hmdの鐵たびブログ ローカル線の旅

のんびりローカル線の鉄道旅を、写真を中心に「見る紀行文」で長期連載しています。

【199】あかがねの鉄路を追って・・・わたらせ渓谷鐡道(7)神戸駅[その1]駅舎本屋と駅前。  




朝の7時42分。起点の桐生駅から、所要時間約1時間で、神戸駅(ごうど-)に到着する。
東中学校(あずま-)の子供達が、運転士に挨拶をしながら元気良く下車した後に、
陽が昇った清々しい朝の下り1番線ホームに降りる。
この駅での列車交換は無く、乗車してきた列車は、1分後に発車して行く。

IMGP2233_2016011322204210e.jpg
(神戸駅を発車する下り間藤行き列車。)

わたらせ渓谷鐡道は、路線キロ44.1kmの長い盲腸線のローカル線になっている。
今旅では、沿線の下車観光もじっくり楽しむ為、今日は沿線南側の桐生〜神戸間、
明日の2日目は、沿線北側の神戸〜間藤間のふたつに分けて、周遊する予定だ。
今日は、この神戸駅までとなり、再び、桐生方に引き返す事にする。

この神戸駅は、わたらせ渓谷鐡道の主要途中駅のひとつであり、
全線の列車運行上でも、路線のほぼ中間地点にある事から、
大間々駅(おおまま-)に次いで、重要な駅になっている。
また、駅自体の見所や周辺に多くの観光名所があり、
ポスターやテレビの旅番組で必ず紹介されるので、沿線で最も有名な駅になっている。

駅の開業は、足尾鐡道開通時の大正元年(1912年)9月になり、
北東南西に配された、相対式ホーム二面二線の列車交換可能駅で、
間藤方に保線車両の引込線が1本ある。
国鉄時代は、単式ホームと島式ホームの二面三線の配置だったそうだ。
起点の桐生駅からは11駅目、26.4km地点、所要時間は約1時間で、
本社や車両区のある大間々駅(おおまま-)からは、約40分になる。
所在地は、みどり市東町神戸(あずままちごうど)、標高336mにある。



先ずは、駅構内北側の下り1番線ホームに面した、駅舎を見てみよう。
勿論、大正元年(1912年)の足尾鐡道開業当時の木造駅舎で、
下り1番線ホームと共に、国の登録有形文化財になっている。
なお、改札口は撤去され、サイド部の鉄製ポールだけが残っている。


(ホーム側からの駅舎本屋と改札口。)
IMGP2271.jpg
(改札口。)

待合室に入ると・・・約8畳の広さがあり、改修がされているが、往年の雰囲気が残る。
間藤方の窓に沿って、コの字の小さな木造ベンチが据え付けられている。
天井はやや低く、白ペンキで厚塗りされた民家風の竿縁天井(さおぶち-)で、
蛍光灯の奥に四角蓋のストーブ排煙口がある。

IMGP2263.jpg
(待合室とコの字ベンチ。)
IMGP2265.jpg
(竿縁天井とストーブ排煙口。)

向かいの駅事務室は改装されているが、出札口らしい窓口が一部残っている。
現在、駅事務室は「神戸・山の幸ステーションはなもも」として、
観光案内、地元農産物や土産品の即売所として、週末や祝日に利用されているそうだ。

IMGP2264.jpg
(駅事務室跡。)

なお、週末や観光シーズンには、スタッフが日中居るが、基本的に無人駅である。
取り扱い時間は限定されているが、自動券売機も設置されており、
時間外は路線バスと同様に、乗車時に整理券を取るワンマン乗車方式となる。
駅時刻表を見ると、上下列車共に1時間に1本であるが、列車が無い時間帯もある。


(自動券売機。)

(駅時刻表。)

駅前に出てみよう。この駅は、駅出入口側が、往年の雰囲気を一番残している。
間藤方に駅舎本屋、桐生方に小屋が並んで建てられている。
どちらも、本瓦葺きではなく、コンクリート瓦葺きの木造切妻平屋建てである。

IMGP2261_20120613091101_2016011322160186b.jpg
(駅出入口周辺。)
IMGP2268_20160113221612455.jpg
(駅舎本屋全景。)

本屋前には、東町(あずままち)のアルファベットAをかたどった記念碑がある。
これは、平成6年(1994年)8月23日に、皇太子殿下と妃殿下が、わたらせ渓谷鐡道に乗車し、
この駅に訪問した記念に建立されたものだそうだ。
なお、松の木があったそうだが、文化財の駅舎を保護する為、伐採されている。


(皇太子殿下妃殿下わたらせ渓谷鐵道乗車記念碑。)

このブリキ製駅名標の掲げ方も、国鉄時代を思い起こさせる古いもので、良く見ると・・・
神戸の「戸」が、「土」に上書きされているのが判る。
この駅も、相老駅(あいおい-)と同様に東海道本線神戸駅と錯誤を防ぐ為、漢字を置き換えた。
第三セクター転換時に、相老駅は変更されなかったが、この駅は本来の「神戸」に戻されたそうだ。


(ブリキの駅名標。)

駅舎本屋の桐生方並びには、乗務員の休憩所があり、国の登録有形文化財に指定されている。
現在、この駅での夜間滞泊は無いが、臨時列車運行時や週末等のイベントスタッフの為に、
使っているそうだ。


(乗務員休憩所。2012年春、社員専用駐車場の看板が外されて、外壁が補修された。)

駅前は大変広く、大型観光バスもUターン出来、無料市営駐車場もある。
駅の向かいに、古い昭和風駅前旅館があり、旅館・食堂兼たばこ販売所らしいが、
廃業している様子だ。
また、駅前に急な崖が聳えており、渡良瀬川沿いの低い場所に駅がある。


(駅前には、昭和な駅前旅館がある。)

(東村時代の納税啓蒙看板だろう。イラストも味が出ている。)

暫く見学していると、富弘美術館方面に連絡している、路線バスがやって来た。
今度は、ホームを見てみよう。


(赤城観光バスと神戸駅。)

◆国登録有形文化財リスト◆
「わたらせ渓谷鐡道神戸駅本屋および下り線プラットホーム」
所在地群馬県みどり市東町神戸886-1 他
登録日平成21年(2009年)11月2日
登録番号10-0282
年代大正元年(1912年)、大正12年(1923年)増設、
昭和5年(1930年)と昭和30年(1955年)頃改修。
構造形式[本屋]木造平屋建、瓦葺一部鉄板葺、建築面積81㎡。
渡上屋及び梯子上屋付、[プラットホーム]石造、延長134m。
特記桁行13m・梁間3.7mの木造平屋建、東西棟の切妻造セメント瓦葺。
ポイント切替装置を置く梃子上屋を西方に付属、
南に間知石練積のプラットホームを配する。
当初の規格駅舎が基本的に残り、時代の雰囲気を伝える。
(文化庁公式ページの国指定文化財等データベースを参照・編集。)

「わたらせ渓谷鐡道神戸駅休憩所」
所在地群馬県みどり市東町神戸886-1
登録日平成21年(2009年)11月2日
登録番号10-0283
年代昭和3年(1928年)
構造形式木造平屋建、瓦葺、建築面積17㎡。
特記梃子上屋の北、本屋の西方に続く木造平屋建。
桁行4.6m・梁間3.6m、東西棟の切妻造セメント瓦葺。
竪板壁とし、本屋側に出入口、西・北面に引違い窓を開ける。
内部には六畳の休憩室などを設ける。
職員の休憩等の為に、本屋と一体的に使用される施設。
(文化庁公式ページの国指定文化財等データベースを参照・編集。)



にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道旅行へ

2016年1月13日再編集
2016年12月7日再編集(文体変更・文章追加・画像整理)

© hmd all rights reserved.
記事や画像の転載、複製、商業利用等は固くお断り致します。

category: わたらせ渓谷鐵道1日目 29話

thread: 鉄道旅行 - janre: 旅行

tb: --   cm: --