hmdの鐵たびブログ ローカル線の旅

のんびりローカル線の鉄道旅を、写真を中心に「見る紀行文」で長期連載しています。

【148】遠州湖北と国鉄遺産を訪ねて 再訪。・・・天竜浜名湖鉄道(51)浜名湖佐久米駅 前半の部  


10時前になると、地元の七十代と思われる年配女性が、駅にやって来る。
挨拶をして、駅やこの付近の気候風土等の話を伺う。
なお、ローカル線の小さな駅では、他所者がカメラを持ってウロウロしていると、
不審に思われるので、地元の人には挨拶をしよう。

待合室のガラスの話や引佐細江の荒れの様子、年間を通じて暖かで過ごし易い気候風土、
冬場は季節風が強い等の話を、短い時間でありながら、聞けた。
地元の方との交流も、ローカル線の旅の醍醐味でもある。
10時02分発の上り124列車・掛川行きに乗車するとの事で、礼を丁寧に言って、見送る。

見送りの後、下り新所原行き列車の待ち時間が1時間程あるので、
駅前のバス時刻表を見ようと、バス停に向かった所・・・
三ヶ日(みっかび)行きの路線バスが、急坂を登って来た。
丁度良いので、このバスに乗車しよう。

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(三ヶ日行きの路線バス。遠州鉄道グループの遠鉄バスである。)

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【停車バス停】BS→バス停(バスストップ)
寸座西BS1002==寸座峠BS==佐久米東BS==1007佐久米BS
(↑寸座駅前)           (浜名湖佐久米駅前↑)
遠鉄バス・三ヶ日行き路線バス(片道運賃140円)
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後部乗降扉から、整理券を取って乗り込むと、乗客は年配の二人だけ・・・。
こちらも、典型的なローカル路線バスの様子だ。
鉄道も良いが、路線バスも独特な雰囲気があるので、結構好きである。

運転士の合図と共に、直ぐに発車し、寸座峠バス停と寸座峠を越えて行く。
下り坂になると、大きく曲がりながら降り、線路が見えた先の佐久米東バス停、
そして、浜名湖佐久米駅前の佐久米バス停に到着し、ここで下車する。



佐久米バス停の三ヶ日行き時刻表を見ると・・・
大凡、1時間に1本の運行で、天浜線とそう変わらない。
なお、この区間のバスの所要時間は5分、運賃は140円になり、
天浜線は所要時間2分、運賃170円になり、天浜線の方が高くなっている。
また、寸座峠を越えると、細江町(ほそえちょう)から三ケ日町に入る。

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(佐久米バス停の時刻表。)

天浜線の列車でも良かったが、30分以上早く、浜名湖佐久米駅に着いたので、良しとしよう。
その分、撮影や取材の時間に使える訳である。

この浜名湖佐久米駅は、寸座駅から寸座峠を越えて、1.3km西隣の駅になる。
三ヶ日駅から金指駅まで、国鉄二俣西線が延伸した時の昭和13年(1938年)4月開業、
起点の掛川駅から28駅目、50.7km地点、所要時間約1時間30分、
所在地は浜松市北区三ヶ日町佐久米、標高9mの終日無人駅である。
なお、浜名湖の名称が付いたのは、第三セクター化後で、国鉄時代は、佐久米駅だった。
天竜二俣の運転区にある鉄道歴史館に、昔の木製駅名標が保存されている。

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(浜名湖佐久米駅外観。)

モルタル造りの平屋建ての駅舎は、モダンな外観と片勾配屋根が特徴で、
駅舎全体が箱の様な感じでもある。
国道に面した駅出入口側が低く、盛土の上に建っており、階段を登って駅舎内に入る。

他の国鉄二俣西線時代の駅とは、趣がかなり違う印象だ。
なお、駅出入り口のタイル装飾は、気賀駅と似ている。

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(駅出入口。)

道路側の壁面にある、丸い採光窓と青い小タイル張りが、とても個性的である。
外壁は綺麗に塗装されているが、基本的な駅舎の形は国鉄末期当時のままで、
テナント出入口のサッシ扉以外の駅出入口周辺とタイル、丸い採光窓、
中央出窓風の4×4の大窓も変わっていない。

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駅舎の西側には、天浜線4つの名物トイレのひとつである、三ヶ日牛トイレがある。
肉牛なので、牡牛がモデルとなっており、手前に色々と馳せ参じているのも、可愛い所だ。

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(名物の三ヶ日牛トイレ。)

手前に並ぶ小さなモニュメントは・・・
三ヶ日みかん、三ヶ日牛、うなぎ(土管付き)とあり、この三ヶ日町の特産品である。
三ヶ日牛は、昭和40年(1970年)代前半から、飼育が始まったそうで、
町内の十一戸の育牛農家が、約1,500頭を飼育している。
温暖な自然豊かな牧場で、15ヶ月間飼育された牛肉は、
キメが細かくて柔らか、味が甘く、肉汁が多いのが特徴で、一度食べてみたいものだ。

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三ヶ日牛トイレ正面には、天神山(標高88m)と言う山が聳えている。
三方が山に囲まれた中央にあるコブ状の独立山は、面白い地形だ。
その山名の通り、山頂には祠があり、地元の信仰の山になっているそうで、
山麓に禅寺である石雲寺(せきうんじ)がある。
国土地理院国土電子Web(佐久米天神山)

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(天神山。)

駅舎内やホームを見学する前に、駅の周辺を見てみよう。
国道の斜め向こうのバス停付近には、姫街道資料館がある。
蔵のある地元旧家の立派な佇まいで、私設の資料館らしいが、
奥を覗くと、臨時休館の札が掛かっており、事実上の休館状態の様子だ。

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(姫街道資料館。見学には、予約が必要との事。)

更に、駅の東側の気賀方に少し歩くと、踏み板だけの小さな第四種踏切がある。
この気船場踏切を渡って行くと、駅の南側の護岸に行く事が出来る。
マピオン電子地図(佐久米・汽船場踏切)

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(汽船場踏切。)
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(駅前の船溜まり。)

護岸西から見えるホテルは、レイクビューバルコニーや展望大浴場がある、
グリーンプラザ浜名湖である。
ハイシーズンを除いて、ビジネスユース(シングル利用/朝食付き、夕食無し)も可能との事で、
天浜線沿線はビジネスホテルが少ないので、次回の天浜線の旅の宿に良さそうだ。
ホテルグリーンプラザ浜名湖公式HP(駅から550m、徒歩約7分)

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此処から、駅ホーム全景を見渡せる。
ホーム東側の一部は、小さな鉄橋の上にあり、小川が下に流れている。
護岸の高さは5m程度で、良い感じの錆色だ。

良く見ると・・・東側の旧ホームの組石と護岸の組石が同じであり、同時期に作られたのだろう。
また、先程の渡って来た第四種踏切の名の通り、国鉄二俣線開通前には、
汽船(浜名湖の定期航路・巡航船)の乗り場が、此処にあったそうだ。

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(元汽船乗り場から駅ホーム全景。)

駅舎本屋と旅客上屋の屋根は、向こう側が高いが、
駅舎東端の物置だけ、逆の急傾斜になっているのが、面白い。

暫くすると・・・遠くから徐々に、レールを走る鉄輪の音が聞こえて来て、
寸座駅から乗車する予定だった、下り117列車・新所原行きが到着する。
すると、かもめの大群がやって来て、列車に群がっている。
列車は1分程停車、空気式汽笛を短く一声鳴らし、ゆっくりと発車。
一斉に散り散りとなったカモメは、ぶつかると思いきや、上手い具合に避けている。

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2016年1月12日再編集
2016年7月28日再編集(文体変更・文章追加・画像整理)

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category: 天竜浜名湖鉄道再訪編 13話

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