hmdの鐵たびブログ ローカル線の旅

のんびりローカル線の鉄道旅を、写真を中心に「見る紀行文」で長期連載しています。

【149】遠州湖北と国鉄遺産を訪ねて、再訪。・・・天竜浜名湖鉄道(52)浜名湖佐久米駅 後半の部  


気船場踏切を渡って、浜名湖佐久米駅に戻ろう。
駅前は広いスペースがあり、西隣には、公民館も併設されている。

駅出入口の幅の広いコンクリート階段を上がって、駅舎に入る。
タイルの縁取り装飾は、色が緑色なので、珍しいかもしれない。
元々、かなり大きな両開き吊り引き戸があったらしく、床にレールも残っている。
現在は、ふた回り小さなサッシ引き戸に交換されており、サイズが大幅に違う為、
その差を壁で埋めているのが、面白い。

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(浜名湖佐久米駅出入口。横の扉は喫茶店の出入口である。)

東名高速道路の高架橋が正面に見える十畳程の待合室は、
天井が高い為か意外と広く感じ、床はコンクリートの流し込みになっている。
西側には、幅一杯の木造ベンチがあり、全面サッシガラスの縦型窓で明るい。
なお、南側の窓だけ、古い木枠ガラス窓が残っている。

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(待合室。出入口の横には、投句箱や鏡も掛けられている。)

この浜名湖佐久米駅は、国鉄時代の昭和45年(1970年)に無人駅化されている。
現在、喫茶店「かとれあ」がテナントで入っているので、
駅事務室、出札口、鉄道小荷物窓口は改装され、その形跡は全く無い。
天竜浜名湖鉄道公式HP内「観光スポット・かとれあ/浜名湖佐久米駅」

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この駅は、冬のシーズンには、ユリカモメがやって来る駅で、
天浜線の観光ポスターにも良く掲載されている。
今では、新聞や地元テレビ等でも紹介されて、大変有名になっている。
喫茶店「かとれあ」のオーナーが、12月から2月上旬にかけて、毎日二回、餌付けをしているそうだ。

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(ゆりかもめ。東京湾でも見られる、ポピュラーなカモメである。)

丁度、オーナーが餌付けをしているので、挨拶をして、近くで見学させて貰おう。
餌は、サンドイッチの切り落とした食パンの耳で、地元のパン屋から調達しているとの事。
今日の来訪羽数を尋ねた所、200羽位だそうで、最も多い日は、この約三倍も来るそうだ。
なお、寒い程、海で捕食する魚が不足する為、来訪羽数が多くなる。

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(人馴れしており、間近で見られる。丁度、堤防上が止まり木代わりになってる。)

渡り鳥のゆりかもめは、冬場になると、北の海から暖かい南の海に南下し、
体長は30-40cm、夏は頭が黒くなり、冬は白くなる。
また、統率が取れているので、群れのリーダーがいるのかもしれないとの事。
なお、若い鳥は足の色が肌色で、歳を取る程、赤黒くなる体色の変化があり、
個体の識別は難しいが、5年間位、此処に通うカモメも確認しているそうだ。

上り126列車・掛川行き10時52分発が到着し、直ぐに発車して行く。
餌を啄むのに一生懸命になり、大きさや音も大きい気動車には、
全く驚いていない様子で、慣れたものである。

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(掛川行き126列車と乱舞するゆりかもめ。)

これで、午前の餌やりの時間が終了し、午後に、もう一回行うとの事。
オーナーから、「もっと、寒くなったら、また来てよ。」と言われ、お別れする。

落ち着いたので、ホームの見学をしよう。
改札柵(ラッチ)は、取り外されており、近代化工事がされているので、階段がある。
コンクリートが真新しいので、最近の工事の様だ。

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(改札周辺。)

国鉄風デザインの建植式駅名標が、東西に各一箇所建っている。
東側は普通の高さだが、西側は超短足仕様になっている。
なお、昭和62年(1987年)の第三セクター後に、浜名湖の名称が駅名に追加され、
平成17年(2005年)の市町村合併後のシール訂正がされていないので、最近、新調された模様だ。

また、佐久米の地名は、佐久は地形が尖った場所、米は集落を表すそうだ。
東名高速道路浜名湖サービスエリア付近も、字(あざな)は佐久米になり、
地形が富士山形に尖っているので、此処の事を指しているらしい。

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(ホーム西側の建て植え式駅名標。)

東側の天竜二俣方は、ホームの一部に橋梁が掛かり、
ホーム上もコンクリート板を渡してある。なお、安全の為、末端部は立入禁止である。
この先は、直線区間が暫く続き、500m先の警報機がある踏切付近から、
寸座峠を越える登り坂が始まる。

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(天竜二俣方。)

新所原方は、客車ホームの盛土のままになっており、
直ぐに、東名高速道路の巨大な高架橋を潜り、西の佐久米峠の急坂を登って行く。
こちら側の末端部も、立入禁止になっている。

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(新所原方。)

ホームは、半径400mのカーブの途中にあり、緩やかに曲がっている。
全長は少し長い感じで約100m、4-5両編成位が停まれる感じだ。

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(ホーム全景。)

旅客上屋は、古い木造屋根をモスグリーンの円形鉄柱で支えており、
トタンはストレート葺きではなく、天竜二俣駅と同じ昔からの板張り葺きである。
ホーム中央部は、アスファルトで嵩上げがされており、大きな段差がある。
テナントのかとれあの窓にも、可愛らしいカモメマークが付いている。

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秋としては、暖かな陽気の中、下り列車を待つ事にしよう。
次は、11時35分発の新所原行きになる。

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ユリカモメの餌付けの時間は、冬の来訪シーズンのみで、
浜名湖佐久米駅の10時台と14時台発着の列車に合わせて行われる。
列車の車内からも見学が出来るが、停車時間は1分程度なので、
1本前の列車で駅に訪問した方が、ゆっくりと間近で見学出来る。
喫茶店かとれあの定休日でも、実施するとの事。
また、餌を100円で販売しており、自分で餌付け体験も出来る。
駅前に数台駐車も可能。
(その年の詳細は、天竜浜名湖鉄道まで要確認。)



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【謝意】
喫茶店かとれあさんのオーナーさまより、ブログ掲載の許可を頂いております。
厚く御礼申し上げます。
なお、近影の掲載は未承諾ですので、非公開とさせて頂きました。

2016年1月12日再編集
2016年7月28日再編集(文体変更・文章追加・画像整理)

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category: 天竜浜名湖鉄道再訪編 13話

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