hmdの鐵たびブログ ローカル線の旅

のんびりローカル線の鉄道旅を、写真を中心に「見る紀行文」で長期連載しています。

【160】信州松代、あるローカル線の最後の秋に訪ねて・・・長野電鉄屋代線(5)若穂駅  




信濃川田駅(しなのかわだ-)から、隣駅の若穂駅(わかほ-)に向かおう。
須坂方の一駅隣で、駅間距離は1.5kmになる。
須坂行き電車の発車5分前には、地元の社会人3人と女子高校生2人が駅にやって来た。
この古い木造駅の往年の賑やさを、少しだけ想像させる。

須坂行き電車が1番線に到着すると、全員が乗車する。
2両編成の車内には、30人近い通勤通学客が乗車しており、
ローカル線の静かなラッシュアワーになっている。
高校生達が大半であり、終点の須坂に学校があるのだろう。

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【停車駅】◇→列車交換可能駅、〓→主な鉄橋
信濃川田◇0752=〓===〓===0755若穂
上り406列車・須坂行き(←3521+3531/O1編成・2両編成)
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線路が纏まると、赤野田川の小さなプレートガーター鉄橋を渡り、
上信越自動車道の盛土部が右手から近づいて来て、並走する。
二本目の赤い鉄橋の保科川を渡り、高速道路と共に二車線の県道踏切を越えると、
所要時間3分程で若穂駅に到着する。

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下車は自分だけで、通学の高校生達が3、4人乗車、電車は直ぐに発車して行く。
ホームの二ヶ所に、私鉄風の建植式駅名標があるが、両方共にかなり色褪せており、
一目では駅名が判らない。

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この若穂駅は、長野市若穂綿内(わかほわたうち)にある、60m級単式ホームの無人駅になる。
起点の屋代駅からは9駅目、17.2km地点、所要時間約23分、所在地は長野県長野市若穂綿内、
標高は340m、昭和41年(1966年)7月開業の地元要望による追加新設駅である。
なお、ホームは北東・南西方向に配され、直ぐ横に高速道路がある。
国土地理院 国土電子web(長野電鉄若穂駅)

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長野市でも最東部の若穂地区は、昭和34年(1959年)、町になる為に合併した際に、
綿内村(たうち-)、川田村(わだ-)、保科村(しな-)の頭文字を、
一字ずつ取った人造地名になっている。
現在では、「若穂川田」の様に、”新地名+旧字”の様に表記しているそうだ。
また、旧郡名は上高井郡で、昭和41年(1966年)10月に長野市に合併している。

北東の須坂方は、山裾に向かって走るが、大きく左にカーブして回避する。
高速道路は、山裾を潜る綿内トンネルにそのまま突入している。
ちなみに、この駅周辺のレールも、短尺レールになっている。

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南西の松代・屋代方は、ホーム横の県道踏切を越えると、
保科川の鉄橋までの18.2パーミルの長い登り勾配が続く。
なお、踏切の道路を左に行くと、旧・保科道(ほしな-/現・県道34号線)に接続する。

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昭和高度成長期の駅開業当初から無人駅だった為に、
駅舎は元々無いが、木造の待合室がホーム中央部にある。
外壁は補修の為、縦スリットの入った厚手のベニア板の上に、
木目プリントのトタン板を張り付けてある。
元のベニア素地は、線路側軒下天井や引き戸上部に残っている。
また、窓枠等は渋いピンク色に塗装されている様だが、経年で剥げている様だ。

屋根は、切妻屋根に切羽板付きの独特なデザインで、
出庇の代わりに線路側に棟が寄っている為、ずれた帽子の様にアンバランスであるのが面白い。
また、出入口の両引き戸や窓枠はサッシでは無く、木製建具を使っている。
屋代側の切羽板のビスは銀色の新しい物なので、新しい板に交換されている様だ。
補修の手がかなり入っているが、その時代を感じるので興味深い。

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駅出入口並びには、路線案内兼運賃表と大きな写真付き観光看板がある。
観光看板はかなり立派なもので、屋代線活性化の為に、平成22年(2010年)9月に設置された。

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待合室の中を覗いてみよう。
三方の壁面の半分がガラスの採光部なので、室内は大変明るい。
木製のベンチは、ホームに面して、「コ」の字に据え付けられている。

あちらこちら補修されているが、このベンチの部分は、本来の木材部分なのだろう。
渋めのピンクに塗装されているので、木造にある黒色の重厚さは無く、ポップな感じがする。
なお、須坂方の窓だけ、二枚サッシに交換されている。

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須坂方ホーム外れには、木造トイレも残っており、内部の一部は使用不可だが、現役である。
この様に独立した建物の駅木造トイレは、早い時期に水洗化の為に建て替えられ、
木造駅舎よりも現存していないとも言えるので、大変貴重だ。
「便所」と言う木板も、最近は見られなくなった。

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須坂寄りのホームには、「NO.1007 型式(無印字)昭和40年2月製造(株)京三製作所」
と刻印された銀色の大きい器具箱がある。
この京三製作所は、現在も、国内を代表する鉄道・道路用信号機の大正創業の老舗メーカーで、
実は、昭和6年(1931年)に、トヨタや日産よりも早く、汎用小型トラック「京三号」
(単気筒500cc 0.5t積み)を開発・生産をした、自動車メーカーでもある。

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駅前広場は無く、ホームの高さまでの土のスロープと砂利道、片勾配屋根の自転車置き場がある。
地元の高校生達が、通学時に駐めているのだろう。

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県道踏切横から駅を見ると、ホームの基礎石は新しいが、ホーム柵のデザインは独特な雰囲気がある。
駅の周辺には、JAグリーン長野の支所や直販所、JAの病院、小さな商店が一軒だけあり、
田圃、果樹園や住宅地が混在している感じだ。

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(踏切から北側・国道403号線方面を望む。)

次の上り列車に乗車して、須坂方の隣駅・綿内駅(わたうち-)に行こう。
大分、青空も見えて来た。今日は、素晴らしい秋晴になりそうだ。

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グーグルマップの線路部分は、廃線の為に削除されています。
駅の所在地は正しいので、参考程度として下さい。

2016年1月13日再編集
2016年8月12日再編集(文体変更・文章追加・画像整理)
2016年12月28日再編集(画像露出アンダーの為、全画像再処理入れ替え)

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category: 長野電鉄屋代線1日目 20話

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