hmdの鐵たびブログ ローカル線の旅

のんびりローカル線の鉄道旅を、写真を中心に「見る紀行文」で長期連載しています。

【123】遠州湖北と国鉄遺産を訪ねて・・・天竜浜名湖鉄道(26)西気賀駅 前半の部  


次の登録有形文化財駅である、西気賀駅(にしきが-)に向かおう。
列車は、右窓に猪鼻湖(いのはなこ)の綺麗な青色の湖面を見ながら、
エンジン音と共に、徐々に速度を上げて行く。
ここから東側の西気賀駅の先までは、山が湖畔まで迫っている為、
線路と国道は湖畔の狭い平地に沿って、線路が敷かれている。
また、街道時代の三ヶ日宿(みっかびじゅく)から東隣の気賀宿へは、
湖畔側ではなく、山中に入り、姫街道第二の難所と言われていた
引佐峠(いなさとうげ、標高約180m)を越えていた。

乗車しているこのTH3501は、天浜線に1両のみ在籍するマスコット的な気動車である。
かつて、この天浜線で、トロッコ列車を運転していた頃、
この車両が機関車の代わりになり、2両のトロッコ車両を牽引・推進した(※)。
外装の塗色は、当時のトロッコ列車専用色のままになっており、
茶色系のレトロな配色だが、トロッコ列車の「さわやか号」の愛称から、
地元鉄道ファンの間では、さわやか色と言われている。

さわやか号は、平成12年(2000年)春から、遠州森駅から三ヶ日駅まで運行。
平成15年(2003年)からは、天竜二俣駅から三ヶ日駅間の運行に変更になったが、
平成19年(2007年)に、トロッコ車両の老朽化の為、廃止になっている。
景色の良いのんびりとしたローカル線なので、また、復活して欲しい所だ。

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(TH3501に車内。主力のTH2100形と違い、国鉄風気動車の雰囲気を残す。)

この車両は、鉄道車両製造事業から撤退した富士重工業製である。
平成7年(1995年)に造られ、昭和風のシックな内装とカミンズエンジンを搭載し、
「ドッドッドッ」と詰まった様に聞こえるエンジン透過音が特徴だ。
かつては、富士重工業製のレールバスや軽快気動車が、全国に沢山走っていたが、
老朽化により廃車され、現役車両は徐々に少なくなってきている。

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【停車駅】◎→列車交換可能駅 ★→登録有形文化財駅
三ヶ日◎★0859==都筑==東都筑==浜名湖佐久米==寸座==0913西気賀駅◎★
上り122列車・普通掛川行き(TH3501・単行)
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西気賀駅までは、湖が見えたり、隠れたりしながら走る。
湖から離れ、国道沿いの町中にある都筑駅(つづき-)と東都筑駅に停車。
緩く左カーブして、右窓に浜名湖と東名高速道路の高架橋が見えてくると、
湖畔の駅として有名な浜名湖佐久米駅(はまなこさくめ-)に到着する。

浜名湖佐久米駅を直ぐに発車し、標高の低い寸座峠をトンネルで潜り、
眼下に浜名湖を一望出来る寸座駅(すんざ-)に停車。
もう一本のトンネルを抜けて、再び湖面が見えてくると、西気賀駅に到着する。



9時13分、所要時間14分で西気賀駅に到着です。ここで下車しよう。
上り111列車・新所原行きのTH2102と列車交換、先発発車して行く。

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(駅名標。)

下り新所原行き列車も、エンジンとレールの響きを奏で、
西気賀駅を後にし、湖畔の静かな駅に戻る。

この西気賀駅は、昭和13年(1938年)4月に三ヶ日駅から金指駅(かなさし-)まで、
二俣西線が延伸開通された時に開業した。
起点の掛川駅から26駅目、47.7km地点、所要時間約1時間30分、所在地は浜松市北区細江町気賀、
標高8mの終日無人駅である。なお、終点の新所原駅からは、11駅目、20.0km、約40分になる。

構内配置は、千鳥式ホーム二面二線の列車交換可能駅になってる。
浜名湖の湖岸の形に沿い、駅全体が東西に大きく弓状にカーブしており、
周辺の住宅は、国道沿いと駅の北側の山に囲まれた狭い平坦地に集まっている。
なお、姫街道は、西気賀駅の直ぐ北側の集落内にある、江戸時代末期に建てられたと
伝わる薬師堂を経由、東西に横断しており、峠への石畳の道も残っているそうだ。


(国土地理院国土電子Web・西気賀。)

ホームの長さは80m以上あり、西側の新所原の南側は、明るく開けており、湖面も見える。
線路が纏まった向こう側に、小さな踏切がある。

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(新所原方。この先は、山が湖畔まで迫っており、登り勾配が続く。)

上り2番線ホームの新所原方から、駅全景を眺めると・・・
構内踏切と駅舎は、大きく弓状になった構内の中央付近にあり、
駅舎は湖がある南側に面している。

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(新所原寄りから駅全景。)

上り2番線ホーム中央には、古い開放式待合所があり、国登録有形文化財になってる。
昨日に訪問した宮口駅のホーム待合室よりも、ふた回り程小さく、
内壁は木造のままだが、外壁はトタンで補修されている。
上部構造は簡素で、柱の上部と梁には、鉄製の補強材が取り付けられ、
線路側の梁の先端が丸く削られているのが特徴だ。

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(柱とベンチの黄色と白い窓枠が印象的だ。)

◆国登録有形文化財リスト「天竜浜名湖鉄道西気賀駅待合所」◆
所在地静岡県浜松市北区細江町気賀字岩根10185-3
登録日平成23年(2011年)1月26日
登録番号22-0148
年代昭和13年(1938年)3月建築、昭和34年(1959年)改修
構造形式木造平屋建、スレート葺、建築面積10㎡
特記本屋の北側、線路を挟んだ下りプラットホーム上に建つ。
桁行6.4m、梁間1.5m、木造平屋建。
スレート葺の片流屋根を火打付の小屋組が受ける。
側・背面を竪板壁とし、大きく窓を穿ち、
引違いガラス戸を建てるなど、開放的な待合所。
※文化庁公式HPから抜粋、編集。

東側の天竜二俣方の向こうの山は、宝渚寺平(ほうしょうじびら)と言う、標高76mの低山である。
姫街道は、この山の北麓の山谷部分を通り、付近は小引佐(こいなさ)と言って、
高台から浜名湖が一望出来る景勝地になっている。
国土地理院国土電子Web(西気賀・小引佐)

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(天竜二俣方。そのまま、大きくカーブをし、宝渚寺平の南麓を走る。)

南側に建てられた駅舎を見てみよう。
屋根等が、天浜線東側の駅と違っており、洋風瓦と円形鉄柱の出庇が付いている。
駅舎の西側は、倉庫が増築されている様だ。

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(上り2番線ホームからの駅舎。)

構内踏切は、改札口から一直線になっており、
この木造駅舎も、国登録有形文化財に指定されている。
左側の採光ドームのある建物は、公衆トイレになる。

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(構内踏切と駅舎。)

レトロな木造椅子と並んで、木製のラッチも、開業当時そのままに残されている。
ホーム屋根の円形鉄柱は、今風であるが、国鉄時代からのものとの事。

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(開業当時の木造改札。)

◆国登録有形文化財リスト「天竜浜名湖鉄道西気賀駅本屋」◆
所在地静岡県浜松市北区細江町気賀字岩根10185-3
登録日平成23年(2011年)1月26日
登録番号22-0147
年代昭和13年(1938年)建築、平成元年(1989年)改修
構造形式木造平屋建、葺一部スレート葺、建築面積106㎡
特記木造平屋建、桁行14m、梁間8.8mで、南面して建つ。
寄棟造瓦葺とし、スレート葺のホーム上屋を付ける。
入口庇の鋼製持送りや、待合室の木製のベンチと
改札口が往時の雰囲気を伝える。
※文化庁公式HPから抜粋、編集。



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【謝意】
奥浜名湖商工会細江支所さま、「宝渚寺平」の地名の読みをご教授頂きまして、
ありがとうございます。厚く御礼申し上げます。

2015年12月3日再編集
2016年7月21日再編集(文体変更・文章追加・画像整理)

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category: 天竜浜名湖鉄道2日目 22話

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