hmdの鐵たびブログ ローカル線の旅

のんびりローカル線の鉄道旅を、写真を中心に「見る紀行文」で長期連載しています。

【184】信州松代、あるローカル線の最後の秋に訪ねて・・・長野電鉄屋代線(29・最終回) 乗り納め編  


蕎麦屋で、茶をしながら一服し、おもむろに旅程表を眺める・・・
時刻は14時を過ぎた所、まだ時間があるので、
最後に純粋な乗り鉄で屋代線を往復し、この旅の締めにしたいと思う。
会計を済ませ、再び、松代駅西の市営駐車場に駐車、駅に向かおう。

昼下がりの松代駅は静かに佇み、小さな女の子が、母親と電車を見にやって来ている。
これも、のんびりとしたローカル線の風景で、微笑ましい光景だ。

IMGP8438.jpg
IMGP8006.jpg

正面出入口上に掲げられた青色の駅名標は、一度見ると、とても印象に残る。
先程、立ち寄った造酒屋の広告が入った電光式であるが、夜間点灯はしていないそうだ。

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
【最終乗車経路1】◆→折り返し乗車。長電フリー乗車券利用の為、そのまま折り返し。
全て、長野電鉄3500系O1編成(2両編成)、車番(屋代方+須坂方)3531+3521。
松代1447==下り417列車==1501屋代◆1513==上り418列車==1549須坂◆
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

松代駅の改札を通り、構内踏切を渡って、2番線ホームに向かおう。
空はまだ明るいが、雲とやや強い風が出てきており、体感温度も下がる。
どうやら、緩やかに下り坂の天気の模様だ。

IMGP8491.jpg

遠くの踏切の警報音、駅の構内踏切と接近警報機が順に鳴り、屋代行き電車がやって来る。
幸運にも、屋代線用のトップナンバーO1編成(車番3531+3521)である。
この松代駅は有人駅なので、ホーム側の全てのドアが開き、数人の乗降がある。

車端部にある車内プレートを確認すると、昭和38年(1963年)製造、
今は無き鉄道車両メーカーの東京汽車製造となっている。

IMGP8502.jpg

大きなエアー排気音とガラガラと音を立ててドアを閉め、定刻に発車する。
なお、車両床下のコンプレッサーで作られる圧縮空気は、メインのブレーキ圧力伝達の他、
ドアの開閉装置、パンタグラフ上昇・下降装置や警笛にも使われている。
その為、ドアの開閉時にも、エアー排気音が聞こえる事があり、古い車両は音が大きい。

締めの通し乗り鉄なので、撮影やメモはせず、本来の乗り鉄に徹する。
懐かしい感じのモーター上昇音や独特な短尺レールのジョイント音を刻むのを聞きながら、
屋代方に走って行く。
最新型電車には無い、スプリングが効いた厚ぼったいシートが上下に揺れるのも心地良く、
ヒーターの熱が、じんわりとシートを通じて昇って来るのも、心地良い眠気を誘う・・・。

時刻も15時近くになり、車内は学校や買い物等のからの帰りの人、観光客が多い。
折り返しの屋代駅からの乗客は少ないが、大きな観光地である松代駅から、
須坂方面への帰りの観光客が大勢乗り込み、日中よりも車内は賑やかになっている。
上り列車・下り列車共に、30-40人位の乗客である。

松代の住宅地を抜けると、右手に大きな白い崖が見える山裾脇を、真っ直ぐに走る。
金井山の大カーブを曲がり、大室駅付近の大きなアップダウンとふたつの短いトンネルを過ぎると、
平坦な広々とした田園街風景の中を、気持良く快走する。

綿内駅で列車交換を行い、そのまま大勢の乗客を乗せて、15時49分に折り返し駅の須坂駅に到着。
乗客は各々、改札口や隣の長野方面行ホームに向かって行く。

約40分の折り返し待ち時間に、特急「ゆけむり」と「スノーモンキー」の列車交換や
夕陽に輝くステンレス車を見る事が出来、これは、記念に撮影しておこう。

IMGP8651.jpg
(16時23分、下り13B列車B特急・1000系「ゆけむり」信州中野行き(左側1番線)と、
   上り14A列車A特急・2100系「スノーモンキー」長野行きが、列車交換をする。
   上り長野行きが先発、下り信州中野行きも、警笛を鳴らして続いて発車する。)
IMGP8626_20120316214538.jpg
(夕陽が、”ふるつわもの”の車両達を照らす。
   手前ホーム側から、長野電鉄3500系O1編成、2000系A編成、10系OS11編成。)
IMGP8635_201601130617226f8.jpg
(車両区電留線に留置される長野電鉄3500系N5編成。N編成は本線で運用されている。
   夕陽に照らされた、コルゲートの明暗が美しく、うっとりと見入ってしまう。
   この編成は、冷房化されているが、冷房化されていない編成もある。)

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
【最終乗車経路2】◆→折り返し乗車。長電フリー乗車券利用の為、そのまま折り返し。
全て、長野電鉄3500系O1編成(2両編成)、車番(屋代方+須坂方)3531+3521。
◆須坂1635==下り421列車==1714屋代◆1727==上り422列車==1740松代
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

夕暮れ始めた中、須坂駅16時35分発の電車が、屋代に向けて折り返し発車する。
乗客は30人程、途中の若穂駅に着く頃には、陽が山際に入り、急速に暗くなって行く。
また、小さな無人駅である若穂駅で、かなり大勢の乗客が降り、意外と驚く。
この周辺は、長野や須坂のベッドタウンらしい。

この先、車内は閑散となり、途中の松代駅でも数人の乗降客のみで、
10人から15人程度の乗客数になる。
どうやら、日没後の夜間になると、利用客が激減する模様だ。
そして、雨宮駅付近を走行中の17時10分頃に、完全日没となる。

少し薄暗い照明の屋代駅5番線ホームに、17時14分に到着。
乗客は運転士に運賃を支払い、コツコツと木造跨線橋の階段を登って行く。
折り返し待ちの間に、木造待合室から車両を眺めたりする・・・。

IMGP8673.jpg
IMGP8685.jpg

定刻の13分後に折り返し発車、17時40分に松代駅に到着し、下車する。
全線1往復と屋代駅から松代駅間を1往復して、この屋代線の旅も終わりにしよう。

ホームには、ひんやりとした風が吹き、信州の晩秋らしい夜となっている。
30分間程、夜のホームや待合室のベンチに佇んだ後、
この二日間で、すっかり顔馴染みになった駅長氏から、硬券入場券を記念に購入。
お礼と駅長氏へ長年勤務の労いの言葉を送り、長電フリー乗車券を訪問記念に貰って帰る事にする。

IMGP8698.jpg
IMGP2929.jpg

駅長氏から、切符の入鋏(にゅうきょう※)をするか聞かれ、入れて貰う事にする。
この入鋏を実施する駅も、今では少なくなった。
昔、うちの近くの国鉄駅では、改札係が改札口での待機中に、
「タンタン、タタン、タンタン」と改札鋏でリズムを取っていたのが、懐かしい。

なお、この松代駅と信濃川田駅、綿内駅の木造駅舎は、
観光施設も兼ねて保存する方針で、大変嬉しい。
信濃川田駅は、特急用の2000系電車や屋代線用3500系電車など、
引退した長野電鉄の車両をホームに展示した、鉄道公園の計画もあるそうだ。

屋代線前身の河東線開業の1922年(大正11年)から2012年(平成24年)まで、
丁度、開業90周年であった。
またひとつ、ローカル鉄道の鉄路が消えゆくのは寂しい限りであるが、
富国強兵の戦前、動乱の戦中、戦後の高度成長を支え、
日本と地元の発展や輸送の為に活躍してきた事に感謝したい。

これにて、屋代線とお別れになる。
最後の秋に訪問するチャンスがあり、本当に良かったと思う。

IMGP86964.jpg

駅出入り口の引き戸を開け、カラカラと、ゆっくりと締める・・・。

(終)

信州松代観光情報(松代観光推進機構事務局・松代まち歩きセンター公式HP)
※新潟県十日町市にも松代がありますので、ご注意下さい。

長野電鉄公式HP
※屋代線は廃止されていますので、ご注意下さい。バスが代わりに運行されています。



◆長野電鉄屋代線二日目の乗車記録◆

下り列車3本、上り列車4本に乗車。二日目は、松代-屋代間に訪問。

【駅訪問】
3駅(東屋代、屋代、岩野)※うち、木造駅は2駅。岩野駅は車で訪問。

【途中下車観光】
2カ所(松代と屋代6時間・昼食時間含む)※屋代へは、自家用車で往復。

【グルメ】
[間食・つたや本店/松代 国道403号線沿い] 
・茄子おやき(120円) 
[昼食・和座季楽 象山亭/松代 象山神社近く] 
・長芋とろろそば(1,050円+大盛り210円) 

【運賃】
長電フリー乗車券(二日間有効・大人2,260円、一日あたり1,130円)

【時刻表】
屋代0647 上り402列車・須坂行き
0649
東屋代0712 下り405列車・屋代行き ※木造駅舎見学
0715
屋代0812 上り408列車・須坂行き ※木造待合室・木造旅客上屋見学
0825
松代1447 下り417列車・屋代行き ※松代歴史名所観光(二日目)・森将軍塚古墳見学
1501
屋代1513 上り418列車・須坂行き
1549
須坂1635 下り421列車・屋代行き
1714
屋代1727 上り422列車・須坂行き
1740
松代(延泊した為、翌日に帰宅。)



にほんブログ村 鉄道ブログ 鉄道旅行へ

(※)入鋏(にゅうきょう)
改札や検札した際、改札済みとして、改札鋏という専用の鋏で切符の一部を切り取ること。
切り取りの歯形も種類があり、駅や時間帯に依って使い分けたりもする。
最近は、自動改札の普及や省略、スタンプ化等で使わなくなってきている。

2016年1月13日再編集
2016年8月25日再編集(文体変更・文章追加・画像整理)

© hmd all rights reserved.
記事や画像の転載、複製、商用利用等は固くお断り致します。

category: 長野電鉄屋代線2日目 9話

thread: 鉄道旅行 - janre: 旅行

tb: --   cm: --