hmdの鐵たびブログ ローカル線の旅

のんびりローカル線の鉄道旅を、写真を中心に「見る紀行文」で長期連載しています。

【200】あかがねの鉄路を追って・・・わたらせ渓谷鐡道(8)神戸駅[その2]ホーム見学  


再び、大正初期の古い木造駅舎を通って、ホームに出てみよう。
この神戸駅(ごうど-)のホームは、春に花桃が咲き乱れる駅で有名であり、
多数の観光客やカメラファンが押し寄せる。
更に、シーズン後半になると、渡良瀬川側に植えられた桜並木も咲く大共演となり、
まるで桃源郷の様な素晴らしい光景が広がる。
また、地元出身の世界的有名画家・詩人の星野富弘(ほしのとみひろ)氏の作品を展示している、
富弘美術館の最寄り駅でもあり、開花シーズン中の団体バスツアーにも、良く組み込まれている。

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(1番線ホーム中央付近から、花桃が咲くホームと桐生方。建物は桐生方に寄っている。)
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(枝いっぱいに花桃が付いている様は、実際に見ると圧巻だ。)

(国鉄時代の跨線橋上から、間藤方を望む。此方側の景色が特に良い。)

ホームは、上り南西・下り北東方向に配され、緩やかにカーブをしている相対式二面二線である。
駅舎の近くに、鉄骨製の屋根なし跨線橋があり、桐生方ホーム端にも、構内踏切がある。
なお、構内踏切は、観光客等の安全対策上、列車接近警報機付きになっている。

下り1番線ホームは134mの長さで、わたらせ渓谷鐡道でも最長級になっており、
トロッコ列車のディーゼル機関車と客車4両の5量編成が、全てホームに接する事が出来る。
上り2番線ホームは少し短く、長さ107mとの事。
また、760mmの客車ホームであるが、中央部は気動車のステップ高の920mmに嵩上げされている。

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(南側から神戸駅ホーム全景。)

間藤方を眺めると・・・
緩やかに右カーブをしながら、線路がまとまり、左に保線車両を留置している引込線がある。
この下り1番線ホームも、国の登録有形文化財に指定されており、
跨線橋から間藤方の北側は、未舗装の砂利のままになっている。

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(下り1番線ホーム端から、間藤方を望む。)

なお、手前の小屋から、レールが直角に接続しているが、
保線用のレールバイク(軌道自動自転車)を出し入れするレールであろう。
レールバイクは、保線係が線路の巡回・点検や移動に使う。

◆国登録有形文化財リスト◆
「わたらせ渓谷鐡道神戸駅下り線プラットホーム」
所在地群馬県みどり市東町神戸886-1 他
登録日平成21年(2009年)11月2日
登録番号10-0282
年代大正元年(1912年)竣工、昭和5年(1930年)増築。
構造形式石造、延長134m。
特記擁壁は、間知石練積である。
(文化庁公式ページの国指定文化財等データベースを参照・編集。)

駅舎本屋の間藤方並びの幾つかの小屋の中に、煉瓦造りの小さな倉庫が・・・
石油ランプや暖房等で使う灯油等や危険品を保管した、危険品庫である。
蒸気機関車が吐き出す煤煙には、火の粉が入っているので、
引火による火災防止の為、木造駅舎から離れた場所に煉瓦で建てられていた。
今では、取り壊されている場合が多く、現存するものは貴重だ。
これも、国の登録有形文化財に指定されている。

大きさは1坪程の片勾配の急傾斜屋根で、窓は無い。
扉上方に独特なアールがあり、煉瓦組みも扇形になっているのが興味深い。

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(危険品庫の正面ホーム側。)

後ろを見ると、屋根板は波形スレート葺きで、この部分だけ、意外な感じもする。
戦後に葺き替えられたのであろう。

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(危険品庫の駅前広場側。)

◆国登録有形文化財リスト◆
「わたらせ渓谷鐵道神戸駅危険品庫」
所在地群馬県みどり市東町神戸878-2 他
登録日平成21年(2009年)11月2日
登録番号10-0284
年代大正元年(1912年)
構造形式煉瓦造平屋建、波形スレート葺、建築面積3.3㎡。
特記下り線プラットホーム中央部に位置する。
間口1.8m、奥行1.8m、煉瓦造平屋建、波形スレート葺の片流屋根。
本線側に出入口を設け、開口上部は欠円アーチ状に積む。
正面のみをイギリス積とし、側・背面は長手積とする。
木造中心の駅舎群の中で目を惹く存在。
(文化庁公式ページの国指定文化財等データベースを参照・編集)

下り1番線ホームの桐生方に行ってみよう。
駅前から見た休憩所とホームの間に、操作てこ小屋と転轍機(てんてつき/ポイント)ワイヤーが、
線路に出ていた穴跡がある。現在、操作てこは撤去され、物置場として使われている様子だ。

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(操作てこ小屋と転轍機ワイヤー口。※追加取材時に撮影。)

その手前横には、大きな「工(こう)」の刻印付きの防火水槽が、置かれている。
木造駅舎や花々に目が行きがちだが、こういう感じも良い。
なお、この「工」は、明治政府の鉄道部門が工部省であった事が由来で、伝統的なものである。

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(国鉄の「工」マークのある防火水槽。※追加取材時に撮影。)

下り1番線ホーム端から、桐生・大間々(おおまま)方を眺めると・・・
構内踏切があり、転轍機小屋付きのスプリングポイントで線路がまとまり、
神土(ごうど)トンネルに下って行く。

また、下り1番線側にも、出発信号機があり、上り桐生方に折り返し発車が出来る様になっている。
この駅止まりの臨時列車の折り返しに、使われるそうだ。

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(桐生・大間々方と構内踏切。)

構内踏切を渡って、向かいの上り2番線ホームに向かおう。
2番線ホーム中央には、わたらせ渓谷鐡道直営の列車レストラン「清流」がある。
週末や祝日、花見シーズンになると、駅周辺に飲食店が無い為、食事処として賑わう。

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(上り2番線の列車レストラン清流。)

この車両は、懐かしの東武鉄道日光行き特急デラックスロマンスカー「けごん」で、
2両の中間車が、出入口兼厨房のプレハブ建物を挟む形になっている。
昨年、現役当時の塗装に再現され、鉄道ファンには嬉しい仕様になった。

また、元3番線のレールの上に、そのまま固定されている。
台車や床下機器、独特なキノコ形カバーの冷房装置も、殆どそのまま残されており、
往年の鉄道ファンにとっても、嬉しい保存状態である。
屋根上のパンタグラフも撤去されず、イルミネーション電柱の代わりになっている。

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(跨線橋からの屋根周り。)
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(住友金属製FS370台車。)

【東武鉄道1720系電車・主な諸元】
昭和35年(1960年)デビュー、特急用電車、20m車体、最高運転速度110km/h、
中空軸平行カルダン駆動、モーター出力75kW、バーニア抵抗制御(界磁付き)、
抑速ブレーキ装備、住友金属製FS370台車。
ウィキペディア公開ファイル(東武鉄道1720系電車特急「けごん」・170kbyte)

2番線ホームの間藤方が、昔の雰囲気を最も残している。
長い年月を経て、砂利と土が被ったままのホームには、多くの花木が育っている。
反対側は元3番線になり、貨物列車の待機等に使われていたそうだ。

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(1番線ホーム間藤方から、2番線ホームを望む。)

◆国登録有形文化財リスト◆
「わたらせ渓谷鐵道神戸駅上り線プラットホーム」
所在地群馬県みどり市東町神戸878-2 他
登録日平成21年(2009年)11月2日
登録番号10-0285
年代大正元年(1912年)竣工、大正12年(1923年)改修。
構造形式石造、延長107m。
特記下り線プラットホームの南に位置する。
延長107mで、下り線と同様に緩やかなカーブを描く。
本線側の擁壁は、割石による間知石練積、支線側は玉石空積とする。
客車停車部分のホーム高を嵩上げしているが、擁壁は当初の姿を保っている。
(文化庁公式ページの国指定文化財等データベースを参照・編集。)

列車レストラン「清流」前から、駅舎本屋を眺めると・・・
ローカル線の標準的な中型木造駅舎のデザインを踏襲しているのが判る。
天井が低い為、出庇状の旅客上屋もかなり低いのが特徴だ。

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(2番線ホームからの駅舎本屋。)

なお、緑に塗装されたホーム部分が、嵩上げされた部分になる。
基礎部分は、6個横に並べると1間(1.8m)になる間知石(けんちいし)を使っており、
正面は平面であるが、背後は角錐型になっている。



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2016年1月13日再編集
2016年12月7日再編集(文体変更・文章追加・画像整理)

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category: わたらせ渓谷鐵道1日目 29話

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