hmdの鐵たびブログ ローカル線の旅

のんびりローカル線の鉄道旅を、写真を中心に「見る紀行文」で長期連載しています。

【243】草津温泉紀行2013 その1  


恒例のクリスマスから年末、そして、年明けと、仕事が多忙な日々が続いたが、
正月明けに思いの外に連休となった。

何処かに出かける良い機会なのだが、寒の入りの時期で、連日寒い。
鉄道旅行としては、些かまだ行動に不自由がある上、車窓からの景色もうら寂しい時期だ。

そこで、日頃の都会の喧騒を忘れるには・・・と、定番ではあるが、
温泉に行こうと思い立ったのである。
早速、インターネットで候補地を探す。一口に温泉といっても近場遠場を含めて、
無数にあるのは火山国日本らしいと感心するし、急に決めるとなると、逆に困ってしまう。
数時間悩んだ挙句、首都圏から一泊程度で気軽に行く事が出来、
温泉の質を最重視すると言う条件で、群馬県北部の草津温泉に行く事にした。

草津温泉は言わずもがな、この関東近県どころか国内でも、超有名温泉である。
超有名であるには、理由があるし、決して裏切る事は無いと言う保証もある。
早速、インターネットで宿を探して予約した。
今は、簡単に予算に合う宿が間際でも探せるので、大変便利になったと思う。

交通手段は・・・勿論、鉄道ファンとして、鉄道利用である。
安い高速バスもあるが、鉄道と温泉の組み合わせも、中々の良い風情があると感じる。





翌朝、朝6時に起床、今日もとても寒い。震えながら身支度を整える。
一泊の予定であり、着替えを入れるバックも、小さいもので事足りるので身軽だ。
今回は敢えて、モバイル機器やデジタルカメラを携行せず、カメラ付き携帯電話のみにし、
非日常を味わうのが第一と考えた。
また、現地は日中も気温が氷点下であり、所有するカメラの動作保証外と言うのもある上、
結露が故障原因にもなると考えられるので、そう判断した次第である。

東京の北の玄関口、上野駅に向かう。
この上野駅から群馬高崎方面に向かうのだが、
今回は、いつもの鈍行列車ではなく、思い切って特急を利用する事にした。

まだ、正月雰囲気のいつもより人出が少ない上野駅に降り立ち、中央改札へ向かう。
上野駅中央改札口横のみどりの窓口、今では、改札周辺は大改装されて綺麗になり、
びゅうプラザと名前を変えたが、窓口の若い女性係から乗車券と特急券を購入する。
今日は、臨時列車である「特急草津31号」の運転日であり、
待合時間も十分ある上に、始発駅からの乗車になるので、自由席にしよう。
運賃料金は、運賃2,940円と自由席特急券1,680円の合計4,620円だ。
JRの高速バスならば、副都心の新宿から直通で3,000円台なのだが、
鉄道を支援すると言う意味や定時信頼性、安全性も考えて納得したい。
また、全てのバス会社ではないが、民間高速バス等のあまりにも安い運賃は不安であるし、
安全がおざなりになり易い事は、近年の数々のバス事故が証明していると思う。



上野駅の地上ホームで待つ。
このホームは例の大変有名な頭端式ホームだ。
上野駅が北の玄関口としてのイメージはこのホームにあると言っても過言ではなく、
青函連絡船接続の夜行優等列車が次々と旅立っていた頃が懐かしい。
東北新幹線が出来てからは、そのイメージが大分薄らいでしまったが、
今でも、そこはかとなくその面影を感じる。

床や目線の高さの設備は一新されているが、
覆いかぶさる高い吹き抜け天井や高架ホームの鉄桁下に往年の年季を感じ、
全体的に薄暗く、北に開口部を面しているので、冷たい北風もどんどん吹き込んでくる。
今では、中央改札口から見て右手は、水戸・いわき方面の常磐線特急ホームとして、
左手は熊谷・高崎方面の高崎線の鈍行列車の発着ホームとして使われ、
朝と夜には、北海道・札幌とを結ぶ寝台特急が発着する。
でもやっぱり、昔とは様変わりしてしまった感じがするのが、少し寂しい所だ。

切符売り場の窓口嬢の案内で、14番線ホームで待っていると・・・
構内にアナウンスが大きく響き渡り、お目当ての特急の入線がアナウンスされる。
朝一番の臨時特急なので、待っている乗客は大変少ない。
8時50分に列車がホームに滑り込んできた。

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列車は、あの国鉄185系電車である。
最近、外装は再塗装された様子で、車歴が古い車両としては綺麗に見える。

また、首都圏での特急車両の置き換えが積極的なJR東日本としては、
今では、希少な国鉄形特急車両である。
デビュー当時、国鉄形特急の花形デザインであった月光形と全く違う斬新なデザインで、
小生も大きな衝撃を覚えた車両だ。乗車するのも20年ぶり以上であり、とても懐かしい。
伊豆の伊東・伊豆下田行き特急踊り子号としての華々しい経歴のある車両だが、
今は、この草津号やスーパー踊り子号以外の踊り子号で運用されている。

上野寄りの最後尾1号車自由席の中央左側席に深々と座る・・・。
構内アナウンスでは、10分後に発車するとの事で、
急いでホームにある売店まで、飲料等を調達、直ぐに暖かな車内に戻る。

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この窓が開く特急も珍しいが、当時、通勤通学輸送にも転用できる様に設計した為らしい。
今は、首都圏の通勤電車でも、窓が開かない車両が多いので、ある意味で異様にも見える。
また、窓は当時の特急列車としても小ぶりで、この185系の外観上の特徴になってる。



突然、電子音の反復ベルが、けたたましく鳴り響き始める。
今風のメロディー風発車ベルではないのが、何故か嬉しい。
大きなブレーキエア排出音の後、列車はガクンと震えて、
低くもなく高くもないモーター音が唸り始め、定時の9時丁度にゆっくりと発車である。

薄暗いホームを出て、無数のポイントをガタガタと通過。
すると、突然のように陽が沢山差し込んで、車内が明るくなる。
大きな駅であっても、地上ホームから列車が出るのが一番正統に感じるのは、自分だけだろうか。

ふと、右手を見ると・・・同時刻発車らしい常磐線特急が並走している。
乗降口横のLED行き先表示器を見ると、特急スーパーひたち号いわき行きらしい。
あちらの車両は、JR東日本最新型のE657系特急電車であり、
この国鉄形特急の生き残りの185系との並走も、
時代ミスマッチ感のある鉄道旅の演出をしている様で、興奮する所だ。

ひたち号の乗客も、草津号の乗客も、窓越しにお互いに見ているのが面白い。
こちらは観光地行き特急なので、正直、少しだけ優越感もあったりもする。
しかし、大きな古いコンクリート壁がお互いの姿を遮り、そこを過ぎると、
草津号はスピードを上げて、ひたち号と別れてしまった。

徐々にスピードが上がる中、国鉄時代そのままの鉄道唱歌オルゴールが聞こえ、
渋目の男性車掌氏のアナウンスが始まると、一気に非日常に誘われる。
鈍行列車の旅も良いが、鈍行列車の場合は都会を徐々に離れることによって、
非日常さが少しずつ増す感じがあり、遠方や観光地に行く優等列車の場合は、
外はまだ都会でも、車内だけが一気に非日常の雰囲気に満たされるのが面白い。



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2016年7月11日再編集

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category: 草津温泉紀行2013 全3話

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