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のんびりローカル線の鉄道旅を、写真を中心に「見る紀行文」で長期連載しています。

【118】遠州湖北と国鉄遺産を訪ねて・・・天竜浜名湖鉄道(21)岩水寺駅下車観光 龍宮山岩水寺  


天浜線の岩水寺駅から、地元の古刹である岩水寺に向かう。
駅前の幅の広い通りには、工事中の新東名高速道路の高架橋があり、
その下を潜って、北に450m程歩く。付近は、住宅も疎らで、畑が多い。



国道362号線に突き当り、そこを右折、次の根樫大門交差点を左折した先に、
岩水寺が見えて来る。駅から徒歩で15分程度、距離は約1kmである。
交差点の横を流れている小川沿いに、見事な桜が咲いている。
しかし、門前町があると思いきや、全く無く、大きな昭和風の広告入り歓迎門があるだけだ。

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(歓迎門。山門は、大火の為、焼失しているそうだ。)

この龍宮山岩水寺は、山裾の広大な境内に二十以上の諸堂と、1,300年の歴史を有する大寺である。
昔から、「家を護るは岩水寺。」と言われ、地元の家護りの寺として信仰を集めており、
パワースポットとしても有名である。

由来は、奈良時代初期の神亀2年(725年)、当時の聖武天皇の勅命を受け、
東国巡礼に赴いた高僧の行基(ぎょうき)が、自ら薬師尊像を刻み、ここに開基した。
また、元々の山号は、瑠璃山であるが、奈良時代最末期に征夷大将軍の坂上田村麻呂より、
龍宮山の山号を賜り、それ以来、この山号を使っている。

時が下ると、この寺も遠州の場所柄、戦国時代には兵火に見舞われて、
大半の諸堂が焼失してしまったそうだ。
しかし、武家の信仰も厚く、甲斐武田家、真田家や江戸時代の徳川家によって、復興されている。

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(岩水寺の庫裏、本堂と鐘楼。)
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(境内案内板。)

入口側には、弘法大師像や鐘楼堂があり、鐘楼堂には、400年前の礎石が一部使われている。
その大師像の横から、奥に行く道が続き、赤い奉納幟が沢山翻っている。

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(弘法大師空海像。)

山裾から奥に入る様に境内は広がり、本堂はその一番南側にあるので、入って直ぐの場所にある。
これ程の大寺であるが、この寺には、この規模に相応な山門が無い。
かつては、大きな仁王門があったが、明治21年(1888年)の大火災で焼失した為、
本堂の南方にあった江戸時代建築の総門を、本堂前に移築したそうだ。
なお、現在も再建途中であり、殆どの建物は、明治時代以降の再建になっている。

山門の左右の仁王像は、室町時代から江戸時代にかけての制作だそうで、
全長約200mある石垣は、鎌倉時代から室町時代に作られたものである。
本堂前は、川に挟まれているので、かなり狭い。

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(本堂前の仁王門。)

山門を潜ると、木造唐破風造りの本堂(地蔵堂)がある。
ここには、坂上田村麻呂の子である俊光から寄進されたと伝わる、
弘法大師空海上人作の秘仏・厄除子安地蔵が本尊として祀られている。

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(本堂の地蔵堂。)

元々の宗派は、奈良の興福寺に属する法相宗で、現在は高野山真言宗になっている。
地蔵尊は、普通は男性であるが、この寺は珍しい女性である事から、
家内安全、安産祈願や子授け等に、特に縁起があるそうだ。
また、坂上田村麻呂の奥方である玉袖姫がモデルと言われ、
毎年、正月の三が日に御開帳されている。

玉袖姫は、この浜松の地で坂上田村麻呂と出会い、奥方となって、俊光を身籠ったそうだが、
その正体は、遠江沖の海に住む赤い大蛇で、天竜川の龍神の化身でもあったそうだ。
出産直後、田村麻呂に正体を見られた玉袖姫は、
袖ヶ浦(現在の浜松市東区付近)の海に消えたと言う伝説がある。
その8年後、この地に田村麻呂が再訪し、成長した俊光が生み母親の姿を知らない事から、
かつての玉袖姫に会う為に一週間篭って祈祷をした所、発現した玉袖姫の姿を写し取ったのが、
この地蔵尊だと言われている。あくまでも、伝説ではあるが、興味深い由縁である。

右手の一段上がった高い場所に、社務所(大日堂)がある。
軒下には千羽鶴が沢山・・・子安の地蔵尊なので、普通のお寺とは、少し違う感じだ。

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(社務所前の千羽鶴。)

御手洗(みたらし)には、たんたんと水が貯えられ、
天竜川に通じる立派な龍神様の水口が、取り付けてある。

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(御手洗。)
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(龍神の水口。)

本堂の裏手も、覗いてみよう。
小川に沿って左に大きくカーブして回り込み、土手の桜も大分咲き始めている。
ここは、500本余りの桜の名所としても有名で、毎年、大勢の花見客が訪れるそうだ。
また、土手の中腹には、三体の青銅色の仏像が安置され、水子地蔵堂もある。

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脇道が分かれる交差点角の金城稲荷大明神は、赤鳥居が見事で社も大きく、
秋の祭りでは、福餅の投げ餅を行うそうだ。
また、近くには、白山神社もあり、この寺の表鬼門の守護社になっている。

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(金城稲荷大明神。)

本堂(地蔵堂)の真後ろに、薬師根本堂(-こんぽんどう)がある。
此処に、総本尊である薬師如来が安置されている。
遠州四十九薬師霊場の第二十八番札所として、眼病、肩痛や腰痛を癒やすそうだ。

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(薬師根本堂。)

また、薬師堂の東側には、赤池と言う池がある。
赤蛇の玉袖姫がこの池に入り、境内の奥にある鍾乳洞を通って、
二俣町鹿島の椎ケ脇神社に面する天竜川に通じたと言われ、
遠く信州の諏訪湖にも通じていると伝えられている。
また、この寺は開運の寺としても有名であり、赤池の水が霊水として境内を流れ、
その水が運勢を変えると言う考えが由来との事だ。
マピオン電子地図(二俣町鹿島の椎ケ脇神社)

もっと見たいが、一時間程度の観光予定なので、駅に戻ろう。
心地良い水の音を聞きながら、岩水寺を後にする。

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(本堂前の小川。山中から流れ、赤池とも繋がっている。)

また、境内の大駐車場脇の遺跡からは、浜北人と言う日本最古の化石人骨が発見されている。
縄文時代以前、旧石器時代の1万8千年から1万4千年前の新人との事。
現在、東京大学総合研究所博物館に所蔵され、研究や検証が続けられている。

龍宮山岩水寺公式HP



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平成28年1月6日再編集
2016年7月20日再編集(文体変更・文体変更・画像整理)

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category: 天竜浜名湖鉄道1日目 23話

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