hmdの鐵たびブログ ローカル線の旅

のんびりローカル線の鉄道旅を、写真を中心に「見る紀行文」で長期連載しています。

【143】遠州湖北と国鉄遺産を訪ねて、再訪。・・・天竜浜名湖鉄道(46・再訪編初回)自宅から、知波田駅と尾奈駅へ。  


春の天浜線の訪問では、三ヶ日駅以西が完全逆光の為、車窓からの撮影が困難だった。
また、国登録有形文化財指定では無いが、気になった駅も幾つかあったので、秋に再訪となった。
今回は、沿線西部の寸座駅(すんざ-)より、新所原方の西側のみの訪問とし、
帰りに奥浜名湖の周辺観光もしたいと思う。
日帰り予定の為、自家用車を利用したパーク・アンド・ライドで行く事にし、前日深夜に出発する。

全て国道経由、夜行7時間40分(仮眠2時間含む、走行距離約260km)かけて、
自宅から天浜線西側の知波田駅(ちばたえ-)まで、自家用車でやって来た。
知波田駅には、無料駐車場があり、天浜線利用客は駐車が出来るサービスがある。



今日の天気予報は、晴れ時々曇り、日中は暖かいそうだが、
朝方はかなり冷え込んでいて、暖房が必要な感じである。

時刻は、夜明け前の朝の6時前。車を駐めた知波田駅(ちばたえき)から、
一度、1日フリー切符を入手する為、天浜線終点の新所原駅(しんじょはら-)に向かおう。
暗闇の中に二灯のヘッドライトが光り迫り、TH2114が下り2番線ホームに到着、
上り列車と列車交換後に発車する。
まだ、外は真っ暗だが、豊橋や名古屋方面に通勤をしていると思われる乗客が、
20人程乗車していて、ローカル線の朝一番列車としては、混んでいる。

途中駅で、2、3人の乗客を拾い、案の定、東海道線の接続駅でもある新所原駅まで、
全員が乗車して、JR線に乗り継いで行く。
早朝から詰めている初老の駅長氏から、1日フリーきっぷ「奥浜名湖満喫きっぷ」
(大人1,200円)を購入し、再び、この折り返し掛川行き列車に乗車しよう。

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(早朝、新所原駅に到着したTH2114。TH2100形のラストナンバーである。)

JRのホームを眺めると、あちらも人は少なく、とても静かだ。
また、コンテナを満載した長編成の高速貨物列車が、
とても速いスピードで、二、三本通過して行く。

丁度、空が明るくなり始めた頃、5人の乗客を乗せて、
新所原からの始発二番、上り114列車・掛川行きが定刻通りに発車となる。
先ずは、此処から四駅先の尾奈駅(おな-)に行ってみよう。



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【乗車経路】※自宅から知波田駅まで自家用車、パーク・アンド・ライド。
知波田607====616新所原635====649尾奈
下り501列車・普通新所原行、上り114列車・普通掛川行
共にTH2114・単行(新所原で折り返し乗車)
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7時前に尾奈駅に到着。自分だけが下車し、直ぐに列車は発車して行く。
ホームに降りると、ゾクッと肌寒い。

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(尾奈駅を発車する、掛川行き上り114列車。)

この時間は、カメラの露出光量が不足気味なので、日の出を見に行こうと思う。
駅前の横断歩道を渡り、真っ直ぐの路地を100m程歩いて行くと・・・
猪鼻湖(いのはなこ)西岸に突き出した小半島の住宅地の中に、水面が見えて来る。
かつては、この半島の先端に、巡航船(定期航路)の船着場もあり、
三ヶ日・瀬戸・鷲津方面に、船で行く事が出来たそうだ。

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(朝日が登る猪鼻湖畔。私有地の為、公有地の防火水槽の場所から撮影。)

朝日の中、沢山の鳥達が羽を休めている。
なお、この小さな半島を、地元では「山中」、「東向」と言うそうだ。
「山中」は字(あざな)で、半島のほぼ北半分、「東向」は方角がそのまま使われており、
「北向」や「南向」の字もあるとの事。

また、この猪鼻湖は、浜名湖北西の最奥部にある支湖として、
面積5.4km²、湖岸延長14km、最水深度16mの汽水湖(きすいこ※1)になっている。
最南端の猪鼻瀬戸(いのはなせと)と言う狭い水道のみで、浜名湖と接続している為、
水域閉鎖性が強いそうだ。その為、水質の低下が問題になっている。

暫く、朝日の風景を見て過ごした後・・・駅に戻る途中には、円通寺と龍谷寺が並んでいる。
どちらも、地元の曹洞宗の小さな禅寺であるが、狭い半島内で肩を並べているのも、興味深い。
路地を入ると・・・見事なまでの、分かれ道がある。

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(分かれ道。まるで、人生の選択の様な、神妙な気分になる。)

左手の補陀山円通寺(ほださんえんつうじ)から、行ってみよう。
左右に塀のある山門が印象的で、浜名湖四国霊場の第八十一番札所になっている。
江戸時代後期建立の常夜灯もあり、明治7年、初めて、尾奈地区に小学校が開かれた場所でもある。

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(補陀山円通寺。)

本堂は、鉄筋コンクリート造りで新しいが、良く手入れが行き届いており、気持の良い寺だ。
裏手には、高台に続く急坂とみかん畑がある。

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(円通寺本堂。)
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(六地蔵尊。)

右手の點東山龍谷寺(※點は点の旧字/てんとうさん?)も、円通寺と同じ位の規模の寺で、
門前には、良く手入れがされた生垣と小池がある。
此方も、浜名湖四国霊場の第八十二番札所になっている。
また、境内左手には、民家風の大きな寄合所があり、庶民的な開放感がある。
隣同士でも、かなり雰囲気が違うのが、面白い。

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(點東山龍谷寺。)
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(本堂。)

小池には、沢山の錦鯉が悠々と泳いでおり、石橋と小さな社が三つ並んで鎮座している。

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大分、明るくなって来たので、駅に戻る事にしよう。
駅舎向かいには、昔ながらの酒屋もあり、ご当地そのままの店名になっている。
また、駅舎の北隣には、二匹の鰻が飛び跳ねている鰻トイレがある。
天浜線の四つの名物トイレのうちのひとつで、とてもキュートだ。

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(駅前の酒屋おなや。)
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(名物トイレの鰻トイレ。)

天浜線は、多くの国登録有形文化財や国鉄を感じさせる懐かしい風景が広がるのが魅力であるが、
個性的な飲食店を駅テナントとして入れたり、名物トイレを設置したり等の新しい試みも行っており、
面白い所だ。



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(※1)
海水と淡水が入り混じった湖。浜名湖・中海・宍道(しんじ)湖・サロマ湖等。
海水は1L当たり約35gの塩分を含む、浜名湖は場所によるが、8gから30gになる。
(※2)
神社の所有地。神社の経営を支える為に、中央政府から与えられた公有地。
平安時代以降は、私有地化して行った。
(※3)
鵺(ぬえ)は、古来、夜に不気味に鳴く物の怪(妖怪)として、恐れられていた。
実際は、夜鳥だったらしい。

【謝意】
尾奈の地理、地名や歴史について、浜松市北区三ヶ日地域自治センターさま、
三ヶ日公民館さま、地元の郷土研究家さまより、ご教授頂きました。
ありがとうございます。厚く御礼申し上げます。

2015年12月3日再編集
2016年7月24日再編集(文体変更・文章追加・画像整理)

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category: 天竜浜名湖鉄道再訪編 13話

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