hmdの鐵たびブログ ローカル線の旅

のんびりローカル線の鉄道旅を、写真を中心に「見る紀行文」で長期連載しています。

【9】SL列車とレトロ駅訪問の旅・・・大井川鐵道2010(9)国鉄旧型客車  


此処で、旧型客車を簡単に紹介したいと思う。
現在、大井川鐵道では、計22両の客車が在籍している(2010年10月2日現在)。

一般客車16両俗に言う国鉄の旧型車両。
トラストトレイン
車両
3両日本ナショナルトラスト所有。
スハフ43-2、スハフ43-3、オハニ36-7。
お座敷車2両電車からの改造車。
展望車1両電車からの改造車。


常に1-2両が定期検査に入り、全ての客車を使用出来ると言う訳では無いそうだ。
また、繁忙期は、車両のやりくりが大変との事。

代表的な旧型客車は幾つかあるが、その中でも、戦前型・丸屋根のオハ35-559
(旧国鉄 -2559・ぶどう色)は、状態も大変良く、ニスの塗りの木目調の車内が、
戦前型の雰囲気を良く残している(夏季の撮影の為、白飛びは御容赦を)。

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とても、レトロな温かい雰囲気で、天井の白との対比が綺麗である。
デッキ扉は木枠のガラス戸であり、その上の箱は車内放送のスピーカーになる。
また、網棚も金属のネットや棒ではなく、本物の網になっている。

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このオハ35-559は、国鉄時代の最末期は、常磐線の水戸客貨区で活躍していた。
製造から70年近く経過しており、大井川鐵道でも、20年以上活躍している古兵になる。

昭和17年(1942年)に日本車輌にて製造され、翌年、デッキ側出入り口付近を、
混雑緩和の為にロングシート化されたが、戦後にクロスシートに戻されている。
修繕工事や電気暖房化工事などを行い、昭和56年(1981年)まで、国鉄で使われていた車両である。

◆オハ35-559の略歴◆

昭和17年(1942年)10月 日本車輌にて製造。
昭和18年(1943年)10月 出入口付近のロングシート化(混雑緩和の為)。
昭和25年(1950年)7月 ロングシートをクロスシートに原形復帰。
昭和29年(1954年)1月 国鉄大宮工場で、更新修繕(車端部外板に銘板あり)。
昭和38年(1963年)7月 電気暖房化(電化で電気機関車牽引の為。車番-2559に変更)。
昭和42年(1968年)   客室の白熱灯を蛍光灯化。
昭和47年(1972年)11月 体質改善工事(耐用延長工事)。
昭和56年(1981年)3月 国鉄水戸客貨区から、大井川鉄道に入線(電気暖房撤去、元車番に復帰)。

旧型客車の特徴的な張り上げ屋根には、屋根板を固定する金具が付いている。
初期の客車の屋根は木製で、上から雨水避けの布製屋根幌を被せていていたが、
後年には、車体側面の柱を屋根の肩まで上げて曲げ、
この様に屋根鋼板を止めるタイプになっている。

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照明は、当初の白熱灯から蛍光管に交換され、扇風機も後に設置されたものである。
直管タイプの蛍光灯は、電気配線を変更しなければならない為にコストが掛かり、
全体的には、簡単な改造で済む丸管タイプが多くなっている。
また、下に飛び出している大きな丸い円盤は、ベンチレーター(通風器/自然換気装置)になる。

客車の電源は、車軸発電機が床下に搭載され、走行中の車軸の回転力で発電している。
停車中は発電が出来ないので、蓄電池(バッテリー)も搭載しているが、
大井川鐵道は路線キロが短く、蓄電池に十分に充電が出来ない為、
走行中も半分減灯して運行している。

車両両端には、乗降用のデッキがある。
金谷方のデッキには、洗面台室があり、蒸機機関車の煤で真っ黒だ。
蛇口の上に、湯と水のボタンが付いているが、大井川鐵道では出ない。
また、通路を挟んだ反対側は、和式便所になっているが、
汚物処理装置が無いので、線路に垂れ流しになる。
国鉄時代の主要幹線では、汚物が霧散して、沿線の人家や保線員の衛生問題となった事もあり、
駅停車中は使用禁止の表示も良く見られた。

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(洗面台室。)

客室内は蛍光灯化されているが、デッキには、白熱灯が残っている車両が多い。
外カバーが付き、原形を留めていると思われる。

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(今春乗車したスハフ42-304のデッキ白熱灯。)
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(オハフ33-469のデッキと連結部。暖房用蒸気が漏れている。)
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(オハフ33-469のデッキ部。一段上がって、床面になる。床の金属蓋は暖房用蒸気の調節弁がある。)

最後に、大井川鐵道の旧型客車の一覧をまとめてみた。
なお、入念に調査しているが、細部の誤りはご容赦願いたい。

《メーカー略号》
日車→日本車両、川崎→川崎車両、日立→日立製作所
汽車→汽車製造(現在は川崎に吸収合併)

◆オハ35系/8両◆
戦前から終戦直後まで製造、TR23台車、丸屋根、木窓枠、木製ドア(一部除く)。

昭和14年(1939年)に登場し、20m車体、折妻・丸屋根、1m幅の客車窓、
溶接を多用した鋼製車体で、2,000両以上製造された代表的な国鉄客車である。
幹線からローカル線、普通列車から急行列車まで使われた。
屋根末端は、三面折妻こと、丸みを帯びた通称「丸屋根」と言われる、古典的なデザインになってる。
(但し、後期型を除く。)

車番国鉄末期車番製造年・メーカー大鐵入線年塗色特記
オハ35-22オハ35-2022昭和14年・日車昭和55年リベット 初期車
オハ35-149オハ35-2149昭和15年
国鉄小倉工場
昭和51年緑※張上屋根
ノーヘッダー
(試作車)
オハ35-435オハ35-2435昭和16年・日車昭和53年リベット
オハ35-459オハ35-459昭和16年・日車昭和55年リベット
鋼製ドア(交換?)
オハ35-559オハ35-2559昭和17年・日車昭和56年
オハ35-857オハ35-2857昭和21年・日車昭和56年半折妻屋根
オハフ33-215オハフ33-2215昭和16年・川崎昭和51年リベット
客室内白熱灯
(復元)
デッキ扉三等車
表示
オハフ33-469オハフ33-469昭和23年・日立昭和51年TR34台車
半折妻屋根
鋼製ドア

※過去のイベントの際に塗色を変更したが、そのままになっている。
(本来の旧客の色ではない)

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(オハ33-469。後期型のオハ35系は、戦後のスハ43系に近い仕様になる。)

オハ35系の前期型と後期型。
屋根末端部の処理の仕方は、全体の印象がかなり違って見える。
戦後の昭和21年(1946年)頃から、製作の簡素化の為、切妻屋根に変更になっている。

IMGP2221.jpg

◆スハ43系ほか/11両◆
戦後製造の20m級客車、TR47台車、折妻屋根、木窓枠、鋼製ドア(一部除く)。

1,000両以上製造され、全国各地の幹線やローカル線で活躍した。
派生車種や改造車も多く、JRでもイベント用に動態保存している。
屋根末端は、絞りの無い切妻屋根で、端正なデザインになっている。

車番国鉄末期車番製造年
・メーカー
大鐵
入線年
塗色特記
オハ47-81オハ47-2081昭和27年
・日立
昭和60年TR23台車に交換
オハ47-380オハ46-380昭和29年
・川崎
昭和62年
オハ47-398オハ46-398昭和29年
・川崎
昭和62年アルミ窓枠
オハ47-512オハ46-512昭和29年
・川崎
昭和62年ドア一部交換?
(鋼製と木製混合)
スハフ42-184スハフ42-2184昭和29年
・汽車
昭和60年ドア一部交換?
(鋼製と木製混合)
アルミ窓枠
スハフ42-186スハフ42-2186昭和28年
・日車
平成4年
スハフ42-286スハフ42-2286昭和29年
・日車
昭和60年
スハフ42-304スハフ42-2304昭和29年
・日車
平成4年
スハフ43-2スハフ43-2昭和26年
・汽車
昭和61年青+白帯日本ナショナルトラスト
国鉄特急 スハ44系
片デッキ アルミ窓枠
スハフ43-3スハフ43-3昭和26年
・汽車
昭和61年青+白帯日本ナショナルトラスト
国鉄特急 スハ44系
片デッキ アルミ窓枠
オハニ36-7オハニ36-7昭和30年
・汽車
昭和62年日本ナショナルトラスト
客貨合造車 鋼体化車両
特急用
TR11→TR52台車に交換

※国鉄時代のオハ46・47の製造時は、スハ43だった。後年に形式編入された。

◆改造客車/3両◆
全て新金谷の大井川鐵道の自社工場で、電車から改造。

車番種車製造年
・メーカー
大鐵改造年塗色特記
スイテ82-1西武鉄道501系
・サハ1515電車
昭和30年頃
・西武鉄道
所沢工場
昭和57年茶+白帯旧型客車の展望車風
(マイテ風)に改造
貸切用 個室あり 
TR11台車
昭和53年入線
ナロ80-1西武鉄道501系
・サハ1516電車
昭和30年頃
・西武鉄道
所沢工場
昭和55年茶+青帯お座敷客車に改造
貸切用 TR11台車
昭和53年入線
ナロ80-2西武鉄道クハ1411形
・サハ1426電車
昭和30年
・西武鉄道
所沢工場
昭和61年茶+青帯お座敷客車に改造
貸切用
シル&ヘッダーあり
TR11台車
電車編成の中間車と
して昭和52年入線、
後に編成から外され
休車し、種車となる


後年の改造も多いので、非常に多様になっているのが、特徴になっている。
SL列車に乗るだけでなく、一両毎に観察するのも面白い。



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【謝辞】
大井川鐵道広報担当のI様、ありがとうございます。
(ブログ掲載の許可も頂いております。)

2015年11月21日再編集
2016年6月26日再編集(文体変更・文章追加・画像整理)
2017年3月14日再編集(画像調整)

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category: 大井川鐵道本線2010 全15話

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