えているが、岳南線沿線では珍しく、富士山を見に来たのであろう。

店から中学校沿いの道路を、富士山の麓を見ながら北上する。
道路脇には、豊富な水量の水路が流れ、水音が心地良い。

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車が何とかすれ違いができる、1.5車線程度の根方街道(ねほう-)の先の路地を入って行くと・・・
水路の水源らしい小さな池【赤色マーカー】があり、近くに木造二階建ての旧家も建っている。
昔は、根方街道沿いに旧家が建ち並んでいたそうで、一部が残っているそうだ。

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旧家横の道路をもう少し奥に行くと・・・「泉の郷・湧水公園」【波マーカー】がある。
住宅が建ち並ぶ中に、突然、広大な湧水池と東屋があるので、とても驚く。
豊富な湧き水がある贅沢な水環境で、今でも、地域の生活用水として利用されているそうだ。
池には、丸々と太った黒鯉が悠々と泳ぎ、東屋の木製デッキに立つと、こちらに寄ってくる。
周囲はとても静かで、優雅な時間が流れている。

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(東屋の木造デッキから見た湧水池。池は遊歩道に沿って細長い。)
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(地元の為の洗い場が残っている。ペットを入れない様の注意書きもある。)

この湧水地奥には、古刹の医王寺(いおうじ)【万字マーカー】があり、
禅宗系の寺院で、甲斐武田の名軍師・山本勘助の供養塔があると言われている。
境内には、幼稚園が併設されているので、山門前の見学までにしておこう。
薬師如来像(市指定文化財)の御本尊は、目の病気にご利益があると言われており、
医王寺の池の湧水で身を清め、それから、百度参りをしたと伝えられている。

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寺の北側から標高が高くなり、医王寺前から左の路地に曲がって、高台に登ろう。
高台の海抜は40m位で、新興住宅地になっているが、所々から、吉原の町並みが見える。
ここから見ても、工場と煙突の町だと実感できる【カメラマーカー】。
吉原一帯は標高が10m未満と低い事や、過去に何回も津波被害を受けているので、
予測されてる東海地震が心配なところでもある。
この高台が、津波来襲時の避難場所になっているが、市街中心部から遠いのが防災上の弱点だ。

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(吉原本町方面。煙突は大昭和製紙のもの。左手にも、住宅地が広がっている。)

この高台の頂上部には、明治時代以降の地元戦争犠牲者を慰霊する、岳南忠霊廟がある。
地元製紙メーカー・大昭和製紙創業者(現・日本製紙)の故・斎藤知一郎氏の援助で、
戦後に建てられ、毎年慰霊祭が開催されているそうだ。
また、東日本大震災を受けて、津波避難啓蒙のトーチの銅像も、道路際に建てられている。

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なお、太古の昔の吉原一帯は、富士川の大河川敷と湧水の大湿地帯が広がっていた為、
この高台が富士山南麓から連なる岬になっていたそうだ。
古代の古墳も、この高台に幾つか築かれている。
暫く、ここから、吉原の町並みを眺めてみよう。



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散策コースは、岳南電車沿線マップ裏面の「泉の郷山本勘助と歴史探訪」(原田-富士岡)コースを、
逆行程に歩き、岳南原田駅ではなく、比奈駅を終着としたコースになっています。

【参考資料】
現地観光案内板
富士市公式HP「文化財の紹介」
岳南電車沿線マップ(岳南電車発行)
アイラブ岳鉄(鈴木達也著・静岡新聞社刊・2001年)

2016年12月22日再編集(画像入れ替え・校正)

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category: 岳南電車 全13話

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