hmdの鐵たびブログ ローカル線の旅

のんびりローカル線の鉄道旅を、写真を中心に「見る紀行文」で長期連載しています。

【109】遠州湖北と国鉄遺産を訪ねて・・・天竜浜名湖鉄道(12)車窓編 遠州森駅から、天竜二俣駅へ。  


時刻は11時過ぎ・・・遠州森駅に戻って来た。
借りていた自転車を返却する。自転車を格納している倉庫は、昔の転轍機操作てこ小屋らしい。

この遠州森駅から、更に西進して、沿線の最大の主要駅である天竜二俣駅に向かおう。
今度の下り列車は、11時21分発になるので、待合室で暫く待つ事にする。
忘れずに、スタンプラリーの駅スタンプも、押しておく。

数分前になると、初老の駅長氏から列車案内があり、駅撮影と観光案内のお礼を丁寧に言い、
構内踏切を渡って、下り2番線ホームに向かおう。
遠くから、「フィー」と言う汽笛が響き、鉄橋を渡るガラガラ音が聞こえると・・・
2両編成の下り125列車・新所原行きがやって来た。
先頭車は、「宝くじ号」号のTH9200、後ろは、TH2106の2両編成で、
ワンマン運転の為に2両目の後方扉からの乗車になる。
スタンプラリー用の整理券も、忘れずに取っておく。

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(下り125列車・新所原行きに乗車する。)


(※訪問時は、森町病院前駅は開業していない。)

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【停車駅】◎→列車交換可能駅 ★→登録文化財駅
遠州森◎★1121====円田====遠江一宮◎★===
下り125列車・普通新所原行(TH9200+TH2106・2両編成)
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先着していた上り124列車・掛川行きのTH2104と列車交換をし、
ディーゼルエンジンを轟かせ、定刻に発車して行く。
2両編成の乗客は数名で、車窓撮影の為に列車最後尾の運転席横に陣取る。

この遠州森駅から天竜二俣駅までは、南アルプス最南端の低山際を縫う様に線路が伸びている。
なお、天竜二俣駅までは、路線キロ13.4km、所要時間約20分かかる。

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(遠州森駅を発車する。当列車後方の遠州森方を撮影。)
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(TH2106の車内。)

西に1.3km走ると、真新しい大きな高架橋【赤色マーカー】をアンダーパスする。
建設中の新東名高速道路で、この森町に、インターとパーキングエリアが、
設置される定になっているそうだ。

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(新東名高速道路の園田高架橋。上り114列車から後方の天竜二俣方を撮影。)

また、遠州森駅から、次の駅の円田駅(えんでん-)までの約2kmは、
左右の開けた直線が続き、左窓には、太田川沿いの大水田が広がっている。
列車の速度はかなり速く、後部運転席の速度計を見ると、時速80km近い。
そして、切り通し部の緩やかな登り坂を登ると、円田駅に約3分で到着する。

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(円田駅前の切り通し部。当列車後方の遠州森方を撮影。)

円田駅は、第三セクター転換後の昭和63年(1988年)3月に開業した単式一線の無人駅になる。
ホームには、「次郎柿の里」の大きなブリキ看板が掲げられており、
この森町が原産地で、町の特産品にもなっている。
森町太田川に架かる森山橋の近くに、樹齢160年にもなる原木が、保存されているとの事。
なお、円田の地名の由来は、はっきりと判っていないそうだ。

また、円田駅の正面向かいには、小さな森と八雲神社【鳥居マーカー】があり、
右の車窓からも見える。
天浜線の運転士達も、運行安全の願掛けをしているそうだ。
この神社は、南向きなので、春の花木が咲き始めている。

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(円田駅。当列車後方の遠州森方を撮影。)
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(円田駅正面の八雲神社の石鳥居。向こうには、金生寺もある。)

短い汽笛が一声後、円田駅を発車すると、直ぐに大きく右にカーブし、
南アルプス端の山裾を横断する2km近い直線のピーク【黄色マーカー】を越える。
エンジンは全開、独特で豪快なカミンズサウンドが車内に轟くスリリングな区間で、
先にトンネルがある様に見えるが、木が左右から覆い被さった「木のトンネル」になっている。

なお、カミンズエンジンとは、米国カミンズ社の汎用ディーゼルエンジンの事で、
甲高い乾いた豪快なエンジン音が特徴である。
本来は、船舶用に設計されたが、鉄道車両用にも転用されたハイパワーエンジンである。
国内では、昭和57年(1982年)に、大井川鐵道井川線の専用機関車DD20形に初めて採用。
後に、JR東海特急型気動車キハ85系、JR東日本キハ100・110系等や、
非力な国鉄気動車キハ40系の換装エンジンとして採用され、その高性能が評判になった。
最近は、国内非電化ローカル線鉄道向けの新型気動車に、採用される事も多い。
国鉄時代の国産ディーゼルエンジンよりも、遥かに高出力・高トルクで、
気動車の走行や加速性能の改善に大きく寄与し、電車並の性能に達している。
カミンズジャパン公式HP

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(円田駅から遠江一宮駅間の大ピーク。上り114列車の後方から天竜二俣方を撮影。)



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【停車駅】◎→列車交換可能駅、★→登録文化財駅
=遠江一宮◎★===敷地===豊岡◎===上野部===1142天竜二俣◎★
下り125列車・普通新所原行(TH9200+TH2106・2両編成)
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中間地点の踏切付近のピークを越え、今度は下り勾配を走り、左にカーブすると、
朝に訪問した登録文化財駅の遠江一宮駅に到着する。
此処での列車交換はなく、直ぐに発車となる。

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(遠江一宮駅を発車する。当列車の後方を撮影。)

遠江一宮駅から先は、100-130m程度の低い山の間に、平地が広がる風景の中を走り、
南アルプス末端の山裾を迂回しながら走るので、カーブが意外と多い。
暫く、真っ直ぐに走った後、90度近く右にカーブをし、低山に挟まれ、
一宮川支流の敷地川が流れる南北に細長い谷間に入り、線路は北寄りに進路を取る。

なお、この右カーブを曲がる角の場所に、一宮川が流れており、
そこに架かるプレートガーター鉄橋【青色マーカー】は、国登録有形文化財に指定されている。

◆国登録有形文化財リスト「天竜浜名湖鉄道一宮川橋梁」◆
所在地静岡県袋井市川会地先
登録日平成23年(2011年)1月26日
登録番号22-0168
年代昭和15年(1940年)
構造形式鋼製単桁及びコンクリート造二連桁橋、橋長40m、橋台及び橋脚付。
特記橋長40m、単線仕様の鋼製単桁橋及びコンクリート造二連桁橋からなり、
全体で緩やかな曲線を描く。橋脚は鉄筋コンクリート造。
端部の上路式RC桁、河川上の下路式鋼製桁と、変化のある景観をつくる。
文化庁公式HP内国指定文化財等データベース該当ページ(写真あり)
※文化庁公式HPから抜粋、編集。

この南北に伸びる谷間は、南アルプス最南端のふたつの山裾に挟まれて、特に狭い。
しかし、線路は殆ど平坦なので、列車の速度も時速60km以上と速い。
左窓に広大な田圃、右窓の山裾に茶畑が広がり、柿の名産地にもなっている。

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(当列車の後方を撮影。)

次の敷地駅は、国鉄二俣線開業時の単式一線の駅であるが、ホームや駅舎は近代化され、
ホームには錆びた国鉄時代の駅名標だけが残っており、柿の立体看板が名物になってる。
太古の昔には、「あばれ天竜川」と言われていた天竜川の河原だったそうで、そのスケールに驚く。
地名や駅名も、それに由来しているそうだ。
天竜浜名湖鉄道公式HP・敷地駅※駅舎と柿の立体看板が見られる。

敷地駅の先は、掛川駅から数えて、みっつ目のピーク越え【白色マーカー】になり、
低い山の稜線が途切れた場所を左に大きく弧を描きながら横断する。
標高はあまりないが、長くて緩い登り勾配、短いトンネル、直線の下り勾配を走り抜け、
西向きになった線路が右カーブをした後、次の豊岡駅に到着する。
なお、車窓からは見えないが、このピーク西側には、ヤマハ発動機等の大工業団地がある。
国土地理院国土電子Web(敷地駅先のピーク付近)

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(敷地駅から西ノ谷を登る。高架橋は新東名自動車道。当列車の後方から撮影。)

豊岡駅は、平成14年(2002年)にホームが二面二線に増設され、列車交換が出来る。
地元商工会支所と併設した駅舎になっており、近代化している。
この豊岡は、磐田市北部になり、市役所支所、病院や商店街が集まる中心地になっている。
かつては、天竜川の広大な河原だったので、平地が広がり、駅周辺も建物が大変多い。
しかし、天竜川は駅から見えず、約1km西側に流れている。
天竜浜名湖鉄道公式HP・豊岡駅

豊岡駅では、数人の乗降を済まして発車。
住宅地の中の真っ直ぐな緩い登り坂を登り、次の単式一線の上野部駅は、
カラフルに塗られた横板壁の小さな木造待合室とがあり、
天竜川に一番近い駅」と謳っている駅であるが、天竜川は西側100m先の為、川面は見えない。
また、天浜線で、最も乗降客が少ない駅との事で、一日10人以下との事。
天竜浜名湖鉄道公式HP・上野部駅※待合室の写真が見られる。

上野部駅から町から離れ、小さな谷間の田圃の中を盛り土で横切ると、
川辺まで伸びたふたつの山裾を、長めの二本のトンネルで連続通過する。
一本目のトンネルは、神田トンネル【トンネルマーカー】と言い、
国登録有形文化財に指定されている。
実は、このトンネルは、国鉄二俣線開業時に掘削されたものではなく、
開通前に廃線となった、光明電気鉄道のトンネルを転用したものだ。

◆国登録有形文化財リスト「天竜浜名湖鉄道旧光明電気鉄道神田隧道」◆
所在地静岡県磐田市上野部字神田2434-5他
登録日平成23年(2011年)1月26日
登録番号22-0167
年代昭和5年(1930年)※光明電気鉄道開通時。
構造形式コンクリート造、延長260m、幅員4.6m。
特記天竜二俣駅の1,000m南東に位置する。
延長260m、単線仕様、馬蹄形アーチ断面になるコンクリート造の隧道。
光明電気鉄道の軌道として建設されたもので、
坑門には迫石及び笠石を表現するなど、丁寧な仕上げが見られる。
文化庁公式HP内国指定文化財等データベース該当ページ(写真あり)
※文化庁公式HPから抜粋、編集。

最後の二本目のトンネルを抜け、坂を少し下って、左にカーブすると・・・
突然、大きな車両区と構内が見え、天竜二俣駅下り2番線に到着する。
この駅で、下車しよう。

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(最大の途中主要駅である天竜二俣駅に到着する。)



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2016年1月5日再編集
2016年7月15日再編集(文体変更。文章追加・画像整理)

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category: 天竜浜名湖鉄道1日目 23話

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