hmdの鐵たびブログ ローカル線の旅

のんびりローカル線の鉄道旅を、写真を中心に「見る紀行文」で長期連載しています。

【184】信州松代、あるローカル線の最後の秋に訪ねて・・・(30)小布施めぐり[1]長野電鉄小布施駅  


平成23年(2011年)11月、最後の秋の長野電鉄屋代線訪問を終えた。
一泊二日の予定だったが、折角なので延泊し、三日目は小布施観光(おぶせおぶせ-)をする事にした。
明後日は雪の予報になっており、サマータイヤでギリギリだが、何とか訪問出来そうだ。

昨晩泊まった、屋代駅前のルートインコート千曲更埴(ちくまこうしょく)に電話をすると、
今夜も空き部屋があるとの事で、宿泊を依頼した。
満室の場合は、長野市中心部で探そうと思っていたので、大助かりである。
松代駅西の市営観光駐車場から、国道403号線を南下し、20分程でホテルに到着する。
今日の夕食は、松代駅前のスーパーの寿司パックで、簡単に済ました。



朝の6時に起床。三日目の交通手段は車なので、ゆっくりで大丈夫だ。
身支度準備をした後、7時過ぎに、ホテルの朝食をとる。
コーヒーで一服した後、チャックアウトをして、小布施に向けて出発するとしよう。

国道403号線「谷街道」を北上すると、須坂を経由して、小布施に行く事が出来る。
この千曲市屋代からは約30km、ノンストップならば、車で1時間かからないだろう。
なお、長野市内を抜ける千曲川西岸ルートは、朝の渋滞に遭遇する可能性が高いので、
避けた方が良いと考えた。

交通量も然程多くなく、屋代線の線路をちらほら見ながら、順調に北上する。
途中、信濃川田駅近くの谷街道宿場町である、川田宿に立ち寄って、ここも見学をしよう。
(川田宿の記事は、屋代線編二日目の信濃川田駅訪問時にて紹介。)

国道403号線谷街道の金井山付近は、白い急崖が所々に見え、
国道と白崖の間の果樹園の中を、屋代線の線路が走っている。
この美しい崖からは、柴石と言う地元特産の石が採れるそうで、周辺には石材屋も多い。
なお、「柴」は、ここの集落名だそうだ。

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(須坂の南15km付近、国道403号線金井山付近の白い岩肌。)





川田宿を見学した為、10時過ぎに、小布施中心部に到着する。
国道の近くの町営駐車場(有料・4時間まで普通自動車300円)に車を停め、徒歩観光をしよう。
時折、薄日が差す明るめの曇り空で、やや気温が低く、上着が必要だ。
北信州の晩秋の感じがする。

駅東側の町営観光駐車場の受付は、観光案内所も兼ねており、ガイドマップも貰った。
この小布施は、「信州の小京都」、「栗と葛飾北斎由縁の町」と言われる有名観光地で、
長野市中心部から北東の千曲川東岸にある、小さな町である。
以前、車で通過をした事はあるが、小布施観光は初めてだ。

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(町営駐車場。)

先ずは、町の玄関口である、長野電鉄小布施駅に行ってみよう。
町営駐車場から国道403号線に方に出て、向こう側に渡り、そのまま道なりに歩く。

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(国道403号交差点。二車線しかないが、交通量は多い。)



駐車場から徒歩10分程で、長野電鉄小布施駅に到着する。
木造駅舎ではないが、日本瓦屋根の和風建築で、観光地らしい雰囲気がある駅舎になっている。
観光協会案内所やテナントも入っている。

この小布施駅は、長野電鉄本線の主要駅のひとつである終日有人駅で、
大正12年(1923年)3月、河東鉄道河東線(かとう-)の延伸開通時に開業、
長電長野駅からは14駅目、17.5km地点、所要時間は約35分(普通電車利用)、
長野県上高井郡小布施町大字小布施字親木、標高349mで、特急も含めた全ての列車が停車する。

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(長野電鉄小布施駅。)

出入口の間口は広く、一枚板のシンプルな駅名標が掲げられている。
防寒・風防設備や改札外待合室が無く、悪天候時や冬季は隣の観光案内所兼喫茶店を利用するか、
ホームの待合室で待つしかない様だ。

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(駅出入口。)

昔ながらの出札口が残り、自動券売機も一台設置されている。
改札口は、金属ポールとサッシ引き戸の簡易な設備だ。
また、ポスター等が丁寧に貼られており、煩雑な印象が無いのが好印象である。

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(改札口周辺。)

コインロッカー上に駅時刻表があり、改札口上には、二段表示の自発光式列車案内表示器が、
上下線別々に設置されている。特急を含めて、毎時2-3本の運行ダイヤになっている。

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(駅時刻表。)

駅構内も見学してみよう。出札口で硬券入場券を購入する。
なお、普通サイズの入場券もあるが、葉書サイズの日本一ジャンボな入場券が有名だ。
長野電鉄公式HP「小布施駅ジャンボ入場券」

改札を通ると、駅舎側単式ホームと島式ホームの組み合わせの二面三線が、
南西-北東方向に配置され、中央の島式ホームが乗降に使われている模様だ。

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(ホーム南西端の構内踏切付近から、湯田中方ホーム全景。)

この駅は、逆番線振り分けの上、右側進行特例駅となっており、全国的に大変珍しい。
駅舎側が3番線になり、イベント列車の発着時以外では、使われていないそうだ。
また、物品販売もしている為か、あまりホームの感じがしない。

昭和35年(1960年)頃の駅構内写真を見ると、現在の3番線は中線になっており、
駅舎側にもう一本、ホームに接した線路があった様だ。
そのホームには、貨物列車が入線し、貨物や鉄道手小荷物の扱いを行ったとの事。
なお、長野電鉄の貨物営業廃止は昭和47年(1972年)3月、
鉄道手小荷物廃止は昭和58年(1983年)8月になっている。
また、当時の島式ホームは、現在と同じ旅客乗降用に使われている事から、
逆番線振り分けの理由は、この貨物用ホームを1番線とすると、勝手が悪い為と思われる。

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(島式ホームからの駅舎本屋と3番線。駅前からは、平屋に見えるが、二階建てである。)

長野方の警報機・遮断機付き構内踏切を渡って、島式ホーム1・2番線に行ってみよう。
踏切横から長野方を望むと、線路は真っ直ぐに伸びている。
なお、長野電鉄の本線は、単線直流電化1,500Vとなっている。

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(長野方。)

構内踏切を渡ると、改良工事がされた階段とスロープがあり、木造の旅客上屋がある。
ホーム幅が広いのも、観光地の玄関駅らしく、混雑する乗降客をさばく配慮だろう。
支柱間をM字の斜め梁で繋いでいる形は、屋代線屋代駅の旅客上屋と同じデザインになる。
暫くすると、信州中野行き8500系T4編成(3両編成)が到着、数人の観光客が下車する。

今日は曇っていて見えないが、ホーム上から北西方向には、
「北信五岳」こと、飯縄山(いいづなやま)・戸隠山・黒姫山・斑尾山(まだらおさん)・
妙高山の雄大な山並みが見える、大変景色の良い駅としても有名だ。
マピオン電子地図(小布施駅と北信五岳・3D地図・1/30万)

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(島式ホームの旅客上屋。※下写真は、構内踏切から撮影。)

旅客上屋の柱には、昔ながらのホーロー製行先案内版も残っている。
廃線になった木島方面も書かれているが、後ろの柱は隠してあるので、誰かが剥がした様だ。
また、信州中野の「州」は珍しい字体で、代用異体字「刕」の省略漢字である。
今でも、「大刕=たいしゅう」の様に、苗字に使われる事がある。
「刀」が「力」になっているが、誤字だろう。

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(柱行き先案内板。改札口に、叔母に連れられた小さな子が、電車を見にやって来た。)

ホームの中央部には、十畳程の大きな待合室があり、
内外の壁は今風であるが、木造ロングベンチが据え付けられている。
入口横の広告入りの大きな姿鏡に、昭和の雰囲気を感じる。

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(ホーム待合所内。)

湯田中方を望むと、2番線の信州中野・湯田中方面がそのまま本線として直進し、
1番線と3番線をまとめる。右の大きな建物は、地元チェーン系ドラッグストアだ。

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(湯田中方。)

湯田中寄りのホーム上には、俳人・小林一茶の句碑もある。
棘が付いたままの特産の栗が、都に運ばれる風情を詠ったらしい。
後ろは、「ながでん電車の広場」と言う、鉄道車両を静態保存している、鉄道公園になっている。

いがごてら 都へ出たり 丹波栗 作・小林一茶

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(駅名標と小林一茶句碑。)

鉄道駅のホームに、何故か、発電所の導水管と水車が展示されている。
これは、長野電鉄の前身・河東鉄道創業者の神津藤平(こうづとうへい)氏によって、
千曲川支流の樽川に建設された、樽川第二水力発電所のものだ。

当時、電化鉄道では、鉄道会社自ら発電所を所有する事もあった。
大正15年(1926年)の河東線全線電化の際に建設された、
ふたつの長野電鉄専用発電所の内のひとつで、
平成4年(1992年)に中部電力へ譲渡されるまで、65年間活躍したそうだ。
現在は、藤平氏の名を冠した藤平第二発電所となっており、
第一発電所が650kW、第二発電所が930kWの発電能力がある、小さな発電所との事。

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(導水管とベルトン水車。)

この独特なカギ状の水車はペルトン水車と言い、ノズルからジェット水流を出し、
水車の二列バケツで効率良く水力を受け取る。
昔の日本の水車にも見られ、黒部第四ダムも、採用している水車形式になっている。



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2015年12月2日再編集
2016年12月26日再編集(画像再処理高解像化・文章修正)

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category: 北信州小布施めぐり 全8話

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