hmdの鐵たびブログ ローカル線の旅

のんびりローカル線の鉄道旅を、写真を中心に「見る紀行文」で長期連載しています。

【87】木造レトロ駅めぐり・・・大井川鉄道2011(4)家山駅 後半の部  


木造の改札を通ると、20畳位の広い待合室がある。
白いガラス窓枠、電光広告板、L字に配された座面奥が低い木製ロングベンチ、
中央には六角形ベンチが据えられていて、大変レトロな作りになっている。
これを見る為だけでも、この駅を訪問する価値がある言えるだろう。

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(待合室の六角形ベンチ。老朽化の為、補修してある様だ。)
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(千頭方と線路側にロングベンチがあり、20人位座れる大きなものだ。)
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(改札と出札口。)

壁面上部には電光広告板がずらりと・・・昭和の雰囲気がたっぷりだ。
これだけ残っている駅も、今では、少なくなっていると思う。
ここに、旧国鉄二俣線沿線の遠江遠州森の広告があるのも、何故か味がある。

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(待合室の三方にぐるりと電光式広告がある。)

じっと、眺めるだけでも楽しい・
その中でも、出入口の上の眼鏡屋さんの看板は、特にレトロなデザインで、
今でも、島田駅前にあるそうだ・・・市内局番も一桁になっている。
お馴染みの大鉄フードの看板もあり、家山の桜並木の国道沿いに、
握り飯や弁当等を販売する売店がある。

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出札口は、他の駅と比べてもガラスの部分が大きい。
手前木造の小テーブルや、ガラスに開けられた通話用の小さな穴が、良い雰囲気を出している。
駅員氏の手書き発車時刻表も、良い感じだ。

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(出札口。左の青いカードは、SL急行の編成案内になる。)

駅前に出てみよう。
小さめの駅前広場があり、タクシーも2-3台が止まっている。

駅舎の屋根は、大井川鐵道標準の瓦葺きで、他の駅の出庇は朱色だが、
この駅の駅前側は青色になっていて、爽やかな印象を受ける。
また、平成23年(2011年)2月に、駅事務室を一部改装して、直営売店が出来ている。
団体客の乗降が多い為、以前からの要望に応えたとの事で、
菓子、飲み物、土産や大井川鐵道オリジナルグッズ等を販売している。

折角なので、売店に立ち寄り、飲料とチョコレートを購入する。
売店の女性店員の話では、昨年よりも桜の開花が遅く、恒例の桜まつりも中止となったので、
観光客がかなり少ないとの事だ。

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(家山駅駅舎本屋。)
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(SLの里家山駅売店。暖簾には、大井川鐵道の社章があしらわれている。)

駅から見える東屋がある小高い山は、天王山公園と言い、町のシンボルになっている。
標高は168mもあり、此処に古墳があるそうだ。
この家山は、観光の見処も多く、駅構内の桜並木や通称「桜トンネル」という国道の桜名所、
元・三日月湖だった野守の池、全国でも珍しい足のお地蔵様がある三光寺や、名物の食べ処も多い町だ。
年間行事としては、3月下旬から4月上旬の「家山桜祭り」が、最も有名で、大変な人出になる。

また、駅前も昭和な雰囲気をほのかに残しており、駅前駐輪場の壁に手書きの大きな街路地図もある。
最近、見掛けることも、少なくなっている。

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(駅から真っ直ぐ道路が伸びる。古墳である天王山公園を望む。)
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(大型の手書き街路地図。)

近年、駅構内駐車場南側に、一度に20人が利用出来る足湯が出来、人気を博しているとの事。
金・土・日・月曜日と祝日の12時から16時まで、無料で利用出来る。
湯は川根温泉の源泉を運んでいるそうだ。

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(家山駅近くの足湯施設。)

此処で、この家山について、少し触れておきたい。
元・榛原郡(はいばら-)川根町の中心地として、栄えてきた町である。
現在の駅周辺の人口は約2,000人、地名は、中国語の意味で「ふるさと」という意味があり、
唐代の詩人である銭起(せんき)の漢詩に由来していると伝えられている。
近隣の福用地区も、大陸からの渡来人の伝承があるので、その由縁かもしれない。


(国土地理院国土電子Web・家山付近。)

地形的には、家山原と言われる、大井川と支流の家山川が合流する場所で、
大昔は、大井川の流れが流れ込んでいた氾濫原だったそうだ。
水利が良く、広く開けたこの土地には、縄文時代から人が住んでおり、
大井川流域としては珍しい、古墳もある。
また、家山川上流の塩本地区には、戦国時代末期の市城(いち-)の跡があり、
当時、この付近を支配していた地侍の鈴木源九郎の築城と言われ、近くに墓もある。
現在、城址は茶畑になっているそうだ。

江戸時代までは、戸数の少ない荒地の寒村だったそうだが、
明治に入り、又平庄太郎(またひらしょうたろう)と言う人物が製材所と木材問屋を設け、
駅の西にある野守の池を貯木場に活用し、次第に活気づいていった。
明治中頃に、又平庄太郎が船着場を大井川に建設すると、人の往来も多くなり、
旅館、銀行や映画館等も出来、このエリアの中心地になって行った。
昭和35年(1960年)、役場が此処に移転してからは、更に人口が増え、
現在も、島田市川根支所、銀行、小学校や商店等が集まっている。
なお、駅の直ぐ北側には、又平庄太郎の功績を称える顕彰碑が建っているそうだ。

駅に戻り、ひと休憩しながら、列車を待つことにしよう。
改札前には、側線のダルマ転轍機やリアカーがゴロンと転がっており、
勿論、今も使われている様だ。

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(改札前のダルマ転轍機。円盤状のものは錘で、結構重い。)
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(家山止まりの団体SL列車到着後の車内清掃時に、車内のゴミ等を運ぶ為に使われている。)

窓のガラスは、わずかに歪むアンテークガラスだ。

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今度の下り千頭行きは、9時48分発になる。
それまで、ベンチで休んで、昭和の雰囲気を味わうことにしよう。

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2016年1月21日再編集
2016年6月20日再編集(文体変更・文章追加・画像整理)
2017年3月15日再編集(画像調整)

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category: 大井川鐵道本線2011 全14話

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