hmdの鐵たびブログ ローカル線の旅

のんびりローカル線の鉄道旅を、写真を中心に「見る紀行文」で長期連載しています。

【131】遠州湖北と国鉄遺産を訪ねて・・・天竜浜名湖鉄道(34)天竜浜名湖鉄道運転区 その1 高架貯水槽  


この金指駅(かなさし-)から、天竜二俣駅へ戻る事にしよう。
発車時刻の8分前には、上り列車が到着する。

IMGP0661_1.jpg

下り327列車・新所原行きと、列車交換の為に待ち合わせた後、
お互いに、挨拶の汽笛を短く一声鳴らして、定刻の13時12分に発車。
都田川の上流の山間に入って行く。
列車には、三十人近く乗っており、座席はほぼ埋まっているので、
最後尾から、過ぎ行く車窓を眺める事にする。

IMGP0664_2.jpg
(金指駅を発車する。最後尾から撮影。)



+++++++++++++++++++++++++++++++++++
【停車駅】◎→列車交換可能駅 ★→登録有形文化財駅
金指◎★1312==浜松大学前==都田==フルーツパーク==宮口◎★==
岩水寺★==西鹿島==二俣本町==1338天竜二俣◎★
上り130列車・普通掛川行(TH2113・単行)
+++++++++++++++++++++++++++++++++++

金指駅を出て暫くすると、田園の中の浜松大学前駅、都田駅(みやこだ-)に停車。
都田駅から山中の登り勾配となり、新設駅のフルーツパーク駅と天浜線一の峠越え区間を越えて、
天竜川西岸の各駅に停車して行く。

遠州鉄道乗換駅の西鹿島駅では、二十人以上が下車し、乗客は五人だけとなってしまう。
天竜川の大鉄橋と二俣川の鉄橋を渡ると、天竜二俣駅1番線ホームに到着する。

IMGP0713_1_201607231146008fa.jpg

金指駅から天竜二俣駅間の路線キロは、15.7kmあり、所要時間は約25分になる。
馬力の有る新型軽快気動車なので、途中に峠区間があるに関わらず、大変速い。
ちなみに、蒸気機関車全廃一年前の昭和45年(1970年)の時刻表を調べると、
第三セクター後に新設された浜松大学前駅とフルーツパーク駅の二駅が無い上で、
蒸気機関車牽引の客車列車(客レ)は、30分弱かかっていた模様だ。

今日、天竜二俣駅に戻って来たのは、この天浜線最大の見所である
天竜浜名湖鉄道運転区の公開見学に参加する為である。


(グーグルマップ・天竜浜名湖鉄道運転区空撮写真。)

天浜線全線の運行を管理指示する部署で、車庫、整備工場や乗務員の詰所等もある。
国鉄時代の遠江二俣機関区をそのまま継続して利用し、
昭和15年(1940年)開業当時の木造建物や鉄道設備が数多く残り、
全国的にも珍しい、一般見学が出来る現役の運転区になっている。
なお、公開日や公開時間が決まっており、有料公開になっている。
毎週金・土・日・月曜日と祝日、午前と午後に各1回・1日2回の公開で、
天浜線の社員がガイドをしてくれる。

13時45分の午後の集合時間まで、10分もない。
出札口係の初老の駅員氏に、1日フリー切符を見せて天浜線利用である事を告げ、
見学記念硬券(天浜線利用者は、大人100円)を購入。これが見学入場券になる。
見開きA4判のカラーパンフレットも貰い、硬券の特製ホルダーに記念スタンプ欄もあるので、
テーブルに出してあるスタンプも押しておこう。

IMGP0715_1.jpg
(パンフレットと見学記念硬券。)

既に、大勢の見学客が、集合場所の駅待合室に集まっており、二十数人集まっている。
一見すると、鉄道ファンではない一般客が大多数で、
学校も春休み中の為か、家族連れの子供達も何人か来ている感じだ。
今年、多くの駅舎等が登録有形文化財になり、地元新聞やマスコミ等の報道を通じて、
知名度が上がった様子だ。鉄道ファンにとっても、嬉しい限りである。

今日の案内役は、天竜二俣駅改札口にいつも居る中年の女性駅員のK氏である。
とても明るくハツラツとした、この天浜線では、有名な方だったりする。

K氏から簡単な事前説明の後、引率されて構内踏切を渡り、ホーム南側の小広場に移動する。
此処から東に250m程、線路伝いの構内通路を歩く。

IMGP0719.jpg
(小公園から運転区を望む。)
IMGP0720.jpg
(線路南の構内通路を歩く。)

幅2m程度の構内通路のフェンス越しには、沢山の側線とポイントが見渡せ、
所々、剥げた赤屋根の旅客上屋と一面の赤錆色のバラストが、ローカル線の雰囲気を盛り上げている。
なお、ホーム南の小広場のある構内南西部分は、側線が途切れている事から、
遊休地として売却されたのだろう。

IMGP0721_201607231146016c4.jpg
(構内通路からの天竜二俣駅。)

運転区の建物が徐々に見えて来て、最初に出迎えてくれるのは・・・
この大きな高架貯水槽(給水塔)である。
金指駅(かなさし-)の貯水槽よりも、ふた回り以上大きく、
今は、蒸気機関車への給水はしていないが、洗車や洗濯の給水に現在も使われているとの事。

IMGP0725.jpg
(鉄筋コンクリート製の高架貯水槽。)

鉄筋コンクリートの脚は、六本あり、近くで見ると巨大で驚く。
国鉄で設置されていた給水塔としても、大型の部類に入るだろう。
貯水量は70t、真下には現在使用している新しい配管の他、当時の配管もそのまま残っている。

建築年は、はっきりとした資料が無いそうだが、天竜二俣駅開業当時の古い写真を見ると、
この給水塔が写っているそうで、開業当時の建築ではないかと言われている。
また、脚部は二段になっており、厚みのある下部は、昭和19年(1944年)の東海南海地震の後に
耐震補強工事された部分との事。

IMGP0726.jpg
(底部。重力を利用して、送水するので、高所に設けられている。)
IMGP0728.jpg
(下部の配管類。)

◆国登録有形文化財リスト「天竜浜名湖鉄道運転区高架貯水槽」◆
所在地静岡県浜松市天竜区二俣町阿蔵字坂下230-2
登録日平成23年(2011年)1月26日
登録番号22-0166
年代昭和15年頃(1940年頃)
構造形式鉄筋コンクリート造、建設面積28m²、全体の高さ11.61m、
水槽の外径6.0m、水槽の高さ4.7m、貯水量70.0t。
特記揚水機室の20m東に位置する。六本のコンクリート造脚部の上に、
外径6.0m、内容量70.0tのコンクリート造り貯水槽を載せる。
脚の内側には、ポンプや配管の一部が残る。
揚水機室と一体で、昭和前期における鉄道施設の一端を物語る。
※文化庁公式HPから抜粋、編集。

西隣には、揚水ポンプを置いてある平屋建ての揚水機室と水源の井戸も残っており、
現在も使われている。

なお、直径が3.6mもある大型の井戸になっており、
山形の帽子の様なコンクリート製の覆いが設置されている。
このふたつも、登録有形文化財になっている。

IMGP0723.jpg
(水源の大井戸。)

地表から上部のコンクリート部分は高さ1.1mあり、井戸の深さは7.8mとの事で、
現在も豊富に水を湛えているそうだ。

この井戸も、建築年の明確な資料が無いとの事だが、
給水塔と同時期に建設されたと考えられるので、昭和15年の開業当時のものだろう。
なお、金指駅の井戸は、現在残っておらず、給水塔と共に現存するのは、天浜線内で唯一になる。

◆国登録有形文化財リスト「天竜浜名湖鉄道運転区揚水機室・井戸」◆
所在地静岡県浜松市天竜区二俣町阿蔵字坂下230-2
登録日平成23年(2011年)1月26日
登録番号22-0165
年代[揚水機室]昭和15年(1940年)3月
[井戸]昭和15年頃(1940年頃)※高架貯水槽と同時期と考えられる。
構造形式[揚水機室]木造平屋建、切妻造、桟瓦葺、建築面積20㎡。
[井戸]鉄筋コンクリート造り、直径3.6m、深さ7.8m、地上高1.1m。
特記天竜二俣駅東方に設けられた機関区の中央南端に位置する。
東西棟の切妻造桟瓦葺、桁行3.6m、梁間5.5m、木造平屋建。
竪板壁で、北面に出入口、南・西面に大きく窓を開ける簡易な建築。
隣接して、外径3.6mのコンクリート造り井戸を付設。
※文化庁公式HPから抜粋、編集。



にほんブログ村鉄道ブログ鉄道旅行へ

天竜浜名湖鉄道営業部より、当方ブログでの公開承諾済み。

2016年1月7日再編集
2016年7月23日再編集(文体変更・文章追加・画像整理)

© hmd All Rights Reserved.
記事や画像の転載、複製、商用利用等は固くお断り致します。

category: 天竜浜名湖鉄道2日目 22話

thread: 鉄道旅行 - janre: 旅行

tb: --   cm: --