hmdの鐵たびブログ ローカル線の旅

のんびりローカル線の鉄道旅を、写真を中心に「見る紀行文」で長期連載しています。

【113】遠州湖北と国鉄遺産を訪ねて・・・天竜浜名湖鉄道(16)天竜二俣駅下車観光[その1]二俣本町駅と手打ち蕎麦葉月  


この天竜二俣の町を、少し散策してみよう。
大きな町であるので、駅レンタサイクルを借りる事にする。
最近、貸し出しを始めたそうで、電動補助付き自転車や普通の自転車を借りられそうだ。
出札口の初老の男性駅員氏に申し出て、申請書に記入し、
1日料金500円と保証金1,000円(返却時に返金)を支払う。
なお、年中無休、各5台有り、9時から16時まで貸し出し可との事。

この町は、城址以外の町中心部は急坂が無いので、普通の自転車を借りよう。
今日は、早朝5時出発の為、かなりの空腹だ。先に、昼食を摂る事にしよう。
駅は、町の東の外れにあり、旧市街地中心部は、西側の秋葉街道の国道152号線沿いに、
商店街、飲食店や旅館が集まっている。
実際には、西隣駅の二俣本町駅(ふたまたほんまち-)の方が、中心部に近い。



改札の元気な中年女性駅員氏に、「いってらっしゃい」と見送られて、出発する。
駅から町の中心地まで、距離としては余りなく、駅前の県道はかなりの交通量がある。
駅前の道を西に550m、5分程走ると、天竜川支流の二俣川を渡る。
国道と接続している道路橋から、天浜線の鉄橋【赤色マーカー】が見えるので、行ってみよう。

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(天竜浜名湖鉄道二俣川橋梁。下流側から撮影。)

開業時の昭和15年(1940年)に架橋された、国登録有形文化財の二俣川橋梁である。
八幡製鉄所の鋼材を使って日本橋梁株式会社が製作した、国産のデッキガーター鉄橋は、
鉄橋上で緩やかにカーブをしており、両端は鉄橋ではなく、コンクリート橋であるのが特徴だ。
鉄橋の中央部に、銘板らしきものがあるが、この距離だと肉眼では見えない。

◆国登録有形文化財リスト「天竜浜名湖鉄道二俣川橋梁」◆
所在地静岡県浜松市天竜区二俣町二俣40-2、1601-29地先
登録日平成23年(2011年)1月26日
登録番号22-0161
年代昭和15年(1940年)、製作時期は銘板が判読不可の為、不明。
構造形式鉄筋コンクリート造単桁及び鋼製二連桁橋、橋長58m、橋台及び橋脚付。
特記天竜川橋梁の1,000m北東に位置し、二俣川に架かる。
橋長58mの単線仕様で、両端部にコンクリート造単桁橋を配し、
中央部に鋼製二連桁橋を用いる。鋼製桁はデッキガーダー。
緩やかにカーブする橋梁で、市街地景観に彩りを添える。
※文化庁公式HPから抜粋、編集。

鉄橋と並んでいる踏切前の横道を150m入ると、二俣本町駅がある。
この駅には、テナントの手打ち蕎麦屋「葉月」【食事マーカー】が入っており、
天浜線訪問時にいつも立ち寄っている店だ。
今日は店休日に当たる為、駄目もとで来たのだが・・・幸運にも営業している。
ここで、昼食を摂る事にしよう。

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(手打ちそば処葉月。駅事務室を改装してテナントとして、入居している。)

アルミの引き戸をカラカラと開けると、蕎麦屋としてはモダンな感じの15畳位の店内に、
木製のテーブルが3つあり、10人位入れる。
この店は、めかぶおろし蕎麦(かけ・1,000円)が名物であるが、
おろし大根は苦手なので、田舎蕎麦(ざる・800円)を注文する。

暫くすると、出来たてのお蕎麦が出て来た。
生蕎麦の良い香りと昔ながらの田舎蕎麦の味わいがたっぷり楽しめ、
ぼそぼそとした感じも少なく、滑らかで食べ易い田舎蕎麦である。
蕎麦汁も上品な甘さで、良い感じだ。
なお、レギュラー盛りでも、蕎麦屋としては、量があるので満足できる。
希望ならば、大盛りにも対応可能との事。

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(田舎蕎麦ざる。普通盛り800円。)

蕎麦湯とお茶を頂き、食後に少し休んだ後、この二俣本町駅も見ていこう。
二俣本町駅は、旧市街地の南端、天竜川とその支流の二俣川が合流する地点の近くにある、
単式一線の終日無人駅になっている。
開通年の昭和15年(1940年)の開業ではなく、戦後の昭和31年(1956年)12月になっており、
おそらく、地元の設置要望による駅であろう。
起点の掛川駅から16駅目、26.8km地点、所要時間約60分、所在地は浜松市天竜区二俣町二俣、
標高は48m、先程の天竜二俣駅から東に0.6km、所要時間2分ですので、徒歩でも行ける距離だ。

駅舎側が低く、コンクリート階段でホームまで上がる築堤駅となっており、
昭和中期の典型的な国鉄風の木造モルタル駅舎になっている。
駅前も広いが、住宅地の中にあり、バスやタクシーの発着は無い。

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(二俣本町駅。)

出入口の庇の派手な色と駅名の切り抜き文字が、この駅の特徴だ。
出庇と切り抜き文字は補修されて、ペンキを塗り直され、
出入口横には、元の二段窓が残っている。

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(駅名の切り抜き文字。※昨年の訪問時に撮影。)

木製の白い吊り扉を開けると・・・待合室は10畳位の広さ、壁は白く、天井が高い。
西側の新所原方に木製ベンチがあり、改札はアールのある細い金属製だ。
なお、待合室に飛び出した出札口や鉄道小荷物窓口は板で閉鎖されている。

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(改札口とロングベンチ。窓が大きく、明るい印象である。)

改札を通ると結構な高低差のある急階段で、ホームの中央部掛川寄りに上がる。
ホームを見てみよう。

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(ホームに上る急階段。)

東側の掛川・天竜二俣方は、踏切先に二俣川橋梁があり、緩くカーブしている。
向こうの大きなビルは、「テピア」と言う地元大型ショッピングセンターだったが、
現在は閉店している。
また、掛川寄りには、国鉄時代と思われる照明付き駅名標がそのまま残っている。

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(掛川方。)
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(国鉄時代と思われる照明付き駅名標。)

掛川寄りから、単式ホーム全景を眺めると・・・
新所原方は盛り土ホームであるが、掛川方はコンクリートパネルの床面を、
下から鉄骨柱で支えている戦後国鉄の省力化構造になっている。
コンクリートは年月に拠る風化が激しく、表面はかなり荒くなっている。

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(二俣本町駅ホーム全景。)

新所原寄りには、小さな待合室も設置されている。
外装はトタン風、窓ガラスも取り外されているが、中は木造ベンチがあり、
老朽化とガラス破損防止の為に補修改装されたのだろう。

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(ホーム待合室。)
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(待合室内。簡易な作りであるが、駅開業当時のものであろう。)

西側の新所原方は、急崖下と盛り土部を走ると、
カーブの先に、トンネルと天竜川を渡る大鉄橋があるが、駅から距離があるので、見えない。
なお、駅の南側は平坦地ではなく、鳥羽山が天竜川の河岸近くまで迫り出しているので、
山の背面の斜面部にこの駅があり、その為、周りの住宅よりも高い位置になっている。
国土地理院国土電子Web(二俣本町駅)

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(新所原方。)

今年の春、ホーム階段横に「天使の椅子」と言うアート椅子が置かれた。
地元特産の天竜杉を使い、宮大工とチェーンソーアーティストの共同制作したそうで、
地元産の木材を使ったアート作品を、ローカル線の無人駅に設置する第一弾だそうだ。
とても面白い企画だと思う。此処に座っての記念撮影も可である。

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(アート椅子「天使の椅子」と観光駅名標。観光駅名標は、転換時に設置された。)



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2016年1月5日再編集
2016年7月20日再編集(文体変更・文章講座・画像整理)

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category: 天竜浜名湖鉄道1日目 23話

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