hmdの鐵たびブログ ローカル線の旅

のんびりローカル線の鉄道旅を、写真を中心に「見る紀行文」で長期連載しています。

【248】潮騒と浪漫の小さな鉄道・・・銚子電気鉄道(3)デキ3に出会う、そして、観音駅へ。  


駅舎並びの道路から見ると・・・2000形電車が二編成並んで、休んでいる。
この車両は、常に二両固定編成で運行されており、塗装も京王時代を模している。
しかし、今の銚子電鉄にとって、2両編成は大きすぎるのではないかと思うが、
週末や初日の出の時には、観光客で混雑するので、その対応の為でもあろう。

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(2000形電車とヤマサ工場の原料サイロ塔。)

この仲ノ町駅(なかのまち-)は、ホーム向かい側の車両検修区の一部が、一般公開されており、
記念硬券仕様の見学入場券(150円)を別途購入すると、見学する事が出来る。

出札口では、定期券サイズの見学記念入場券があるそうなので、それを購入する。
外川方の構内踏切を渡ると、側線の間に敷かれた簀子部分が、見学可能エリアになっている。
廃用となった鉄道部品も数多く展示されているが、最大の見所は、この凸型の小型電気機関車だ。

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(車庫見学エリア。留置されている車両の下回りも、良く見える。)

1922年(大正11)に造られた、ドイツ・アルゲマイネ(AEG)社製直流電気機関車デキ3は、
現存する国内最小の電気機関車だ。銚子電鉄のマスコットとして、大変な人気がある。
このくすんだ赤とクリームのツートン塗装は、本来の銚子電鉄オリジナルカラーになっている。

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(デキ3。)

かつての銚子電鉄では、電車後部に無動力の二軸客車を連結し、多客時対応をしていた。
銚子駅では、二軸客車の後部への付け替えが困難な為、銚子行き上り列車は、
この仲ノ町駅で電車を外川方に付け替え、デキ3を先頭に「←デキ3+二軸客車+電車」の編成で、
銚子駅と仲ノ町駅間を走行したそうだ。
また、ヤマサ醤油工場への貨物輸送や車両の入換機としても活躍し、昭和50年代後半まで使われた。
なお、電車を機関車代わりに、国鉄貨車を後部に1-2両併結した客貨混合列車(ミキスト)も、
運行されていたとの事。

現在、デキ3の車籍はあるが、圧縮空気式の空気ブレーキが装備されておらず、
鉄道保安上などの理由から、営業線上の運転は出来なくなっている。

【銚子電気鉄道デキ3・主要諸元】
全長4.5m、全長2.1m、自重10.0t、1922年ドイツ・アルゲマイネ社製直流電気機関車。
軸配置B(二軸)、搭載モーター二機、定格出力59.6kW(約80馬力)、定格速度16km/h。
速度計や電圧計は無く、発電ブレーキと手ブレーキのみである。



さて、仲ノ町駅を見学した後は、隣の観音駅に向かおう。
この仲ノ町駅から、三つ先の笠上黒生駅(かさがみくろはえ-)までは、
昔ながらの通券閉塞式の列車閉塞で、運行されている。
自動色灯式信号機とATS(自動列車停止)システムによる、列車閉塞自動化が進んだ今、
大変珍しく、駅名標横のバックミラー下に通券確認の標識が出ている。

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(駅名標と通票確認の標識。四角のイラストは、金属製通票に空けられた穴の形を示す。)



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仲ノ町1218======1220観音
下り外川行き(デハ1002・単行)
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青いデハ1001の相棒である、赤いデハ1002がやって来る。
この車両も旧銀座線の同型車だが、丸の内線カラーになっているのは、鉄道ファンサービスでもある。
出発合図にホーム来た駅長氏に、見学と撮影のお礼を言い、乗車しよう。

線路際の菜の花ベルトを愛でながら、コトコトと2分程走ると・・・観音駅に到着。
仲ノ町駅から600mしか離れておらず、運転士氏に弧廻手形を見せて、下車をしよう。

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(観音駅に到着した、デハ1002。)
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(道標タイプの駅名標。)

観音駅は、女性駅長氏が勤務している有人駅で、再開通時の大正12年(1923年)の開業、
起点の銚子駅から1.1km地点、2駅目、所要時間4分、銚子市前宿町、標高14mである。
平成になってから、スイス登山鉄道風の観光駅舎に建て替えられている。
銚子電鉄は小さな鉄道だが、駅が個性的であり、木造駅舎と違う楽しみ方が出来るのが面白い。
また、銚子の旧市街地と港に最も近い事から、最盛期は、銚子駅よりも乗降が多かったそうだ。

各部に傷みも多く見られるが、海が近い為、潮風の影響が大きいのだろう。
ホームは洒落たタイル張りで、緩やかな弧線状のホームの外川方に改札があり、
街道に面した駅出入口と踏切がある。

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(ホーム側改札口周辺。)
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(可愛らしい出札口。)
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(ホーム全景。※街道の踏切横から撮影。)

ホームから銚子方を眺めると、黄色い菜の花の群生と共に、住宅地の中を走って来る。
開業当初、今の場所よりも、銚子方に小さな待合所とホームのみの駅があったそうだ。
大正末期頃に現在位置に移転して、木造洋風駅舎が新築され、
平成3年(1991年)12月に現在の観光駅舎に建て替えられている。

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(銚子方。)

ここから外川方は、北側に街を見下ろす、段丘縁部のグリーンベルトを走る。
房総の昔ながらの雑木林の中を走り、上り勾配20パーミルの急勾配が続き、
峠越え風の雰囲気になっている。

銚子半島は海に面している事から、平坦なイメージがあるが、
千葉県北部に広がる下総台地(しもふさだいち)の最東端になり、半島中央部は台地状となっている。
観音駅から隣の本銚子駅(ほんちょうし-)を過ぎた付近で、この下総台地に線路が上がる感じだ。

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(外川方。※街道の踏切横から撮影。)



この観音駅には、名物のたい焼き屋があるので、ちょっと、覗いてみよう。
70年代の「およげたいやきくん」ブームに便乗したそうで、随分と昔から販売している事になる。
勿論、銚子電鉄の直営店で、有名なぬれ煎餅と共に鉄道維持に大きく貢献しており、
本業の鉄道運賃収入1日20万円の半分の売上を記録した事もあるとの事。

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(名物の観音駅たい焼き屋。昭和51年1月から開業したそうだ。)
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(調理中のたい焼き達。どんどん、作っている。※撮影承諾済。)

昼食もまだなので、餡とクリームのたい焼きをひとつずつ購入しよう。
耳もそのまま豪快に付いた結構な重さで、関西風になっているそうだ。
生地は厚くふんわり、具はトロトロで、具もぎっしり入っており、
味は、割とさっぱりとした甘さで、食べ易い。
また、たい焼き1個各90円、たこ焼き8個入り340円と、良心的であるのが嬉しい。

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(駅のベンチで、名物のたい焼きを食べる。)

この観音駅は、駅名の通りに門前駅でもあり、少し離れた所に大きな寺院がある。
腹も少し膨れたので、運動がてらに行ってみよう。

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(観音駅外観。)



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【参考資料】
ちばの鉄道一世紀(白土貞夫著・崙書房・1996年)
RM LIBRARY 142「銚子電気鉄道(上)」(白土貞夫著・ネコパブリッシング刊・2011年) 

2016年5月24日再編集(文体変更・画像整理)
2016年12月17日再編集(文章追加・画像追加・校正)

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category: 銚子電気鉄道 全15話

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