hmdの鐵たびブログ ローカル線の旅

のんびりローカル線の鉄道旅を、写真を中心に「見る紀行文」で長期連載しています。

【251】潮騒と浪漫の小さな鉄道・・・銚子電気鉄道(6)笠上黒生駅の駅舎と西海鹿島駅へ。  


笠上黒生駅(かさがみくろはえ-)には、開業当時の木造駅舎が残っており、築90年近くになるはずだ。
この駅と仲ノ町駅、本銚子駅、外川駅(とかわ-)の四駅に、古い木造駅舎が残っているが、
観音駅、君ヶ浜駅と犬吠駅は、観光駅舎に建て替えられている。

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(笠上黒生駅の駅舎本屋。)

駅舎は北東側の下りホームに隣接し、切妻屋根と大きなトタン庇が二方に張り出している。
国鉄風の波形スレート屋根で、後年に葺き替えられたそうだが、全体的に原型を留めている。
外川方に駅出入口、改札口と待合室、銚子方に駅事務室と倉庫があり、
ホーム側外壁は、金属トタンの補修やシャッターの増設がされている。

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(ホーム側駅舎。)

改札口も、木造のまま残っており、開業当時のものであろう。
横には、屋根から雨樋を伝ってきた雨水を利用した、防火用水槽も設置されている。
しかし、下の方に水抜き穴が開けられているので、今は使っていない様子だ。

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(木造の改札口。国鉄の古い木造改札口よりも、やや細い木を使っている。)
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(防火用水槽。)

待合室に入ってみよう。八畳位の広さの待合室は、陽当たりの良い南西に面している為か、
木造駅舎の独特な湿った感じは無く、明るい印象を受ける。
木造のロングベンチが、改札口を見る様に据え付けられている。

右書き表示の出札口があり、鉄道手小荷物の窓口跡もあるが、掲示板で塞がれている。
銚子電鉄では、昭和59年(1984年)に、鉄道貨物輸送が廃止になっているそうだ。
この駅にも、黒板書きの旅客運賃表が掲げられ、時刻表は手書きである。

出札口の下には、オリジナルキャラクターのヘッドマークが置かれている。
このゴリラには、アル・カポネをもじった、「アル・カッポネ」と言う名前が付けられており、
地元建設会社に一時買収された際、観光鉄道化する際に作られたものだ。
銚子駅や観音駅の観光駅舎も、この時期に建て替えられている。

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(出札口とヘッドマーク。)

訪問記念に、硬券の普通入場券(大人150円)を購入しよう。
この笠上黒生駅に到着した電車と、デハ3の二種の裏側絵柄あるそうなので、両方購入する。
フリーきっぷだけでは、鉄道会社としては赤字なので、こういう所で存続カンパをしたい。

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(笠上黒生駅の普通硬券入場券。)

駅舎本屋と給電設備の間には、転轍器操作てこ小屋(てんてつき-)も残っており、
ポイント(転轍器)と腕木式信号機を、手動で切り替えていた時代の重要な保安装置である。
現在は、上り下り線方共に、スプリングポイントを導入しており、自動化している。

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(転轍器操作てこ小屋。)

駅出入り口周辺を見てみよう。
駅舎とホームが高い場所にあるので、ラウンドしているコンクリート階段とスロープがある。
住宅地に隣接しているが、住宅地の間の砂利道奥に駅がある為、通りからは駅が見えない。

駅出入口横に佇む、広告付きのプラスチック製ベンチも古い。
フルヤ牛乳は、昭和20年創業の千葉の地元乳業メーカーで、銚子にも工場があったそうだ。

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(駅出入口側の駅舎。)
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(古いプラスチックベンチ。)
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(通り側から見た、笠上黒生駅。)

この黒生地区(くろはい-)は、銚子外港の磯場が広がり、漁業や製塩業が昔から盛んだった。
また、良質な粘土を産出する事から、江戸時代末期から戦前までは、
国内有数の黒瓦生産地(黒生瓦・銚子瓦)だったそうだ。
資源の枯渇で廃れてしまったが、その名残で、瓦販売業者が10軒位集まっている。



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笠上黒生1551======1553西海鹿島
下り外川行き(デハ1001・単行)
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笠上黒生駅から、隣駅の西海鹿島駅(にしあしかじま-)に行こう。
ここで列車交換をした、上り銚子行きの青いデハ1001が、折り返してやって来る。
なお、笠上黒生駅より終点外川駅までは、スタフ閉塞となり、信号機が全く無い区間になる。
実質的に同時運行できるのは、全線で二列車となっており、
線路や架線設備の関係で、最高速度が時速40kmまでに制限されている。
平均速度は時速20km程度なので、普通鉄道でありながら、路面電車に近い感覚だ。

スプリングポイントを越え、キャベツ畑の中を真っ直ぐに走って行く。
若干、下り勾配になっていて、この先の住宅が集まっている所に駅がある。
踏切警報機と遮断機のある第一種踏切と、踏切標識だけの第四種踏切の親子踏切を通過すると、
西海鹿島駅に到着する。

この駅は、周辺の宅地化により、昭和45年(1970年)に新設された住民嘆願設置駅で、
一面一線の単式ホームと小さな待合室の終日無人駅である。
銚子方は、2000形2両編成に対応する為、ホームが延長されており、
ホームの向かいには、錆色に汚れた3kmポストが、斜めに埋まっている。
また、この駅も難読駅名になっており、この付近の海岸にニホンアシカがいた事が由来だ。
明治の頃までは、300頭近くいたそうだが、乱獲等で絶滅したと言われている。

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(ホーム全景と外川方。外川方も、キャベツ畑が続く。)
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(笠上黒生方。キャベツ畑を突っ切ってくる。500mしか無いので、駅も見える距離だ。)

駅の周辺は、「灯台キャベツ」のブランドで有名なキャベツ畑が一面に広がり、
春キャベツの生産量は全国1位になっている。
ホームに立っていると、油っぽいキャベツの香りが漂ってくる。

銚子半島の内陸部は、水捌けが良く、ミネラルが豊富な関東ローム層の土壌と、
年間平均気温15℃と言う温暖な海洋性気候で、キャベツ栽培に適しているそうだ。
なお、10月下旬から6月上旬まで栽培されるので、冬でも緑の畑が広がっている。
また、首都圏向けの多くの野菜が栽培されている、近郊農業地帯になっている。

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(このキャベツ畑を走る列車も、銚子電鉄の風物詩になってる。)

夕方になってくると・・・雲が大分出て来た。
時刻は17時前で、日がまだ高いが、この駅までの取材にしよう。
明日は、外川方の残り4駅の訪問と下車観光の予定だ。
ここから、外川までの事前ロケーションをしながら、折り返して、
今晩の宿泊予定地の銚子まで戻る事にする。

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西海鹿島1649===1657外川1704===1723銚子(泊)
下り外川行き(デハ1001・単行)
上り銚子行き(デハ1001・単行)※折り返し乗車
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2016年5月24日再編集(文体変更・画像整理)
2016年12月17日再編集(文章追加・画像追加・校正)

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category: 銚子電気鉄道 全15話

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