hmdの鐵たびブログ ローカル線の旅

のんびりローカル線の鉄道旅を、写真を中心に「見る紀行文」で長期連載しています。

【269】ハイランドたぬき村への招待・・・近江鉄道本線&信楽高原鐵道(9)近江鉄道本線日野駅 その1  


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雲井1602======1618貴生川
信楽高原鐵道・上り538D・普通・貴生川行き・SKR310形(311)単行
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今日は帰京しないといけないので、この信楽高原鐵道とも、お別れである。
16時02分発の貴生川行き上り538D列車に乗車し、この雲井駅を出発する。
最後尾運転席横に陣取り、紫香楽宮跡駅を過ぎた先の事故現場付近で合掌をする。
そのまま、小野谷の狭小部に入り、今度は、長い下り急勾配を抑速ブレーキを利かせながら、
グイングインと滑る様に列車は下って行く。

16時18分に貴生川駅に到着。約10分の接続で、近江鉄道へ乗り換えになる。
16時を過ぎているが、空はまだ明るいので、もう一駅ならば、立ち寄る事が出来そうだ。
それならば、往路で目を惹き付けられた、近江鉄道日野駅に寄ってみよう。
あの古い木造駅舎の駅ならば、この旅の締めに、ベストと感じる。

発車前に、列車最後尾の乗務員室を覗いてみる。
この800形は、元・西武鉄道401系電車であるが、運転台右側の巨大なブレーキ弁に驚く。
元車の空気式ブレーキを、電気指令式ブレーキに自社改造したそうで、その技術力には脱帽である。

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(近江鉄道800形の運転台。)





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貴生川1627======1645日野
近江鉄道本線・上り普通・米原行き・800形(805編成)2両編成
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水口丘陵(みなぐち-)と清水山トンネルを越えて、貴生川駅から約20分で、日野駅に到着する。
駅舎向かいの2番線ホームに下車すると、乗車してきた800形805編成が、直ぐに発車して行く。

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(発車する805編成と日野駅全景。)

この駅は有人駅らしいので、先ずは、見学と撮影許可を貰おう。
ローカル線は乗客が少なく静かな分、許可無しの撮影は不審に思われる上、
鉄道会社の職員にとっては職場なので、都市部の駅とは勝手が違う事を理解したい。
初老の駅長氏に快諾して貰い、尋ねると、この木造駅舎は開業当時のものとの事。
また、関東からやって来た、鉄道ファンも珍しい様子で、大変驚かれた。

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(下り2番線ホームからの駅舎本屋。)
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(改札前に、大きな構内踏切がある。)

日野駅の開業は、明治33年(1900年)10月であり、この木造駅舎は築110年を超えている。
大正から昭和初期に建てられた有人駅であれば、状態が良いのものも見受けられるが、
流石にこの経年になると、各部の傷みも激しい様である。
なお、民鉄の最古の現役駅は、南海鉄道浜寺公園駅と言われるが、明治40年(1907年)築であり、
この日野駅の方が更に古く、大変貴重になっている(※)。

また、起点の米原駅からは、37.8km地点、19駅目、所要時間約1時間25分、
滋賀県蒲生郡日野町内池(がもうぐんひのちょう-)、標高160mの時間限定有人駅である。
近江鉄道本線の主要駅のひとつで、構内は広く、千鳥式ホーム二面三線に中線や引き上げ線があり、
この駅発着の列車もある様だ。

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(古い電光式駅名標。戦後昭和のものであろう。)

この日野町は、鈴鹿山脈が西に伸びた山裾の麓にある城下町で、
出雲川沿いの東西に長い谷間に町並みが形成され、駅は西端の玄関的位置にある。
かつては、伊勢詣の街道筋として、また、近江商人発祥の地として栄えた。
戦国時代の有力武将の一人で、後に会津を治めた、蒲生氏郷(がもううじさと)の出身地でもある。


(グーグルマップ航空写真・蒲生郡日野町周辺。)

駅舎は大変大きなもので、中に入ると、天井も高く、窓枠も木のままである。
約20畳の大きな待合室の左手奥にも、待合スペースがあり、L字になっている。
天井下には、古い大型電光式バス時刻表もある事から、鉄道のみならず、
日野町周辺へのバス乗り継ぎの乗客も多かったのであろう。

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(大きな待合室と改札口周辺。)
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(使われなくなったバス時刻表。改札口の反対側天井にある。)
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(改札口上の駅時刻表。八日市方面よりも、貴生川方面の列車本数が多い。)

改札口は、木製引戸がある鉄製ポール製で、一段高くなる踏み板付きの珍しい構造である。
しかし、コンクリート床が剥がれているので、後年に取り替えられたのだろう。
また、出札口の横窓を開ければ、改札に出なくても、業務ができる構造になっている。
ちょっと、出札口を覗くと・・・硬券切符も、多数置いてる様だ。

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(ホーム側からの改札口。)

出札口の並びには、旧出札口と鉄道手小荷物窓口(チッキ)跡と思われるスペースがあり、
装飾付き天受けの長いテーブルが残っている。
現在の出札口は、窓の高さが違うので、増築された部分だと思われる。
また、かつての近江鉄道では、貨物輸送も盛んで、貨物や鉄道手小荷物に留まらず、
民鉄線ながら郵便も輸送し、専用の郵便車(電車牽引のユニフ)や郵便電車(ユニモ)も存在した。

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(旧出札口・鉄道手小荷物窓口跡。)

外に出てみよう。出入り口上に箱型の車寄せがあるのが、個性的である。
駅前には、バスが転回出来る程の大きなスペース、数軒の個人商店と観光案内所がある。
駅から東に3km程行くと、旧城下町の古い町並みがあり、見所も多いそうだ。
日野観光協会公式HP

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(日野駅。)
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(駅前の民家。歓迎看板が沢山取り付けられている。)

駅の近くには、近江牛の専門店がある所が、本場らしい。
創業60年の老舗精肉店の「寿屋」で、車の出入りも多く、この近辺の有名店であろう。
三大ブランド牛の近江牛を、一度、腹いっぱい食べてみたいものだ。

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(寿屋精肉店。毎週水曜日定休、8時から19時営業、滋賀県蒲生郡日野町内池909-1。)

待合室内に差し込む斜陽や景色の反射も、旅情を誘う光景だ・・・。

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(※浜寺公園駅と日野駅)
浜寺公園駅は平成28年(2016年)に、現役を引退し、移築保存となる予定。
日野町と近江鉄道では、この日野駅を保存の方向で検討している。

2016年7月11日再編集
2016年12月24日再編集(画像入れ替え高解像化・文章修正・校正)

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category: 近江鉄道本線&信楽高原鐵道 全10話

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