hmdの鐵たびブログ ローカル線の旅

のんびりローカル線の鉄道旅を、写真を中心に「見る紀行文」で長期連載しています。

【163】信州松代、あるローカル線の最後の秋に訪ねて・・・長野電鉄屋代線(8)須坂駅 その1 ホーム見学編  




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【停車駅】◎→列車交換可能駅 〓→主な鉄橋
綿内◎0942====井上==〓=〓==0950須坂(※屋代線終点)
上り410列車・須坂行き(←3526+3536 長野電鉄3500系O6編成・2両編成)
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綿内駅(わたうち-)1番線ホームに、須坂行き電車が滑り込んで来る。
発車間際には、乗車客が更に増えて、8人が乗車する。
乗客の他に、父親に連れられた幼稚園位の小さな女の子や、車で来た子供ふたり連れの家族が、
駅見学や電車の見送りに来ており、一時賑やかになる。

IMGP6914.jpg

通勤通学の時間帯は過ぎたが、2両編成の車内は、30人程の乗客数だ。
発車後、線路が単線に纏まると、大きくて緩い右カーブを曲がり、直線に入る。

この付近も、住宅、果樹園や畑が混在しており、ローカルさが残る風景になっている。
上信越自動車道の須坂長野東インターチェンジと高速道高架下を過ぎ、井上駅に停車。
井上駅は棒線駅の小さな駅だが、意外にも、数人の乗車客がある。

井上駅を出て暫く走ると、見晴らしが良い築堤に上り、
ふたつの鉄橋を渡った後、築堤をなだらかに降って行く。
線路際に、住宅が多くなって来くると、間も無く終点の須坂駅だ。
自動アナウンスの案内も始まり、右手に側線とその先の左手に本線が見えると、
減速しながら駅構内に進入する。

9時50分、綿内駅から所要時間8分で、須坂駅4番線ホームに到着。
隣の中線(なかせん)には、長野電鉄のマスコット電車で昨年春に引退した、
長野電鉄2000系A編成マルーン色が留置されている。
数人の撮り鉄もホームに来ており、ちょっとした撮影会になっている。

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この須坂駅は、長電長野駅と湯田中駅を結ぶ、長野電鉄本線の一番の途中主要駅であり、
屋代線の終着駅でもある。(厳密には、今は須坂方が上りの為、起点駅である)。
屋代線の前身・河東鉄道開通時の大正11年(1922年)6月開業の古い駅で、
起点の屋代駅からは、12駅目、24.4km地点、所要時間約36分になる。
本線の長電長野駅からは、12駅目、12.5km地点、所要時間約25分(普通電車利用)になる。

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大正11年(1922年)6月、現在の屋代線である屋代駅から須坂駅までが先に開業し、
3年後の大正14年(1925年)7月に、木島駅(現在廃止※1)まで延伸開通した。
実は、長電長野駅から須坂駅までの現在の本線は、長野電気鉄道による敷設で、
大正15年(1926年)9月に、河東鉄道に合併されて現在に至っている。
その際、今の社名の長野電鉄に社名変更している。

かつては、”屋代-松代-須坂-木島・湯田中”の屋代線ルートが、国鉄信越本線にも接続し、
国鉄直通急行も乗り入れる程のメインであったが、時代の移り変わりと共に、
現在の本線の”長電長野-須坂-湯田中”ルートが、メインに変わった。

須坂駅のホームは三面五線、島式ホーム二面四線と単式ホーム一面一線が、
北東・南西方向に配置されている。
鉄骨Y字柱にストレート葺き旅客上屋の簡易な近代的ホーム、改札口や駅事務室は橋上化している。
丁度、ホーム上方は、自由通路の工事をしている。

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(3・4番線湯田中方ホーム端から。)
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(1・2番線長野方ホーム端から。)

なお、須坂駅は駅長室側が1番線ではない、逆番線振り分けの駅(※2)になっている。
1-2、3-4、5番線の組み合わせとなり、上り長野行きは列車によって、発着番線が違う。
本線の約半分の列車は、長電長野駅と須坂駅間の区間運転列車なので、
2番線は、この駅での折り返しに使われている。
5番線は、古くて狭いコンクリートの単式ホームが残っているが、通常は使われていないそうだ。

〈西・電留線側/下写真左側〉
1番線・本線下り;小布施・信州中野・湯田中方面
2番線・本線上り;長野方面(長野方への折り返しに使用)
3番線・本線上り;長野方面
4番線・屋代線下り;松代・屋代方面
(中線あり/2000系留置中。)
5番線・臨時ホーム
〈東・駅舎側/下写真右側〉

本線の駅時刻表を見ると・・・
上り長野方面は、長電長野駅-須坂駅間の区間運転が多い事もあり、
朝夕のラッシュ時は、1時間に普通電車が3-4本、それ以外は2-3本になっている。
特急電車も、朝7時台から夜21時台まで、大凡、1時間に1本運行されている。
(時刻表の赤字と緑字が、特急電車である。)

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下り信州中野・湯田中方面は、上り電車よりも、本数が少なくなっている。
朝夕のラッシュ時は、1時間に普通電車が2-3本、それ以外は1-2本。
特急電車は、朝7時台から夜22時台まで、大凡、一時間に1本だ。

また、信州中野駅から終点の湯田中駅までは、30パーミル以上の急勾配が続く為、
抑速ブレーキ装備の電車でないと、運行が出来なくなっている。
その為、殆どの下り普通電車は、途中駅の信州中野駅止まりになっており、
その先の湯田中方面へは、乗り継ぎになる。
1日数本の普通電車と全ての特急電車のみ、その急勾配区間に乗り入れている。

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ホーム南側の長野・屋代方を眺めてみよう。
須坂駅には車両基地が隣接しており、大きな車庫や沢山の電留線が並んでいる。
黄色い建物寄りの左向こうが屋代線、車庫寄りの中央向こうが本線・長野方面になる。

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ホーム北側の小布施(おぶせ)・信州中野・湯田中方は、
長い電留線の一番北側に車両検修区があり、大きな検修庫が建っている。
なお、本線と言えども、屋代線と同じ単線電化路線である。

IMGP6920.jpg

丁度、須坂駅9時59分発の長野行き特急「ゆけむり」(A特急)が、上り3番線に入線して来た。
この長野電鉄1000系特急電車(二代目)は、南関東の小田急電鉄10000系の譲渡車であり、
お馴染みの、ロマンスカーである。

4両編成に短編成化されているが、小田急カラーも、ほぼそのままで使われている。
特急料金は全区間が、大人100円・小児50円と格安、長電フリー乗車券と併用可、
個室を除き全席自由席になっており、気軽に利用できるのが嬉しい。
長電長野駅から湯田中駅まで、所要時間約45分で結んでいる。

なお、近鉄特急の甲特急・乙特急の様にA特急とB特急の区分があり、
Aは停車駅を極力少なくした快速特急、Bは停車駅がやや多い普通特急である。
特急料金は、どちらも同じになっている。

IMGP6923.jpg

特急に、数人の乗客が乗り込んでいる。
5分後に発車の為、乗務員が慌ただしく、出発前の準備をしている。
隣の車両は、折り返しの長野行き普通電車である。
この長野電鉄8500系も、南関東の東急電鉄8500系の譲渡車で、
3両編成の本線用普通電車として運用されている。

IMGP6927.jpg

特急の発車を見送った後、3・4番線の長野方ホーム端に行くと・・・
オブジェコーナー「鐵道古展」がある。
長野電鉄で使われていた、転轍機標識(てんてつき-)や操作てこ等がずらりと並んでおり、
遠目で見ると、まるで宇宙人の様だ。

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頂上に付いたランプは、スプリングポイントと普通転轍機の夜間認識用ランプ、
その下の青黄の板も、運転士や構内係にポイントの切り替え方向を現示するものだ。
横には、転轍機の操作てこもある。
右端のバツ印は、車止め(レール終端標識)とダルマ式転轍機(手動式ポイント操作レバー)、
経度・緯度と海抜を表示した古い駅案内板、車種は不明だが、車輪が展示されている。

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(1・2番線ホームから撮影。)



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グーグルマップの屋代線の線路部分は、廃線の為に削除されています。
駅の所在地は正しいので、参考程度として下さい。

(※1 木島駅)
平成14年(2002年)3月、信州中野駅から木島駅を結んでいた木島線の廃線により、廃止。
なお、信州中野駅から湯田中駅までは、昭和2年(1927年)2月の開通である。
マピオン電子地図(元・長野電鉄木島線 木島駅 1/15万)

(※2 ホームの番線の振り方)
駅のホームの乗り場番号は、原則として、駅長室がある側から1番線となるが、
改装工事等で変更され、当てはまらない場合もある。

2016年1月13日再編集
2016年8月13日再編集(文体変更・文章追加・画像整理)

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category: 長野電鉄屋代線1日目 20話

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