hmdの鐵たびブログ ローカル線の旅

のんびりローカル線の鉄道旅を、写真を中心に「見る紀行文」で長期連載しています。

【10】SL列車とレトロ駅訪問の旅・・・大井川鐵道2010(10)千頭駅  




新金谷駅から約1時間で、大井川鐵道本線終点の千頭駅(せんず-)に到着する。
千頭駅は、大井川鐵道本線の終点として、昭和6年(1931年)12月に開業し、
また、奥大井の玄関口や井川線の接続駅として、「中部の駅100選」にも選ばれている。
起点の金谷駅から39.5km地点、所要時間約1時間10分、所在地は榛原郡(はいばら-)川根本町千頭、
標高は298mあり、1日約400人の乗車客がある社員配置の有人駅である。

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(後の車両は、お座敷車のナロ80-2。旧二等車の標記と青帯が付いているのは、ご愛嬌だ。)

駅付近の標高は約300mだが、周囲は1000m級の山々に囲まれた静かな町で、
大井川両岸に町が発達しているが、駅から大井川を渡った東岸が、中心部になっている。
かつては、川を挟んで、駿河国(するが-)と遠州国(とおとうみ-)の国境の町であった。


(国土地理院国土電子Web・千頭付近。)

ホームは、南北に配された行き止まりタイプの頭端式二面四線で、
井川線専用の中間改札とホームも別に一面ある。
構内は大変広く、側線は12本もあり、多数の車両が留置されている。

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(千頭駅。昨年春に撮影。)

千頭駅構内には、綺麗に塗装された転車台が残っていて、3番線ホームの南端から見える。
通常時は使用していないが、イベントの時には稼働している。
ちなみに、新金谷駅にもあったそうだが、留置線の確保の為に埋められたそうだ(※)。

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明治30年(1897年)製造、英国RANSOMES&RAPIER(ランソムズ・アンド・ラピア)社製である。
国鉄東北本線用に15基輸入された転車台のひとつで、後に、新潟の赤谷鉱山専用鉄道東赤谷駅に
設置されていたものを、昭和55年(1980年)7月に保存移設されたものである。

日本国内で現存している転車台のうち、銘板等で、製造会社や製造年が確認出来る最古の転車台であり、
設計図面も保管され、平成13年に国登録有形文化財に指定されている。
なお、最初に設置された国鉄駅や国鉄内での移設の記録は、不明との事だ。

・形式:上路式(バランスト型/動力は人力で、手動式。)
・長さ:50フィート(15,240mm)
・自重:17t
・積載荷重:最大95t(約65tのC11形を、大人二人の60kgの力で回すことが可能。)

旧型客車の編成を見ながら、ホームの南端から駅舎改札方向に行ってみよう。
3番線ホームは、SL列車の長編成に対応する為、南側にデッキ風ホームが延長されている。

乗客の下車後、数人のスタッフが車内の清掃を行ない、後補機のE10形(E101)も切り離される。
貫通扉の右に小さな窓があるが、編成最後尾時の車掌室の後方確認用窓である。

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オハ35-459は、窓の上下のシルとヘッダーのリベットが特徴的である。
旧型客車のサボ(行先表示板)も、差し込み式と吊り下げ式があり、大凡、半分ずつになっている。

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ホーム頭端部に行ってみよう。
到着後の暫くの間は、蒸気機関車の給水作業を行う為、その場に待機している。
到着直後は、一般観光客の記念撮影で混むが、15分もすると静かになり、
新金谷駅より千頭駅の方がゆっくり撮影出来る。

オイルと鈍い光沢・・・生きた蒸機としての存在感がある。
細めのロッドとクロスヘッドが、軽快な小型蒸機らしい。
後補機のE10(101)が横に来ているが、給水後に、2番線と3番線の渡り線を使い、機回しを行なう。

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(給水を行うC56-44号機と、2番線に待機するE10形101号機。)
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(C56-44号機の第一動輪とクロスヘッド。)

C56-44号機の運転台を覗くと・・・
空中の長いレバーは加減弁(自動車のアクセルに相当)、
下のタワーについている2本の短い金色のハンドルはブレーキ弁(機関車と客車は別々)、
左の回す様な赤色のハンドルは逆転機(自動車のギアに相当)のレバーになる。

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ホームの横にはE10形(102)が留まっており、側窓を開けて整備中の様だ。
その奥には、9600形蒸気機関車の49616号機と旧型電機のE10形(103)の静態保存機、
レールや腕木式信号機等が展示された、小さな鉄道公園風になっている。
なお、49616号機は、SL復活運転時の機関助手の投炭練習に使われたとの事。

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(E10形102号機。)

改札に行ってみよう。
改札前の待合室は30畳以上と広く、ふたつの出札口、駅蕎麦店、売店&土産店、
外にSL資料館(入館有料)や二階に軽食処がある。
駅時刻表を見ると、上り金谷行きの終電がとても早く、19時57分発になっている。

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(改札口。左手に、井川線の中間改札がある。)
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(駅時刻表。普通列車は毎時1本程度で、1日16本が、この駅から発車している。)
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(待合所と売店。)

駅舎は、平成4年(1992年)に建て替えられている。
駅前には、名産の川根茶を扱う茶葉店や飲食店等の数軒の店があり、
温泉がある寸又峡(すまたきょう)行きのバス発着場がある。

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(千頭駅外観。)

SL資料館は、大井川鐵道のSL写真、鉄道部品、ヘッドマークや、
映画等のロケで大井川鐵道を訪問した、スターの写真やサイン色紙などが展示されている。
(入館料は100円、年中無休・9時〜16時まで開館。)

川根本町公式HP・観光案内



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(※)平成22年秋に新金谷駅に転車台が新設され、毎日、千頭駅転車台と対で使用されている。

2015年11月21日再編集
2016年6月26日再編集(文体変更・文章追加・画像整理)
2017年3月14日再編集(画像調整)

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category: 大井川鐵道本線2010 全15話

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