hmdの鐵たびブログ ローカル線の旅

のんびりローカル線の鉄道旅を、写真を中心に「見る紀行文」で長期連載しています。

【157】信州松代、あるローカル線の最後の秋を訪ねて・・・長野電鉄屋代線(2)信濃川田駅 前編  



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【停車駅】◇→列車交換可能駅、】【→トンネル、][→高速道路アンダーパス
松代◇701==][==金井山==】【=大室=】【==711信濃川田◇
上り404列車・須坂行き(長野電鉄3500系2両編成)
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下り屋代行き電車が先発した後、定刻通りに発車。
古く懐かしいモーターの上昇音と共に、左に緩やかな弧を描く様にカーブする。
スプリングポイントのトングレールを、ガシャリと押しながら越え、
その先の小道の踏切を越えると、左右の住宅地の中の緩い登り坂が続いている。

上信越自動車道の長野インター横を過ぎ、高速道路のコンクリート高架橋を潜ると、
直線の線路を徐々にスピードを上げて、走って行く。
松代の市街地を離れるに従って、林檎の果樹園や畑が目立つ。

尖った山裾を回り込む、90度近い右大カーブ先にある金井山駅(かないやまえき)、
ふたつの短いトンネルの間にある大室駅(おおむろえき)に停車。
この付近は、千曲川(ちくまがわ)と山に挟まれた狭い平地を、
谷街道と言われた、国道403号線と共に並走している区間になる。

また、古い短尺レールが、かなり使われており、車両一両の長さよりも短い。
その為、ジョイント音も、一定の間があるリズミカルな音では無く、
「パタン、パタン、パタン、パタン」と、畳み掛ける様に連続して聞こえるのが特徴だ。
昔の鉄道の音であり、今とは違う印象を強く感じる。



家々が点在する、果樹園と畑が広がる長閑な山国の朝焼けの中を走り、
乗車10分程で、信濃川田駅(しなのかわだ-)の1番線ホームに到着。
下車は自分だけで、地元住民と通学の高校生達が、四、五人乗車する。

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この信濃川田駅は、長野市若穂川田(わかほかわだ)にある、列車交換が出来る無人駅で、
屋代駅から8駅目、15.7km地点、所要時間は約23分になる。
長野電鉄前身の河東鉄道(かとう-)の駅として、当初の9ヶ月間は町川田駅の駅名で、
屋代駅-須坂駅間の開通時の大正11年(1922年)6月に開業した。
なお、開業から4年後に、長野電気鉄道を合併し、長野電鉄に社名変更をしている。

ホームの嵩上げもされており、現在の高さは電車用の1,040mmになっている。
開業当時は、蒸気機関車牽引の客車列車が走ったそうだが、
合併直前の大正15年(1926年)1月に、早々と電化されたそうだ。

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(構内踏切から、駅舎と下り1番線ホーム。)

駅舎向かいの上り2番線ホーム・山側は、近くに川が流れ、田畑が広がっている。
下り1番線ホーム・駅舎側は、国道、住宅や郵便局が集まっており、
駅前に広大な空き地があるので、昔は、大規模な貨物取扱いがあったかもしれない。


(国土地理院 国土電子web・信濃川田駅跡。)

向こうの山の頂きは、妙徳山と言う山で、標高は1,294mある。
南北に連なって見える尾根が、長野市と須坂市の境になっているそうだ。
なお、長野の周辺の山は、標高350m前後の盆地部から一気に1,000m近く上がる為、
山々に囲まれた底に有る様な印象を感じる。

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(信濃川田駅全景と妙徳山。)

ホームは東西に配置され、やや短い60m級の相対式二面二線と、
東側の須坂方に、スロープ・警報機・遮断機付きの構内踏切と側線がある。

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(構内踏切。)

駅舎側の須坂方には、貨物側線一本と大きな貨物ホーム跡が残っており、
本線ホーム擁壁と同じ組み方で、開業当時のものと思われる。
現在は、レール置き場兼積み込み場になっている様だ。

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(須坂方の貨物ホーム跡。)

須坂方は100m程走ると、1番線が本線と成っている片開きポイントで、線路が纏まり、
小さなプレートガーダー鉄橋が架かる川を渡る。

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西の松代・屋代方は、ホームの一部に切り欠けがあり、此方にも、側線があった模様だ。
須坂方の貨物ホームよりは、新しい感じがするが、レールは撤去されている。

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(松代・屋代方。)
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(屋代方の貨物ホーム。)

ホーム横には、掘っ立て小屋の様なブリキ倉庫が・・・今でも、使われているのだろうか。

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2番線ホームの屋代方並びには、木造保線小屋もあり、良い感じで残っている。
右に行くほど、屋根が並んで段々と低くなり、煙突がひょこり付いているのが、面白い。

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山側には、千曲川の支流の赤野田川が流れ、せせらぎの音がホームまで大きく響いている。
朝日と共に、信州のとても清々しい朝を感じる。

先程、乗車した際に、レールのジョイント音が気になったので、レールを観察すると・・・
短冊型継目板、長さ30フィート(約9.14m)の30kgレールの様である。
もちろん、開業当時の大正時代の輸入レールと思われる。

最近のローカル線は、主要幹線と同等の50kg、または、60kgレールを使っており、
メートル当たりの重量は約半分相当するので、高さも低く、かなり華奢に見える。
30kgレールと言うと、国際的には、鉱山や工事用の軽レールに該当し、
国鉄ローカル線で昔使われていた37kgレールよりも細く、現役では大変珍しい。

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(赤い矢印が、レールのジョイント部。クリックすると拡大。1380*652pixel、460kbyte。)

暫くすると・・・「カンカンカン」と、構内踏切が鳴り始める。
朝日と朝霧の中、7時23分発の下り407列車・屋代行き電車が、やって来た。
上り列車との列車交換は無く、直ぐに、発車して行く。
ホーム後ろには、大きな桜の老木が並び、春はとても綺麗だろう。

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グーグルマップの線路部分は、廃線の為に削除されています。
駅の所在地は正しいので、参考程度として下さい。

(※WN平行カルダン駆動)
WN継手という部品を介して、モーターと車軸を繋ぎ、駆動させる方式。
モーターは大重量部品の為、高出力・高速運転をすると、重量や振動で線路破壊を起こしたり、
レールのジョイント部通過や連結器の衝撃で、モーターが破壊される危険がある。
この部品を付ける事によって、高出力・高速運転に耐え、モーター配置の最適化が出来る。
「平行」とは、モーターが車軸に対して平行で、従来のカルダン(自在継手)駆動の直角配置より、
重量バランスが良くなる。主に地下鉄、新幹線、JR西日本、私鉄の車両で採用されている。
(※バーニア抵抗制御)
主抵抗器に電流を通した後に、副抵抗器(バーニア抵抗器)を通して、
より細かなモーター電圧制御が行える、超多段電圧制御方式のこと。
トルクの変動を抑え、滑らかな加減速が得られる長所があり、
VVVF(スリーブイエフ)インバータ制御方式が普及する前までは、
日本国内の電車や電気機関車の殆どに採用された。

2016年1月13日再編集
2016年8月8日再編集(文体変更・文章追加・画像整理)
2016年12月28日再編集(画像露出アンダーの為、全画像再処理入れ替え)

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category: 長野電鉄屋代線1日目 20話

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