hmdの鐵たびブログ ローカル線の旅

のんびりローカル線の鉄道旅を、写真を中心に「見る紀行文」で長期連載しています。

【90】木造レトロ駅めぐり・・・大井川鐵道2011(7)千頭駅 その3 駅構内編  


駅構内を見学してみよう。
構内は、中小ローカル民鉄としては広大で、多くの側線があり、車両が沢山留置されている。
現在、井川線の千頭-奥泉間が、落盤防止工事の為に部分運休(※1)しており、
留置している井川線の客車は殆ど無く、普段よりもがらんとしている。

昨年、東京の西武鉄道から譲渡されたE31形電気機関車3両が、
金谷方から、E34、E32、E33号機の三重連の状態で、
本線ホームと井川線ホームの間の側線に留置されている。
南側のE34とE32号機は、パンタグラフを上げて通電起動中になっており、
ブーンと言う抵抗器の音が、車体から小さく鳴っているのが聞こえて来る。

【元・西武鉄道 E31形直流電気機関車(二代目/E32・E33・E34号機)】
昭和61年(1986年/E32・E33)製、昭和62年(1987年/E34)製、西武鉄道所沢工場製造、
全長11.0m、自重40.7t、B-B軸配置、吊り掛け駆動、モーター4基、
一時間定格出力520kW、重連総括制御可。

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(E34、E32、E33号機が順に並ぶ。)

E31形の台車は、国鉄80系電車の台車を流用したもので、
旧型のE10形と比べると全長が1m短く、出力も約13%小さくなっている。
長らく、西武鉄道で貨物や臨工列車(工事列車)の牽引をしていたが、
それらの廃止の為、平成22年(2010年)9月に大井川鐵道に譲渡された。
現在、活躍中の旧型電気機関車のE10形(101・102)やED500形(いぶき501)の後釜だと
言われているが、まだ、本線運用には入っていない(※2)。

この電気機関車も、大井川鐵道の保存鉄道の方針に従い、
ほぼ、西武鉄道時代の仕様のままで、運用される模様だ。
未確認だが、E33号機は部品取り用との事。
なお、トップナンバーのE31号機は、西武鉄道で保存されている。

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(E31形の台車。)
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(E31形同士の連結部。)

本線ホームと井川線ホームの間は、線路を取り払い、ミニ鉄道公園が設置されている。
大正時代の代表的蒸気機関車である9600形蒸気機関車や旧型電気機関車E10形(103)の
静態保存機の他、腕木式信号機、レール、車両の部品等が野外展示されている。

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(腕木式出発信号機。移設されたものであろう。)

キューロクこと、49616号機は、大正9年(1920年)・川崎造船所(のちの川崎車両)の製造で、
北海道の国鉄北見機関区から静態保存の為、昭和51年(1976年)に大井川鐵道に入線している。

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(キューロクこと、国鉄9600形蒸気機関車とE103。)

井川線のホーム下沿いには、鉄道部品が展示してある。
戦時出征蒸気機関車である、C56-44号機の泰緬鉄道時代からタイ国鉄時代の動輪がある。
タイの鉄道の軌間は、丁度1,000㎜のメーターゲージで、日本国鉄の軌間よりも67㎜狭いが、
その差が少ないので、日本からタイへ出征する際は車輪を事前交換し、
各部を調節するだけで、走る事が出来たそうだ。

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(C56-44号機のメーターゲージ動輪。)

米国のカーネギー、カメル、トロイ製や日本の八幡製作所製の古いレールが展示されている。
また、国鉄信越本線の軽井沢駅から横川駅間で、実際に使われたラックレールもある。
中でも、最も古いレールは、米国トロイ製鉄所製の1880年製25kgレールで、日本では明治13年になる。
これらは、大井川鐵道開業時に集められた輸入レールであろう。
また、最軽量は、22kgのカメル製鉄所製(1898年製)で、今のレールの半分程度の重さしか無い。

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(古いレールのカットモデル。)
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(国鉄信越本線のラックレールと鋼製枕木。後ろは、C56-44号機のタイ国鉄時代の排障器。)

タイ国鉄時代のC54-44号機の部品や電鈴踏切の電鈴等も展示されている。
錆止めのペンキも丁寧に塗られており、状態は良好である。
後方を見ると、井川線ホームの擁壁は、川石を使っているのが判る。

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井川線のホームから山側の側線を見ると、井川線のミニ貨車が留置されている。
井川線のミニ貨車は、全て中部電力の所有車になり、
形式表記の前に、「C」のアルファベットが打たれている。
現在も、ダムへの物資輸送や線路の保線工事等に使われているそうだ。

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金谷方から順に、Cトキ232/Cト105/Cト101/Cワフ4/Cト109/Cワフ2/
Cワフ3/Cワフ1/Cト103の9両編成が留置され、この雑多な感じが良い。
なお、Cトキ232とCト103は、側面のあおり戸が外されている。
国鉄貨車と比べても大変小さく、後の普通の大きさの電車と比べても、まるでミニチュアの様だ。

【Cトキ200形/木製長無蓋車】
全長11.0m、自重9.6t、荷重16.0t、ボギー台車、在籍9両。
この車両は、全てのあおり戸を外している。元は、木材運搬車である。

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(Cトキ232。)

【Cト100形/鋼製短無蓋車】
全長5.5m、自重4.8t、荷重8.0t、二軸車、在籍10両。
今では、大変珍しい板バネ台車の二軸貨車である。

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(Cト105。)

【Cワフ0形/有蓋車兼緩急車】
全長5.9m、自重5.0t、荷積4.5t、二軸車、在籍4両。
車端部に車掌室がある緩急車で、乗務員扉は片方のみある。

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(Cワフ4。)

このCワフ0形の1と4は、井川線用3/4自動連結器と本線用の自動連結器を並装し、
本線の電気機関車と連結が可能で、井川線車両の本線乗り入れ時のアダプターになっている。
他、変圧器や重機を輸送する、大物車のCシキ300形(在籍1両)もある。

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(ふたつの連結器が、縦に並んでいるのが判る。トリミング処理済み。)

井川線の6番線ホームまで行ってみると・・・
井川線ホームのレールは錆び、客車のスロフ305が1両だけ留まっている。
千頭駅から奥泉駅までは、落盤防止工事の為、部分運休中になっている(※1)。

このスロフ300形は、全長11m、全幅1.84m、全高2.69m、自重10.5t、
定員55名(座席37名)の井川線専用小型客車である。また、半室展望車も1両ある。

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(井川線6番線ホームと井川線の旅客用客車スロフ300形305。)



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(※1)復旧したが、2016年6月現在、接岨峡温泉駅から終点の井川駅まで運休中。
(※2)本線運行は未定。E32とE34は新金谷車両区で入換機として使われている。E33は下泉駅に留置。

2016年1月21日再編集
2016年6月21日再編集(文体変更・文章追加・画像整理)
2017年3月15日再編集(画像調整)

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category: 大井川鐵道本線2011 全14話

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