hmdの鐵たびブログ ローカル線の旅

のんびりローカル線の鉄道旅を、写真を中心に「見る紀行文」で長期連載しています。

【18】南アルプスとアプト式山岳鉄道を訪ねて・・・大井川鐵道井川線(3)アプトいちしろ駅から、奥大井湖上駅へ。  


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【停車駅】 #→アプト式区間 〓→主な鉄橋
アプトいちしろ1406####長島ダム=ひらんだ=〓1426奥大井湖上
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トンネルを抜けると、直ぐに、コンクリート橋で大井川の西岸に渡る。
振動も少なく、意外と急坂を感じ無いのだが、後方を見ると、急勾配が良く判る。
速度は、自転車並みの速さなので、この絶景も堪能出来る。
なお、このアプト区間には、三つのトンネル、ロックシェッドとコンクリート橋梁がある。

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(上流方向。)
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(ロックシェッドを潜ると、編成が良く見えるカーブに差し掛かる。)
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(下流方向。聳え立つ山には、所々に山桜が咲いている。)

アプト式電気機関車ED90形一両で、DD20形1両と客車7両を押し上げる事が可能で、
重連で最大二編成分、DD20形2両と客車14両まで、一度に対応出来る。
定格速度は時速14km、急坂を安全に下りる為に五種のブレーキシステムを搭載し、
停電時でも、時速5kmで安全に降坂出来る様になっているそうだ。
また、この区間では、DD20形のエンジンはアイドリング状態になり、無動力になる。

ロックシェッドを潜り、二つ目のトンネルを抜けると、
スクエアな格好良いデザインである、大井川で最大級の長島ダムが右手に見えて来る。
中部電力の発電用ダムではなく、治水や利水目的の国土交通省直轄多目的ダムである。
手前にしぶき橋と言う橋が架かっていて、両岸にある放水口からの放水時には、飛沫が掛かるそうだ。

平成14年(2002年)竣工、高さ109m、幅308mの重力式コンクリートダムで、
この巨大なダム本体のコンクリート打ち込みには、10年掛かったとの事。

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新線の付け替え時は、そのまま通過出来るループトンネル案が検討されたが、
景観が良く、観光の目玉になる事や建設期間が短い理由から、このアプト式の採用になった。
また、姉妹鉄道のブリエンツ・ロートホルン鉄道が、全線アプト式鉄道であり、
それも参考になったそうだ。大井川鐡道らしい選択と思う。

ダム本体前のしぶき橋左岸の土手の下には、旧線の第18番トンネル「寄倉トンネル」が、
三分の一程度残っており、遊歩道になっている。
また、アプトいちしろ駅側にも、二本のトンネルが遊歩道として残っており、
徒歩30分程度で、アプトいちしろ駅まで行くことが出来る(但し、照明設備は無し)。

三つ目のトンネルを抜け、急坂が緩くなってくると、巨大な法面の上にある長島ダム駅が見えてくる。
先に千頭行きの列車が到着している様だ。線路下には、県道388号線と観光用駐車場がある。
駅開業は、アプト新線切替時の平成2年(1990年)10月、起点の千頭駅から11.4km、
所要時間約51分、所在地は榛原郡(はいばら-)川根本町犬間、
海抜485mになり、千頭駅から187m登って来た事になる。
なお、アプト式電気機関車の付替えを行う為、係員が居るが、駅員は終日無人となっている。

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ここで、アプト式電気機関車ED902の切り離しと、列車交換を行う。
千頭行きには、「らんまん」と言う手作りヘッドマークが付いており、展望車両も連結されている。
展望デッキがある車両は、平成13年(2001年)に新造されたスロフ316で、
ベンチは川側に向けて設置されており、気持ち良さそうだ。

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(開放展望客車のスロフ316は、1両の半分が展望室の半室合造車である。)

押し上げてきたED902を千頭行き列車に付け替え、今度はブレーキ役として活躍する。
最後尾は制御客車のクハ600形で、アプト式電気機関車ED90形も遠隔制御出来る。

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(千頭方には、電気機関車の留置線もある。)
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(井川方の制御客車クハ600形。)

この井川行き列車も、14時18分に4分程遅れて、同時に発車する。
発車して直ぐに第19号トンネルに入り、トンネル内のポイントで、単線に纏まる。
トンネルを出るとデッキガーター鉄橋をカーブしながら渡り、再び、短いトンネルに入る。

短いトンネルを抜けると、高い場所から、ダム湖の接岨湖(せっそ-)が右に見えて来る。
春の雪解け水が怒涛の様に満水であり、コバルトの水色が日差しに反射して、とても綺麗だ。
ひらんだ駅付近の護岸の下には、旧線の川根唐沢駅があったと車掌からアナウンスがあり、
現在、カヌー競技場として使われているそうだ。

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ひらんだ駅を発車後、第21号トンネルである長い平田トンネルを抜け、有名な奥大井湖上駅に進む。
幅100m程の細長い半島状の地形を前後二本の大鉄橋に挟まれているこの駅は、
井川線のハイライトのひとつになっており、タイフォンを一声鳴らして、
巨大なアンダートラス鉄橋を渡って行く。

この奥大井レインボーブリッジは、下流側は長さ280m、上流側は195mで高さは70mある。
ホームの一部が下流側にかかり、上流側には、歩道も線路に平行して設置されている。
ちなみに、レインボーブリッジの名前は某湾のものより、こちらが元祖だ。

ウィキペディア公開ファイル 奥大井湖上駅 大俯瞰(1.5Mbyte)※乗車時は撮影困難な為。

1_IMGP1523.jpg


(グーグルマップストリートビュー・奥大井湖上駅遠望)

新線区間の新しい駅だが、「中部の駅100選」にも選ばれ、紅葉の名所にもなっている。
ホームには記念の鐘が・・・駅周辺には、ハイキングコースや展望台もあり、
駅から対岸に旧線のトンネル跡や鉄橋跡を見る事も出来る。
なお、駅の標高は490mで、長島ダム駅から5mしか登っていないので、
長島ダム駅から奥大井湖上駅の2.5kmは、平均2‰とほぼ平坦線となっている。

また、上流側のレインボーブリッジの歩道を通って、隣駅の接阻峡温泉駅を結ぶ
ハイキングコース(片道50分)があるが、この鉄橋を渡るのには、度胸が必要だろう。

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なお、アプト新線以前の旧線区間は、大井川の川底に沿って線路が敷設されていたので、
奥大井湖上駅手前までは、アプト新線よりも南側を走っていた。
この区間の路線キロは約5.8km、途中停車駅は3駅、トンネルは16番から26番の11本で、
大加島仮乗降場手前の第二大井川橋梁で、大井川の東岸から西岸に渡っていた。
なお、アプト新線になってからは、トンネルは8本に減っている。
また、湖水の少ない時期は、旧線が現れる事がある。

◆旧線区間の駅◆

川根市代(現・アプトいちしろ駅南付近)

大加島 仮乗降場。昭和56年(1981年)追加設置。長島ダム下のしぶき橋南側対岸付近。

川根唐沢 ひらんだ駅下の水辺付近。12.1km地点。

犬間 平田トンネル井川方出口の南付近にあり、満水時は水没するらしい。13.1km地点。

川根長嶋(現・接岨峡温泉)

※大加島仮乗降場以外の各駅は、昭和34年(1959年)8月に開業。



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2016年1月20日再編集
2016年5月31日再編集(文体変更・画像整理)

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category: 南アルプス井川線紀行 全4話

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