hmdの鐵たびブログ ローカル線の旅

のんびりローカル線の鉄道旅を、写真を中心に「見る紀行文」で長期連載しています。

【207】あかがねの鉄路を追って・・・わたらせ渓谷鐡道(15)花輪駅下車観光[後編]  




街道に面した、丸美屋商店と八百新商店と言う小さなお店の間に、
小さな路地と寺の門柱がある。気になるので、入ってみよう。


(石門柱と小さな路地。)

奥には、なだらかな石段があり、車は通れない。路地を右に曲がると、小さな踏切がある。
間藤行きの車窓から見た、急階段下のあの第四種踏切だ。
石段横や傍の桜の下には、供養塔等が多数安置されているので、本来は寺の参道である。


(石塔と石段。)
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(踏切と桜。)

この踏切は車両通行止めだが、「自転車は除く」と標示している。
しかし、手前に石段があり、更に急階段では、自転車でも通行困難と思われる。
マピオン電子地図(わたらせ渓谷鐡道花輪駅間藤方の第四種踏切・1/1,500)


(踏切と急階段。)

急階段の途中から、間藤方を望むと・・・
日当たりの良い南向きの土手に続く桜並木は、もう散り気味で、早咲きの場所らしい。
ここからの鉄道撮影も、良い感じになると思う。

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(踏切から間藤方土手の桜並木。)

踏切先の急階段を上がり切ると、曹洞宗の祥禅寺(しょうぜんじ)【万字マーカー】がある。
地元出身の童謡の父・石原和三郎氏の墓所も、ここにあるそうだ。
由縁は、平安時代初期の大同・弘仁年間(だいどう-・こうにん-/806〜823年)頃、
赤城山麓の二の鳥居に開基されたのが前身と言われ、
鎌倉時代初期の建久年間(けんきゅう-/1190〜1198年)頃に、此処に移設されたとの事。
その為、山号も「赤城山」となっている。

この山門は、今から約400年前の元和7年(1621年)に、建立された大変古いもので、
傍らの松と相まって、風情を醸し出している。

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(祥禅寺山門。)

ここは高台にあるので、花輪の町を見渡せる。
本尊は延命地蔵菩薩となり、風邪を治す綿神様(わたがみさま)や布袋尊、
聖徳太子を祀った太子堂もある。
境内は良く整備されており、苔むした小さな祠も歴史をじんわりと感じさせる。

また、小さな墓石を積み重ねて、高さ5m程の大きなピラミッドになっている
巨大な無縁塔(無縁仏の供養塔)があり、大変驚く。
無縁仏ではあるが、この花輪の歴史の長さを感じ、天辺には地蔵が安置されている。
(墓石は撮影しない方針の為、画像はご容赦願いたい。)


(苔むした灯籠と祠。赤城山由来の寺であるので、神仏合祀も残っている様だ。)

本堂前に青銅製の仏を左右一対安置し、禅寺らしいユニークな窓が連なっている。
この窓は、火灯窓(かとうまど)と言い、元々は、中国から伝来したものだ。



(祥禅寺本堂。)

旅の道中安全と撮影御礼の参拝を済ませた後は、山門を出て、右手へ歩く。
坂を少し降ると、旧花輪小学校記念館【紫色マーカー】がある。

門柱は、高さ3mもある花崗岩で出来ており、大正5年(1916年)に建立されたもので、
国登録有形文化財に指定されている。
なお、平成に入ってから、道路拡張工事の為、校門から一段低いこの場所に移設されたとの事。



(旧東村花輪小学校門柱。)

◆国登録有形文化財リスト◆
「旧東村花輪小学校門柱」
所在地群馬県みどり市東町花輪191
登録日平成13年(2011年)11月20日
登録番号10-0087
年代大正5年(1916年)
構造形式石造、1対、間口2.9m、高さ3.0m。
特記門柱は高さ3m、30cm角ほどの花崗石製で,江戸切り状に仕上げる。
左の門柱側面に「大正五年二月建之」とあり,前身校舎時代の建立を示す。
平成5年頃、前面道路の拡幅に伴い,
校庭よりも低い道路沿いの現在地に移設されている。
(文化庁公式ページの国指定文化財等データベースを参照・編集。)

山際には、とても大きい、立派な木造校舎が建っている。
昭和初期の標準的な木造校舎だそうで、この花輪のシンボルになっている。
また、校庭の一角には、幼稚園も開設され、小さな子供達の元気な声が聞こえて来る。

今泉嘉一郎氏の寄付により、昭和7年(1932年)に建築され、築80年程になる。
なお、先程の門柱は、旧校舎時代のものである。

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(旧東村花輪小学校記念館。)

校舎中央の三角屋根下の昇降口が、懐かしさを感じさせる。
教室は4間×5間(約7.2m×9m・65㎡)の広さで、北側に廊下がある。
また、屋根上の換気用小窓も特徴的で、他にあまり例が無いそうだ。



花輪小学校は平成13年(2001年)に、学校統合の為に廃校になっており、
旧花輪小学校記念館として、週末のみ公開されている。
校舎内では、懐かしい木造校舎の造りが見学できる他、小学校教育の資料、
この小学校の校長でもあった石原和三郎氏や、今泉嘉一郎氏に関する資料展示もされている。
また、木造駅舎時代の花輪駅の柱時計、廃止された草木駅のホーム駅名標、手持ち信号灯等や、
昭和30年頃の国鉄足尾線の写真も展示されているので、鉄道ファンにもお勧めだ。

【旧花輪小学校記念館の案内】
毎週土日のみ公開、10時から16時まで、見学無料。
みどり市公式HP内「旧花輪小学校記念館」

◆国登録有形文化財リスト◆
「旧東村花輪小学校校舎」
所在地群馬県みどり市東町花輪191
登録日2001年11月20日
登録番号10-0086
年代昭和7年(1932年)
構造形式木造2階建、瓦葺、建築面積627㎡。
特記当地の出身で「日本の製鋼・鋼管技術の先駆者」とされる
今泉嘉一郎の寄付により建設。
木造二階建,切妻造,フランス瓦葺,下見板張の学校建築で,
北面片廊下とし正面中央に玄関ポーチを突出させる。
昇降口部の窓構成や腰折れ屋根窓などに造形的特色がある。
(文化庁公式ページの国指定文化財等データベースを参照・編集。)

寺と小学校の間には、みどり市東町支所や公民館等があり、公官庁エリアになっている。
元々は、勢多郡東村の村役場で、この花輪は村の中心地だったそうだ。
ちなみに、「東村(あずまむら)」は、群馬県内に複数あったそうで、同県内にあるのは大変珍しい。
その為、郡部名の一部を組み合わせて、「勢多東(せたあずま)」と表記されたとの事。
現在は、市町村合併により、全ての東村は消滅してしまっている。

そろそろ駅に戻るとしよう。
丁度、下り間藤行き717D列車・わ89形315「わたらせIII号」が汽笛を一声響かせて、
発車して行く。

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(花輪駅を後にする、わ89-315「わたらせIII号」。左のフェンスが小学校。)



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2016年1月14日再編集
2016年12月8日再編集(文体変更・文章追加・画像整理)

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category: わたらせ渓谷鐵道1日目 29話

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