hmdの鐵たびブログ ローカル線の旅

のんびりローカル線の鉄道旅を、写真を中心に「見る紀行文」で長期連載しています。

【147】遠州湖北と国鉄遺産を訪ねて、再訪。・・・天竜浜名湖鉄道(50)寸座駅 後半の部&寸座港   


ホーム中央部にある小さな待合室は、広さ四畳程の長方形で、
木造建築の外壁はトタンが張られ、窓はアルミサッシ化されている。
坂下側の並びには、開放式の集札所も建っている。

また、建物の大きさの割には、窓が大きくて、明るい雰囲気だ。
出入口上の民家風出庇や、外から筋交いの補強があるのも、特徴になっている。
後ほど、70代と思われる地元女性が駅にやって来て、話を伺った所、
悪戯で窓ガラスを全て割られてしまった為、サッシに交換されたそうで、大変残念である。

IMGP9780.jpg
IMGP9786.jpg
(寸座駅待合室。)

中に入ると・・・
木造ロングベンチに、コンクリートの敷石床、昭和中期の雰囲気がいっぱいだ。
内壁は、ちぐはぐに補修されているが、坂上側に白ペンキの縦板部が残っており、
これが建築当時の内壁だろう。

IMGP9802_20111202164323.jpg
IMGP9821.jpg
(待合室内。)

壁には、「天浜線 あらためてみる 浜名湖よ」の俳句の木板と「祝開業」の刻印の鏡が・・・
この祝い鏡も、とても昭和風に感じる。
鏡には、湖面が眩しく映され、此処から見る引佐細江も絶景である。
なお、この駅の列車ダイヤは、朝夕は1時間に2本、日中は1本程度だ。

IMGP9805.jpg
(俳句板と開通時の祝い鏡。)
IMGP9800.jpg
(駅時刻表と運賃表。)

駅の直ぐ北側は、国道362号線の急坂に接しており、遠鉄バスの寸座西バス停もある。
道路の向こう側は、山の急斜面が直ぐに駆け上がり、ミカンが沢山なっている。

IMGP9866_20111202164357.jpg
IMGP9826_20160728095817b40.jpg

まだ、時間があるので、港の方を少し散策してみよう。
ホーム裏手の砂利の急坂を降り、坂下側にあるコンクリート製小橋梁を潜る。
この小橋下から、駅を見上がると、土手はかなりの高さがある。

IMGP9832_20111202162848.jpg
IMGP9835_201607281008364fa.jpg
(コンクリート製小橋梁と土手下からの寸座駅。)

80m程、この坂を降り切ると・・・湖畔に沿って、道路と家々が並んでいる。
この寸座港は、東側に手形の小半島が突出した、天然の良港になっており、
平成22年(2010年)の春までは、定期航路兼遊覧船も発着していたそうだ。

寸座は、浜名湖北東部の支湾である引佐細江(いなさほそえ)の浜名湖接続口近くの西岸部にある。
港から真っ直ぐ見える山は、対岸の根本山(標高129m)になり、
この引佐細江(いなさほそえ)は、年間を通じて、大変穏やかだそうだ。
しかし、台風が近くを通過すると、荒れる事があるそうで、
昭和34年(1959年)9月の伊勢湾台風の際は、この道路上まで、波が上がって浸水したそうだ。

また、鉄道や道路が整備される前の明治から昭和初期にかけては、
巡航船と言われる定期航路が、沿岸各地の町々を結び、住民の足になっていた。
現在は、その殆どが廃止になったが、一部は観光航路として営業している。
なお、江戸時代は、東海道今切の渡船と漁業以外、浜名湖の内水面交通は全面的に禁止されていた。

IMGP9844_1.jpg
IMGP9846_1.jpg
(寸座港から引佐細江。)

現在の寸座港は、マリンショップのヨットと、数隻の小型漁船が有るだけの小さな港で、
人気は無く、静かに水音が響いている。
また、寸座駅は、家の二階よりも高い位置であるのが判る。

IMGP9847.jpg
IMGP9839.jpg
IMGP9849_20111202173619.jpg
(寸座港と寸座集落。)

路地を入った所には、常夜燈が安置されている。
遠江エリアは、火除けの神で有名な秋葉神社に近いので、
街道や街中に秋葉常夜燈が良く見られるが、これは秋葉山関連ではない様だ。

横の刻印を見ると・・・明治42年(1909年)3月建立と記されている。
火除の秋葉信仰は、江戸時代が最も盛んであったが、明治政府の神仏分離令により、
全国的に廃仏毀釈運動が起こり、秋葉山も破壊され、一時は荒廃してしまった。
この常夜燈は、明治末期と新しく、秋葉の刻印も無い事から、港のシンボルとして建てられたのだろう。
マピオン電子地図(寸座港常夜燈・1/3,000)

IMGP9851_20111202163319.jpg
(寸座常夜燈。)

そろそろ、駅に戻る事にしよう。
駅の新所原方の線路下には、高さ2m、幅2m程度の人道トンネルがある。
もちろん、昭和13年(1938年)開通当時のものと思われる。
マピオン電子地図(寸座駅人道トンネル・1/1,500)

IMGP9860_20111202163505.jpg

古い割には、漏水箇所や亀裂も少なくて、状態は良い。
この先は、西の山側の家々に通じている。
トンネル出口横の階段を登ると、駅に行く事が出来る。



にほんブログ村鉄道ブログ鉄道旅行へ

2016年1月12日再編集
2016年7月27日再編集(文体変更・文章追加・画像整理)

© hmd All Rights Reserved.
記事や画像の転載、複製、商用利用等は固くお断り致します。

category: 天竜浜名湖鉄道再訪編 13話

thread: 鉄道旅行 - janre: 旅行

tb: --   cm: --